ミュージック・マガジン「1990年代 Jポップ・ベスト・ソングス100」感想
いつも楽しく読ませてもらっているミュージック・マガジン。
2022年10月号の特集は1990年代 Jポップ・ベスト・ソングス100
というなんとも魅力的な内容でした。
前置きとして
音楽にランキングをつける行為は基本的にはナンセンスだと思っていますが、音楽好きの仲間と話す際にはとても盛り上がるネタであることも否めません。
各々の好みは哲学となりその哲学をお互いに共有することはとても魅力的で幸せな一時となります。
上記を踏まえても、とても素敵な企画で楽しく読ませてもらいました。
今回はそんな1990年代 Jポップ・ベスト・ソングス100について思うところを書いていこうと思います。
今回ミュージック・マガジンで行われた選定方法は
※1990~1999年にリリースされ、オリコン30位内に入った日本制作のシングルA面曲が対象
この中から選者数十名が1位から25位までを選定した結果を集計したものみたいです。
どこまで書いていいのかわかりませんが、集計されたランキング、個人的にはバランスがとても良く、なるほど。。。!と思いつつもこの曲入ってないんだ!というの観点からも楽しく読ませてもらいました。
オリコン30位以内という縛りがミソ。。。と個人的には思います。
JPOPという言葉の定義について
またJPOPの定義について改めて考える良いきっかけになりました。
ウィキペディアでJPOPを調べてみると「 Japanese Popの略で、和製英語である)日本で制作されたポピュラー音楽を指す言葉。」と出てきます。
重要なのはポピュラー音楽と定義しているということ。
ポピュラー音楽とはわかりやすくいえば大衆音楽。
パンクやジャズのような音楽ジャンルを指す言葉とはちょっとニュアンスというかレイヤーが違う気もします。
ポピュラー音楽なので、大衆音楽であればジャンルは関係無いという捉え方になります。 ただややこしいのは音楽のジャンルをどのレベルまで区切るのかが各リスナーによって様々グラデーションがあるということ。
例えば実際にhide with Spread Beaverの ROCKET DIVEがランキングインしているのですが、「hideがJPOPのランキングに入るんだ…」という感想を持つ方もいると思います。
X JAPANのDAHLIAも対象曲ではあるのですがランキング外ですし、大衆音楽という大きな括りはありつつも、あからさまにジャンルに偏った曲はあまり選ばれておらず、そのあたりは選者の共通認識があったかもしれません。
明らかにロック系の選出は少ない印象でした。そんな中ROSIERがランクインしていたり、このあたりの選出ラインが面白かったです。
また、どこまでが大衆的か?というふわっとしている部分をオリコン30位と明確に数字で縛っている点がJPOPという定義に近づける大切なキーだったと思います。
素晴らしいバランス感覚
ベスト100を見終わった感想を羅列していくとこんな感じでした。
・1位は絶対宇多田ヒカルと思ってたのに、、!
この企画を知った時に脊髄反射レベルで1位は宇多田ヒカルの「Automatic」やろと思いましたがまさかの2位でした笑 あの曲を1位に持ってくるのは正直やられたと思いました笑
・やっぱ渋谷系は偉大
基本渋谷系の曲が多いんだろうなと思っていましたが、ピチカート・ファイヴ、フリパ、オザケンがバシバシランクイン。GROOVE TUBEがしっかりランクインしていて、ある意味このランキングの保険というか「あ、大丈夫なやつだ笑」と保証してくれた感じでした。
・30位~40位のランキングが熱すぎる…!
詳しくは実際に手にとって見てほしいんですが、個人的にはこの30~40位のメンツのバランス感覚が最高でした。この10枠にB'z、globe、椎名林檎、電気グルーヴ、aiko、シャ乱Q、広末涼子などなど珠玉の名曲たちを歌ったアーティストはがランクインしています。
広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」個人的には90年代Jpopベスト10に入るレベルの名曲だと思っててこの順位か、、と思ったり笑
モータウンビートをベースにシティポップの女王、竹内まりやの甘酸っぱいメロディラインとリリック。決して上手くはないけど透明感あふれる広末涼子のボーカル、、名アレンジャー藤井丈司さんが素晴らしい編曲で仕上げています。ストリングスも素晴らしいし、間奏から大サビへの流れがマジで良い。
この曲入ってないの!?集
改めてこのオリコン30位以内ってのがミソで パッとランキング見終わって、BONNIE PINKの「Heaven's Kitchen」、くるりの「東京」Dragon Ashの「陽はまたのぼりくりかえす」等なんで入ってないん!?と思う曲がまぁありましたが上記3曲含めてオリコン30位以内に入っていないんですよね。この30位以内の枠を広げたランキングも見てみたいなと思います。
ただ!
今回の条件を満たしていながらもランクインしていない名曲たちは数多くあるので、一部紹介して今回は終わろうと思います。
※もしかしたら入っていない明確な理由がどこかに明記されてるのかも…その場合はスミマセン💦
篠原涼子 with t.komuro /恋しさと せつなさと 心強さと 1994年
名実ともにTOP10に入るだろうと思っていましたがまさかのランク外。
お手本のようなきれいな同主調転調とアウトロのFmへ半音上げの転調。
転調といえばTKサウンド!の代表的名曲です。
Hysteric Blue/なぜ… 1999年
女性ボーカルバンドで見てみると、JUDY AND MARY、JITTERIN'JINN、the brilliant greenはランクインしていましたがヒスブルは残念ながら圏外。「春~spring~」、「なぜ・・・」の2曲はランクインしていても全くおかしくない大名曲。そういえばセンチメンタル・バスの「Sunny Day Sunday」も入ってなかったなぁ
Dragon Ash featuring Aco, Zeebra/ Grateful Days 1999年
オザケンの今夜はブギー・バックが5位に入っていたり(これは全面同意)、EAST END×YURIのDA.YO.NEがランクインしてたりヒップホップ系も入っていましたが、この大大大名曲はランクインせず。
Every Little Thing/Dear My Friend 1997年
正直初期のシンセガンガン入ってるELTめちゃくちゃかっこよくて。。。
ミュージック・マガジンさんなぜに圏外!?笑
何といってもギターが抜群過ぎる。まさに和製ヴァン・ヘイレン。
そんなバチバチロックなオケがJPOPになっちゃうところが持田さんのボーカリングの凄さ。個人的にはTOP10に入る1曲。
他にも色々ありますが、一旦今日はここまでにしたいと思います。
お読みいただきまして、ありがとうございました!
あれれ。ZARDが入ってないのはなぜだろう…!?
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