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日曜日に「集中力を高めたい」Z世代 検索から見えた悩みと曜日の関係性

こんにちは、データアナリストの小川知紘です。

以前の記事で、仕事に関する悩みには曜日特徴があるのかを見てみました。
SNSでのコメントを見ていると、これまで自分の中で感覚として持っていたものがデータで現れることで、自分だけではないと分かり議論しやすくなるように感じました。

そのような議論が少しでも広がることを願い、今回悩み全般に範囲を広げて曜日別の悩み傾向の分析を試してみたところ、悩みが循環している様子も見えてきました。

また後半では年代によって悩みがどう変わるのかについても出してみたので、ぜひ最後まで見ていただけたら嬉しいです!

(追記)今回の結果を基に専門医の方々に解説いただいたので、理由が気になった方は是非こちらの記事もご覧ください!→https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20221104/days.html


悩みの検索が増える曜日の傾向

キーワード単位にすると数も多く見づらいため、まずはキーワードを似た意味でカテゴリ化して、カテゴリごとに曜日の傾向を見てみました。
カテゴリごとに結果を見ていきます。

今回行った集計の流れ
・2021年7月-2022年6月の1年間で、弊社定義で悩みと判定されたキーワード上位を抽出
・抽出したキーワードに対して曜日間で検索人数のブレの大きさを算出し、ブレの大きいキーワードに絞る
・絞ったキーワードに対して、最も検索が多かった曜日をそのキーワードが多く検索される曜日と定義

仕事行きたくない関連

緑色のキーワードを見ると、月曜日には「やる気が出ない」「行きたくない」関連の検索が多くなることが分かります。“月~金に働き土日に休む”というスケジュールは共通している人が多いこともあり、休日が終わり平日が始まってしまうことへの憂鬱を多くの方が感じていることが見て取れます。

「眠い」検索も増えているように、皆さんも月曜日に一度はもっと寝ていたいと思われたことがあるのではないでしょうか。
更には「退職意欲」も月曜日に高まっており、実際に退職を検討される方も多く出る曜日と言えそうです。

火曜日を見ると「行きたくない」は月曜日と比べると比較的減っていることが分かります。やる気が出るかは別として一度頑張って出勤することでリズムは平日に戻ってくるのでしょうか。
しかし「退職意欲」は引き続き多く検索されており、退職を検討するまで深く悩まれている方は木曜日頃まで検討し続けている様子が見て取れます。

寝汗・血圧

「寝汗」「血圧」に関する検索がそれぞれ月曜日・火曜日に多く出て来ていました。
明確な理由は分かりませんが、調べた限りでは恐らく休日によるリズムの乱れや仕事が始まる強いストレスの影響ではないかと想像されます。後ほども出てきますが、キーワードごとに見てもともに月曜日と火曜日は同じくらい多く検索されているため、「寝汗」「血圧」に関しては曜日ではなく週の前半と捉えていただく方が良いかもしれません。

ストレス・疲労

水曜日になると「ストレス」「疲労」が増えてきて、木曜日にピークを迎えていることが分かります。金曜日は翌日仕事が休みなためか、「ストレス」「疲労」関連の検索は木曜日よりも少なくなるようです。
可能であれば、木曜日には集中力を使う仕事は入れない方が良いかもしれません。

足がつる

土曜日になると「足がつる」が濃く出て来ていました。
医学的な根拠は無いため、あくまで一種の傾向として捉えていただければと思いますが、足がつる原因を調べてみると多くで筋肉疲労も1つの原因として記載されていました。他にも原因は多数出てくるため断言はできませんが、もしかすると一週間の疲れがたまった影響なのかもしれません。

日曜日の悩み(身体の悩み以外)

日曜日を見ると、「二日酔い」「休日の過ごし方」の悩みが見られました。更には一緒にいる時間が増えるためか、「夫婦関係」関連の悩みも見て取れます。
休日ならではの結果が上手く抽出出来ているのではないでしょうか。

また「外見への悩み」も日曜日に特に集中しています。
出勤よりも気合を入れて支度をする機会が増えたり、時間がある分自分を見つめ直す時間も増えるためと想像されます。

ほか身体の不調

最後に身体の不調に注目してみると、日曜日に食べ過ぎる影響なのか「胃の不調」や「下痢」の検索が日曜日に増えており、そのまま月曜日もある程度検索されていることが分かります。
他にも休日を楽しんだ結果、「腰痛」や「肉離れ」といった身体への負担が日曜~月曜日に出て来ていることも見えてきます。

更には身体の不調があると朝起きて仕事をするのが余計に憂鬱になるように、
隣接する曜日で悩み同士が繋がっているようにも感じられました。

年代による悩みの違い

悩みを曜日別に見ることで傾向が見えてきました。では、年代によって悩みはどう変わるのでしょうか。
先ほど使用したキーワードを更に各年代で特徴的なものに絞り、年代×曜日で悩みを把握していきたいと思います。キーワードに紐づく最大曜日は年代毎でなく全体での結果を用いています。

年代に特徴的なものを見ると、
Z世代では「学校 行きたくない」が月曜日に出て来ていました。「仕事 行きたくない」も月曜日に特徴的なように、やはり休日が終わり平日がはじまるのは社会人も学生も関係なく憂鬱なことが見て取れます。

「眠気を覚ます方法」は45歳までの全年代で特徴的に出て来ています。若年ほど月曜日の眠気を火曜日まで引きずっているのかもしれません。

反対に、週前半に悩む「寝汗」「血圧」は36-45歳から出始めて46歳以上に特に特徴的に出現していることが分かります。土曜日の「足がつる」関連も36歳以上にのみ出現しており、46歳以上に特に集中していました。
筋肉量の変化や更年期など、身体の不調が出やすい大変さも結果から読み取れます。

26歳-45歳の日曜日を見ると、「二日酔い」に悩む様子や、「旦那にイライラが止まらない」という不満の検索が見て取れました。

皆さんの年代の結果はいかがでしょうか。各年代の悩みを上手く表していると言えるのではないでしょうか。

Z世代が「集中力を高める方法」を調べる理由

最後に、Z世代の日曜日に「集中力を高める方法」が特徴的に出て来ていました。
あくまで仮説ですが、特に学生は土日に勉強や宿題をすることが多く、平日までに終わらせないといけないが集中できない…という悩みなのではないでしょうか。

では実際にデータで検証してみましょう。
こちらは「集中力を高める方法」を検索した前後12時間の特徴キーワードを表したものです。中でも特徴的なキーワードが上に来るようにしています。

すると、スポーツでの集中力に悩む人も一部含まれていますが、大半は勉強での集中力に悩んでいる様子が見て取れます。
食べ物や飲み物・音楽などを駆使したり、モチベーションを作ってやる気を出したりと、色々な方法で集中力を高めようと模索しているようです。

また「朝起きる方法」検索や約11時間後に「テンションを上げる方法」を調べていることから、夜に追い込みで頑張っている様子も目に浮かぶのではないでしょうか。

最後に

今回は悩みの傾向を曜日別に把握し、更に年代別での悩みの差について見てきました。
このように傾向を意識できると、少しでも気を付けてみようと思えたり、周りの人と共有してみたりと、ちょっとは悩みが楽になることがあるかもしれません。

皆さんも何か悩んだ時には一度曜日を気にしてみてはいかがでしょうか。

筆者プロフィール
小川 知紘(おがわ ともひろ)
2018年よりヤフー・データソリューションの立ち上げに従事。
現在はDS.ANALYSIS(オーダーメイドの課題解決サービス)にて、クライアントに対する分析企画・アナリスト業務を担当。
副業として、幼児教室の先生 と 事業会社でのデータ分析 を行う。
データ分析が身近に感じられるネタで記事を投稿中→アナリストの分析日誌
ご連絡はこちらまで→@tomohogawa

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