見出し画像

不整脈⑩ この不整脈、分かりますか?(後編)

割引あり

前回の記事の答え合わせです。
まだ前回の記事を見ていない方は、下のリンクから参照できます。

本当は無料記事で公開予定でしたが、書いていたら思っていた以上に熱が入り長文になったため、有料記事とさせて頂きました。
分からないことがあればコメントに入れて頂ければお答えしますので、ぜひこの記事を読んでいただけたらと思います。
それでは、行きましょう!

問題➀


54歳男性、突然の胸部不快感を自覚して搬送された。心電図でV1-3のST上昇を指摘され、急性心筋梗塞の診断で緊急冠動脈造影術(CAG)を施行したところ、左前下行枝#6の完全閉塞を認めた。引き続き経皮的冠動脈形成術(PCI)に移行し、#6にバルーン拡張を行った。拡張後10秒程度で突然上記の心電図が出現した。

診断・解説【1】➀

CAGで左前下行枝#6の閉塞がみられているので、原疾患は急性心筋梗塞でいいですね。ここでポイントになるのは
再灌流直後に出現している
・P波が存在しない
・Wide QRS波
・HR:75/分と早い

さて、P波が存在しない、wide QRの二つから想定される疾患は?
P波がない、ということは
・洞不全症候群
・洞結節の機能以上に自動能が亢進している箇所がある
(心臓のどの部分でも自動能を持ち得ますが、基本的に洞結節が一番早い)
のいずれかですね。

ここから先は

3,092字 / 2画像

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?