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パワハラって犯罪じゃないのか

どこかの首長が職員を自殺に追い込んだ、県議会議員が県職員を面前で罵倒している様子が動画アップされ急に低姿勢に変身、フットサル協会の女性職員が必要以上の残業による過重労働で流産、青森県のハシモトホームが「症状」なる奇妙な職員表彰をして職員を自殺に追い込む・・・毎日の報道で登場しない日がないくらい、パワハラ報道は日本中の至る所で聞かれる
大人の世界だけではない。子どもたちの世界にも「いじめ」が存在し、その地獄から逃れようと死を選ぶ子が後を絶たない。旭川市の女子中学生が公園で自殺を図ったのも「いじめ」が原因だった。「いじめ」の実態を認めようとしない旭川市教委。認めないどころか、事実が明るみに出るまで公表もせず、いじめと自殺の因果関係すらも否定。自己保身ばかりを考えた、あきれた連中である。

江差高等看護学院のパワハラは道庁の腐りきった体質の典型


江差高等看護学院、前任地の網走高等看護学院などで生徒へのパワハラを、まるで自分の趣味であるかのごとく実行していた、品川由美子副学院長。おそらくこの人は、これまでの赴任先でことごとくパワハラを行っていたと容易に予想がつく。人間の態度や性格など、そう簡単に変わるものではないからだ。そんな問題教師であることを知っていながら何の処分をすることなく、平然と教育の現場に立たせ、しかも順調に出世の階段を上らせるという道庁の、その場逃れ主義、長いものには巻かれろ!的な体質こそが、今回明るみに出たパワハラ事件の根幹にある。普通の会社なら問題の根っこである人物を排除して現場を正常化させるのが当たり前の形であるが、結果として現時点において品川副学院長は江差保健所へ人事異動させる形で決着させている。自分の軽率な発言や行動で学生の未来を奪っておきながら、謝罪の一つもない。私のやり方の何が悪い・・と言わんばかりであり、そのような人物にきちんと人事評価して烙印を押せない道庁の弱腰もある。副学院長は、職位的には本庁課長クラスに相当する。「そんな偉い方の首に鈴をつけることは・・」と言うことである。

長年経験したパワハラの実態


私自身も、道庁で長年にわたりパワハラを受けてきた一人である。それが遠因となって早期退職に追い込まれたと言っても過言ではない。私が退職するとき「おまえ、まだいたんだ!」と面と向かって言ってきた人もいる。一番の問題は、パワハラにおける加害者と被害者が、ある時点で逆転してしまうことにある。被害を受けた職員は、パワハラ窓口に相談するが、所詮は、法律上設けなければならないから窓口を設けただけであり、結局のところ道庁内の職員が、道庁内職員の処分を決めることなど無理があるし、自分よりも上位職位の職員に事情聴取などすることは難しい。江差高等看護学院の事例のように、パワハラをする職員は、その職位を振りかざして自分のフラストレーション発散のために自分に反発してきそうもない職員(今回の江差高等看護学院の場合は学生)を見つけながら「パワハラ」という「いじめ」を繰り返す。何をやっても処分されないのだから、何度も何度も繰り返す
私の場合は、人事課に直接上訴した。この結果、該当職員は結果的に懲戒処分となった。しかし、このことが決定的な加害者と被害者の逆転を生んでしまう。「あいつに関わると訴えられる・・」「俺たちの仲間を人事課に売るなんてとんでもないやつだ・・」となるわけで、いつのまにかパワハラをした職員の仲間たちによって、ネットワーク的かつ波状攻撃的にパワハラが継続される。要するに、私は、どこの部署に行こうとネットワークによって潰される対象者として逃れることはできなくなる仕組みだ。集団的いじめの構造の構築である。また、そのようなパワハラを繰り返す職員であることを知りながら、平然と上位職に引き上げる無能な上司の存在も見逃せない。

パワハラを生んでいる「我関せず」構造


なぜ、パワハラは根絶しないのか。私は、残念ながらこれからも永遠に続いていく「日本の負の遺産」だと強く感じている。人が複数人集まれば、そこにムラができ、人の上下関係や関係性の強弱が発生し派閥が生まれる。相手に対してマウントをとろうとする輩が跋扈する。そして、その大将に媚びへつらう手下が加わる。寄らば大樹の陰!大将の威光を笠に着てさらにその手下どもが悪さを繰り返す。いわば、いじめの連鎖反応である。
加えて、いじめに遭っている職員を目の前に見ながら見て見ぬふりをする同僚や上司が存在する実態がある。「我関せず」「関わりを持つと自分に火の粉が降りかかる」というわけだ。そのため、結果として「特定職員へのパワハラ集中攻撃の構図」ができあがる。誰も救いの手を差し伸べないのだから。これからも、大人社会も子ども社会もパワハラ構造は永遠に続いていくのが悲しい現実だ。
パワハラは犯罪だ!こんな当たり前のことが定着しない、今の日本社会のいびつさが、これからも続いていく・・と考えると背筋が凍る思いである。


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