最愛の親友へAKA愛を込めて
大学で出会った韓国の親友の話。
大学初年度の交流会で俺は1人浮いていた。
なんだか、周りみたいにキラキラ輝けなかった。
当時は人生にうんざりしてて、(アイデンティティクライシスってやつ)心ここにあらずの状態だった。
その韓国の親友とはどういう経緯で仲良くなったのか上手く思い出せない。気がついたら俺たちは親友になっていた。けど、これだけは覚えてる。最初話しかけられた瞬間にこいつとは上手くやっていけるって直感で思った。彼の中に反骨精神を垣間見た。
俺の直感はぴったりで、そこから話してくうちに俺たちには沢山の共通点があることがわかった。クソッタレな少年時代、親の不条理、資本主義への不満、女に振り回され続けては病む生活。。
大学の講義でもそれ以外でもよく一緒につるんでた。
退屈な講義はお互い協力しながら単位を取り合ったり、飲みに行ったり、時間があればタバコを吸って。
俺たちは良いチームだった。
大学ではお互い無法者だったけど、世界一イケてる学生だった。まるで俺たちは兄弟の様だったし、実際そうだった。良い日韓コンビだった。途中から挨拶も「よう兄弟」って言う具合に親密だった。
大学を卒業してからも連絡は取り合ってた。電話したり、飲みいったり。だいたいは女と社会への愚痴だった。でもそんな会話の中に時折、美しい夢を語り合うなんかもした。
そこから、悲しい出来事が起きた。
よく、君は俺のこと頭良いって褒めてくれたよね。
でも、俺は自分のこと大バカ野郎だと思ってる。
だって俺は君の苦しみを表面的でしか理解してなくて、その奥深さに飛び込むことなく、命を断ちそうなその瞬間に側に居てやれなかったから。
時々、君の境遇の事を考えると怒りが込み上げてくる。こんなの不条理だ。フェアじゃない。人生が公平じゃないことくらい、耳が痛くなるほどわかっているけれど、正直クソだと思う。もっとマシな方法があったんじゃないかと。
お互い家庭環境や女のことで悩み散らかして、喫煙所で不満をぶち撒けた、そんな時間が恋しい。
君が居なくなって、俺は本当に親友と呼べるものが居なくなった。心に穴が空いた様な経験は何度もした事あるけれど、今はこれまで以上に現実が灰色に感じる。この感覚、気に入らないな。
ある歌詞がある。
俺がいま君に思うことの全てはその歌詞からの引用が1番しっくり来る。
最近俺は自分の事がよくわからない。
俺はコロナ禍で一発当てただけの負け犬マーケターで、今はスランプ状態でサラリーマンやってる。そして信念もなくて水面下でただ彷徨ってる。クラブに行っていろんな人と仲良くなって、交流関係を広げて、酒、女、ドラッグ(向精神薬)、タバコに依存していて、必死に現実から逃げてる。あれから色んな場所へ行ったけれど、でも何処へ行っても君はいないんだ。
LINEの既読、もうつくことは無いんだね。
君が居なくなっても、もしかしたら出るんじゃ無いかと思って電話かけてる。その度に、君が居なくなってしまった事実がまた一つ画面に残る。
あのさ、生きる事はキツイ仕事だよね。
でも俺はもう少し生きてみることにする。
じゃないといつか君に会った時に、またクソまみれの世界について話さなきゃならない。それも悪くないけど、次に会う時には、ちょっとは世界の美しさについて語れる様な人間になっていたい。あるいは、堕落した俺の人生の笑い話。
p.s.愛してるよ、兄弟。しばらくしたら会いに行くから、待ってて。どんなに遠くに居ても必ず追いついてみせるから。
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