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ヴォーカル論

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歌と楽器の関係性⑤ 「歌 ⇒ 楽器」

歌と楽器の関係性⑤ 「歌 ⇒ 楽器」

「声を楽器のように駆使する」

ジャズにおいては「器楽的で複雑なフレーズのスキャットを使いこなす」という意味ともとれますが、

今回は、私が思う「声を楽器に」とは何かを考察しようと思います。(以下は個人的な見解です)

私が歌唱において気を付けていることが1つだけあります。それは「くどさ」です。

人の歌声はもうそれだけで強烈な個人の匂いを残しています。時にそれは「エグみ」ともなります。

私はコ

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歌と楽器の関係性④ 一番好きなシンガー

歌と楽器の関係性④ 一番好きなシンガー

私は楽器になりたい。(いや、ヤバい奴じゃないですよ。)

前回は上記の「器楽演奏の目標は人間の声を模倣すること」について批判と考察を加えてみました。

今回と次回は「シンガーは声を楽器のように駆使出来るように努力する」について考察を加えます。

たま~に「一番好きな(ジャズ)ヴォーカリストは誰ですか?」と聞かれます。

ジャズを聴き出した初期に好き好んで聴いていたのは、ダイアナ・クラール(Dian

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歌と楽器の関係性③「楽器 ⇒ 歌」

歌と楽器の関係性③「楽器 ⇒ 歌」

上記はジャズの歴史をコンパクトに纏めた漫画からの引用文です。一理あるな、と思いました。

ですが、私自身が「全ての楽器奏者は人の歌声のような表現力を目指すべき!」と

そんな(不遜な?)ことを思っているわけでは無いので悪しからず。とは言え、

「歌うかのように演奏しなさい」

とはあらゆる楽器レッスンの場でよく聞くフレーズです。これについて、少し考察を加えてみようと思います。

結論、どんな楽器も

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歌と楽器の関係性② 「歌の立ち位置」

歌と楽器の関係性② 「歌の立ち位置」

ブルースはうめき声(Moanin')とギターから始まりました。

ボサノバもまたギター弾き語りのスタイルで始まりました。

しかしながら、ジャズは器楽(管楽器)から始まりました。

マイクとアンプの技術が未発達であった時代、人間の声とアコースティックギターの音量は、

生音同士では管楽器の大音量にかき消されれてしまいます。

ですので、ジャズの歴史上、ヴォーカルとギターは若干ですが後発のジャンルと

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歌と楽器の関係性① 「歌伴」

歌と楽器の関係性① 「歌伴」

歌と楽器の関係性については、書きたいテーマが沢山あるのですが、

今回は伴奏者と歌の関係性、歌い手の心構えについて。

神奈川に移り住んで以降、ギター弾き語りのソロスタイルを取ることが増えました。

でもそれは言わば「しゃーなし(仕方なく)」です。

出来ることならば信頼できる仲間、ピアニスト、ギタリスト、ベーシスト、ドラマーに

自分の声を委ねたい、一緒にライブを楽しみたいといつも思っています。

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