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【MBA】 「レヴィンの変革プロセス」を 「北風と太陽」で例えてみた。


【ターゲット】組織が硬直化して、なかなか変わらないとお嘆きのあなたに。

あなたがリーダーなど組織を変化させる必要があるとする。しかし人は慣れ親しんだ方法に安心感を得やすいため、メンバーからの抵抗にあうなど、なかなか現実に組織を変えていくことは難しい。

そこで今回は、社会心理学者のレヴィンが開発した『レヴィンの変革プロセス』という手法を紹介したい。またいつものようによりイメージしやすくするために、『北風と太陽』に例えて解説していく。

【基本】『レヴィンの変革プロセス』とは?

レヴィンは、社会心理学者らしく組織内の人の心理的な変化に着目して、人の思考や組織が変わる段階についてシンプルな3フェーズにまとめた。

1.Unfreeze(解凍):変化の必要性を認識し思考をほぐす準備段階。
2.Change(変化):変化が起こる過程。戸惑いが起きることも。
3.Refreeze(冷凍):新たな視点に慣れ、変化を受け入れる段階。

まだうまくイメージが湧かないかと思われるので、いつものように「例え」を通じて理解を深めてみよう。

【応用】レヴィンの変革プロセスを『北風と太陽』に例えてみる。

『北風と太陽』の物語は、『旅人のコートを脱がせられるか』というゴールに対して北風と太陽が全く異なるアプローチで勝負に挑む事例である。まずは、北風のアプローチから見ていく。北風は、コートを着た旅人に対して冷たい風を吹きつけた。風の勢いでコートを吹き飛ばそうという戦術だ。しかし北風が旅人のコートを力づくで吹き飛ばそうとすると、逆に旅人はさらに強くコートを握りしめて手放さなくなる。つまり、旅人は「コートがなくなる」という変化に対して、強い抵抗を示したといえる。

続いて太陽のアプローチを見てみよう。太陽は、ぽかぽかと暖かくすることで旅人の気持ちをほぐし、自然にコートを脱ぐように仕向けた。その戦術は功を奏し、見事旅人はコートを脱ぐという「変化」を達成した。短期的な勝負としては、太陽の勝ちだろう。実際、童話の中ではここで「めでたしめでたし」で終わる。しかし実際にビジネスや組織の場合は、望ましい変化を一時的に起こしたとしても、それで終わるわけではない。きちんと、その新しい変化を今後も留めておく必要があるのだ。もし長期的に見たときに、太陽的なポジティブな解きほぐすアプローチしか持っていなかった場合、いずれそのポカポカさは生暖かさに代わり、ダラけて気が抜けた組織に変わっててしまう。もはや旅人はコートだけでなく、パンツまでも脱ぎ出してしまうかもしれない。つまり、ポジティブアプローチだけしか持っていなければ、好ましい変化を通り越して、無秩序状態になってしまう可能性があるのだ。

そこであらためて、『レヴィンの変革プロセス』に目を向けてみよう。このフレームワークでは、「解凍」→「変化」までは、太陽のアプローチと同じだが、最後に「再凍結」という北風的アプローチを取っていることに注目したい。

つまり大切なことは、解きほぐすことで好ましい変化を作り出し、今度はその新たな好ましい変化を受け入れつつあるタイミングで、うまくその理想の状態に最適化するようにルールや評価システムなどを固めよ、ということである。それは四角い氷を溶かして水にして、次に丸い型の容器にうつして冷やすことで、全く別の丸い氷に変わるようなものだ。


いかがだったろうか。実際、レヴィンが提示したこのシンプルなフレームワークは、これまでの凝り固まった『北風と太陽』の童話に対しても新たな気づきを与えてくれたのではないだろうか。ぜひ、うまく活用して自分の属する組織の変革に役立てていただきたい。

【結論】レヴィンの「変革プロセス」をヒントに、あなたも自分が所属する組織に前向きな変化をもたらそう。

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