女装トランスジェンダー回顧録   続・とおくのまち 2

自分が自分でいられるといのは、ほんとに素敵なこと。
友達もたくさんできました。
ボーリング、カラオケ、水族館、遊園地、みんなで行けばこわくない……とばかりに、女装した仲間でいろんなところへ遊びに行ったなぁ。
すぐく楽しかった~♪
古都……。奈良、京都にも行ったなぁ、ちょっした旅行気分が味わえた。
写真を撮るのがすぎたったから、カメラにも興味がわきました。
まだ、「自撮り」なんていう言葉もない時代だったけれど、自分で自分の写真を撮る研究をしていました。
ポートレート(人物写真)の本を買ってきては熟読し、機材も揃えて行った。そんな時、知り合ったのが、Lちゃんだった。自分でポートレートを撮る研究をしていたので、すごく共感しあえた。わたしよりもいくつも年下の、女装が似合う長髪の男の子だ。
Lちゃんは、それから、ずっと、いつもよく行動をともにした友人だ。
撮影会、スナックにも行けば、模型の展示会。
 Lちゃんは、自分自身をちゃんと男性だと思っているようでスカートを履いてないときは男子らしく、わたしのことをエスコートしてくれて、専属カメラマン役からボーイフレンド役までやってくれる。よくデートしたし、この時代のわたしの写真をいちばん多く撮ってくれた人かもしれない。

Lちゃんたちを誘って、撮影チームを結成した。
ひとりずつ、わたしがスカウトした厳選メンバーでした。
公園、バラ園、屋上庭園。季節のよいころを選んで、いろんな場所で撮影会をしました。
外見だけではなく立ち振る舞いや社会常識も含めて、みんなレベルの高い女装をしている子たちだったので、一般の人々とすれ違っても、あからさまに女装者と指を指されて笑われたりすることはありません。
この仲間たちのおかげで、わたしも多くの写真を撮ることができ、たくさんの想い出としてこの手に残すことが出来ている。今はもう、会えることはないだろうけれど、みんな、ありがとう。

わたしのいちばん楽しかった時間は、やっぱり、デパートでの買い物でした。
「お嬢様」扱いされるのが、最高に気分がいいから。デパートの魅力はいろいろとあると思うけれど、これは格別かも。
デパートの接客マニュアルには、女性か男性か不祥な場合は女性として扱うということをかなにかで読んだことがうります。デパートに買い物に行って、性別のせいで嫌な思いをしたことがないのは、このおかげなのかもしれないし、そうでなくとも、店員さんたちの対応能力はほんとに素晴らしいサービスであるのは間違いない。
鞄、靴、化粧品、香水、洋服、ハンカチや扇子などの雑貨や傘、帽子、時計、アクセサリー、ストッキング、総菜、パン、いろんなものを買物した。
化粧品売り場や女性下着売り場は、今から思えば、よく行けたなぁと思う。
若かったからだ。
お気に入りだったショップは、フェラガモ。
ここでは、よくパンプスを買ったなぁ、時々、バッグも買った。
背が高いのを気にしていたから、ハイヒールは避けるべきなんだけれど、
ある時、販売員のお姉さんが「背が高いからこそ、ハイヒールが似合います」なんて言われてその気になってた。

化粧品売り場では、ディオールとランコム、あとゲランかな。
化粧品カウンターの背の高い椅子に腰を掛けて、美容部員のお姉さんにメイクをしてもらった。
洋服はすきなブランドは、時期によってもいろいろだけれど、
ミシェルクラン、イネド、ICB、インディビー、
レストローズ、ファイナルステージ、プライベートレーベルが好きだった。
パオラフラーニやエンポリオアルマーニなど海外ブランドに凝っていたときもあったなぁ。
なつかしいけれど、もう消滅しちゃったブランドもあって寂しい。

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