保井志之@米国公認ドクターオブカイロプラクティック

「なぜ、治るのか、治らないのか」にこだわり続け40年、臨床と全国レベルのセミナーを継続…

保井志之@米国公認ドクターオブカイロプラクティック

「なぜ、治るのか、治らないのか」にこだわり続け40年、臨床と全国レベルのセミナーを継続して23年。カイロプラクティックやコーチングなど様々な療法で皆様のお役に立てるように研鑽を積み重ねております。 過去ブログはhttps://yasuiyukinobu.blogspot.com

最近の記事

血縁に縛られる心と身体の健康問題

親子や兄弟、姉妹といった血縁関係には、ポジティブな側面がある一方で、血縁に基づく信念が無意識のうちに相手の自由を縛り、自分自身の自由も制限することがあります。この無意識の心の信号と神経系の信号が混線し、誤作動を引き起こし、さまざまな慢性症状に関連していることが、PCRT(心身条件反射療法)の臨床現場で明らかになっています。 その本質をPCRTの施術過程で認識し、納得することで、患者さん自身がその解釈を自然に変え、自らの答えを見出すことにより、症状が改善する事例が多く見られま

    • 肯定的意図と目的論 (閉ざされていた心の扉を開く勇気)

      次回の中級2セミナーでは、大脳皮質系レベルの誤作動に焦点を当て、「意味記憶」や「エピソード記憶」の調整法を学習します。これらは、慢性症状に繋がる奥深い内容に関わる「誤作動記憶」です。 先日、ある通院患者さんの睡眠障害に対するアプローチを行った際、「意味記憶」の反応が示されました。さらに、意味記憶の検査チャートに沿って進めていくと、「肯定的な意図」から「被害者、犠牲者であるという承認」という誤作動反応に繋がっていることが分かりました。この反応は、幼少期の育った環境に対して、娘

      • 健康問題を「心」のせいにしたくない

        長年にわたり、機能的な健康問題や慢性症状の因果関係を掘り下げ、臨床研究を行っていると、「心と身体の関係性による要因」は、根本治療や本質的治療、統合的治療を目指す治療者にとって避けられない課題となります。しかし、「身体の問題」と「心の問題」を分ける西洋医学の機械論的な思想は根強く存在しているため、心と身体の関係性、心身相関に関する研究や臨床は大きな挑戦です。 一般的に、自律神経系の症状に対しては「心」が関係しているというある程度の認識がありますが、運動器系や筋骨格系、その他の

        • 心の「二面性」がもたらす健康への影響

          先日、ある患者さんの症状に関係する誤作動記憶の検査で、「心の二面性」に関連する内容がありました。これは他の患者さんにも共通して見られるものなので、ご紹介いたします。具体的な症状の内容やアプローチの説明は省略し、どのような信念体系が誤作動に関係していたかという観点でお伝えします。症状の因果関係として、Aさんの症状は、先輩であるBさんが久しぶりに遠方から帰省されたことに関係していました。 AさんとBさんは思春期からの友人で、先輩後輩という上下関係もあり、兄弟のように非常に親しい

          身体の不調サインを見逃さない!

          健康を維持するためには、適度な運動、バランスの取れた食事、心と身体の調和が大切です。日頃、健康管理をしているつもりでも、関節の痛みやこり、頭痛、不眠、身体のだるさ、便秘や下痢など、身体に不調サインが生じることはありませんか?これらの不調サインは、早めに対処することが重要です。病院の画像診断や血液検査で異常が見つからなくても、「病気の種」が隠れているかもしれません。 「病気の種」とは、目には見えない「誤作動信号」のことを指します。これは現代医学の検査では評価できない生体の電気

          エビデンスを超えて:

          臨床経験が示す治療の実践と信頼LCA(ライフコンパスアカデミー)では、長年のセミナー活動を記念してシンポジウムを開催する計画があり、多くの業界関係者の参加を促すため、先日、LCAの実行委員があるカイロプラクティック団体幹部に協力を依頼しました。しかし、「エビデンスがないので協力は難しい」という返答がありました。その返事に驚き、「えっ」と思いましたが、しばらく考えて、「エビデンスという言葉に翻弄されて、大切なことを見失っているのではないか」と疑問に思いました。直接聞いた話ではな

          「無意識の信念がもたらすストレスと体調不良:PCRTの視点から」

          目に見えない体調不良の原因として、「ストレス」という心の信号が関与していることは広く知られています。このような心の「ストレス」と身体の不調の因果関係を長年研究していると、一般的に言われている「心のストレス」とは異なる、「モヤモヤした心の動き(隠れたストレス)」が脳内の複雑な神経信号として存在することが明らかになります。その無意識の心(脳)の神経信号が自律神経や運動神経などの神経信号(電気信号)と混線し、体調不良を引き起こします。 心のストレスは、同じような現象が起きても、人

          「無意識の信念がもたらすストレスと体調不良:PCRTの視点から」

          愛情の本質に迫る:人間関係と価値観

          心と身体の関係性が影響を及ぼす体調不良には、人とのつながりや愛情に関係する事柄も少なくありません。「愛情」や「愛」が大切であるということは共通しているものの、その中身はさまざまで、時には自分の都合による狭い「愛」の捉え方や考え方によって、相手を縛り、自分をも苦しめてしまうことがあります。多くの人々は「愛の本質」について深く考えることなく、「愛」に関する人間関係や出来事に悩まされることが多いのではないでしょうか。 PCRT認知調整法のあるセッションの中で、「自分は本当に相手の

          挑戦」は「生命」のエネルギー源

          「自分の人生を自分で止めないことですね。いつ人生を終えるかどうかは『天』が決めること。何かに挑戦することを止めたら、『生命』のエネルギーも自然に止まるようになってしまいます。人間は本来、何かのために生きています。何かのために生きているからこそ、『生命』の炎を燃やし続けることができるのです。命の炎を燃やすことを止め、すなわち、何かに挑戦することを辞めたら、後は病気のプロセスが始まるのではないでしょうか?」 ある患者様に、検査反応を通じて、冗談のように話した内容でしたが、後でと

          正しさの「矛と盾」

          私たちはしばしば、自己の正義と他者の行動を測るための評価基準として「正しさ」という概念を用います。この追求が無意識のうちにどのように私たちの内なる感情や行動に「盾と矛」として影響を与え、時には自分自身や他人を傷つけることにつながるのかを探ります。例えば、「社会的な議論や家庭内での対立においても、私たちが持つ「正しさの矛」と「正しさの盾」はどのように作用しているのでしょうか? 「正しさ」の概念は日常生活の人間関係や社会的状況の中で多様な形で表れます。例えば、子どもの教育やしつ

          「自由」という「拘束」

          「自由」と聞くと、多くの人々がその言葉に寄せる期待と希望は計り知れないものがあります。一般的には、束縛や制約からの解放、選択の自由、行動の自由といったポジティブなイメージが先行します。しかし、私たちはしばしば見落としがちですが、この広く求められる価値は、実際には内面的な葛藤や不安、さらには予期せぬ心理的拘束を生み出す可能性があります。仕事や社会生活における「自由の追求」は、多くの場合、時間や行動に対する外部からの制約を指す一方で、その果てに得られる「自由」がもたらす内面的な挑

          自然治癒力と暗示効果のパワー

          スポーツの世界において、身体だけでなく心の力がいかに大きな影響を与えるか、多くの人々が驚くような事例がありました。大相撲春場所の千秋楽で、新入幕の24歳、尊富士が見せた驚異のパフォーマンスは、その最たる例です。平幕の豪ノ山を破り、13勝2敗の成績で初優勝を飾った尊富士。新入幕力士の優勝は110年ぶりの快挙となりましたが、この成功の背後には、単なる肉体の強さ以上のものがありました。 前日、尊富士は朝乃山戦で敗れ、右足首を負傷。歩行不能にまで至り、病院で治療を受ける事態に陥りま

          心の誤作動信号を読み解くPCRT

          PCRT(心身条件反射療法)の臨床実践では、現代医療が原因不明とする慢性症状に対し、無意識レベルの心の信号に焦点を当て、これらの症状の多くを改善してきました。慢性症状を引き起こす無意識レベルの誤作動信号に注意を払うことで、通常の医療では改善しないこれらの症状をどうして改善できるのかが理解できます。 これは、一般的に推奨されるストレス管理やポジティブ思考による意識改革とは根本的に異なります。PCRTでは、直接的な自己観察や自己療法を超えたアプローチが求められます。長年にわたる

          自己の存在、承認欲求、そして自由と責任の探求

          この文書では、人間が自己の「存在」と「承認欲求」とどのように向き合い、これらが自由と責任の感覚にどのように影響を与えるかについて探究します。多くの人々は、自己の「存在」を潜在的に重要視しています。自己の存在を謙虚に振る舞う人は多いものの、実際には、「良い人である」という存在をアピールしている場合が少なくありません。宮沢賢治が亡くなった後に発見された遺稿のメモには、「雨ニモマケズ」の詩が残されており、その終わりには「みんなにでくのぼうと呼ばれ、褒められもせず、苦にもされず、そう

          自己の存在、承認欲求、そして自由と責任の探求

          心理的要因と免疫反応がアレルギー症状に与える影響

          現代医療において、心理学と免疫学はしばしば別個の専門領域として扱われがちであり、これが統合的アプローチの発展を妨げています。この点において、アレルギー症状に限らず様々な慢性症状を根治的に改善させるためには、心と身体が切り離せないように、様々な事柄を「関係性」を通じて考えることが大切で、その「関係性」が慢性症状の根治への鍵になるのではないかと考えています。 アレルギー症状における心理的要因と免疫的要因の影響を理解するためには、その基本メカニズムの理解が不可欠です。アレルギー反

          心理的要因と免疫反応がアレルギー症状に与える影響

          「暗示」による花粉症

          「造花を見ただけで花粉症の症状が出る」というのは有名な話ですが、ご存知でしょうか? 「造花を見ただけで花粉症の症状が出る」という現象は、心理学的な反応や「条件付け」の一例としてしばしば引用されます。この現象は、特定の刺激(この場合は造花)が実際にはアレルゲンを含まないにも関わらず、アレルギー反応(花粉症の症状)を引き起こすというものです。これは心理的な要因や条件反射による身体反応の一種と考えられています。心理学の分野で広く知られるプラセボ効果や条件付けの理論、特にパブロフの