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【YouTube対談書き起こし】スモールビジネス・ソーシャルビジネス特化型“ソーシャルM&A”「GOZEN」って何?

本noteは、2022年7月14日に公開された代表の布田とプロジェクトメンバーの上村が対談した「美しい経済のナガレを生み出す「GOZEN」始動!」を書き起こし、note用に編集したものです。


美しい経済のナガレを生み出す「GOZEN」とは


ー「GOZEN」とはどんなプロジェクトですか?

布田:過去の活動を振り返りながらお話できればと思うんですが、自分がここ10年ぐらい、インフルエンサーさんやクリエイターさんのスモールビジネスを一緒に作っていくことをしていました。最初はプロジェクト単位で企画を一緒にやるみたいな感じでしたが、それがだんだん「経営の部分を受け持つ」みたいなお仕事が増えてきて、最近はその上で、然るべき企業さんに売却をするM&Aを経験しました。

これは自分としては意味があるなというか、M&Aという比較的大きな規模の会社がやることをスモールビジネスへ拡張できるし、あとクリエイターさんのライフスタイルや今やりたいこととか、そういったものを拡張していける仕組みだなという風に思って。それをソーシャルM&Aという言葉で広めていこうという風に思っています。これが「GOZEN」のプロジェクトの概要ですね。

ー「GOZEN」(ゴゼン)という名前の由来

布田:そもそも今のM&Aってそれこそ大きい会社と大きい会社が一緒になって、グローバルに戦っていくってことであったりとか、日本全国にある中小企業の社長さんが高齢になっていて、然るべき人たちにで引き継いでいくというような、いろんな形あると思うんですけど、 自分は今まで多分あまりやられていなかった、「若いクリエイターさんが作ったスモールビジネス」のM&Aをやっていきたいなと思ってます。

従来の意味と逆になっているそういったものを作っていきたいなと思っていて、その中で「M&A」という言葉をひっくり返して、「AM」になると。それが午前のAMという意味だったので、「GOZEN」という名前にしました。

「GOZENのロゴマーク。M&Aの文字を逆転させ、AM(午前)のように
新しい経済活動を生み出す願いを込め制作されました。

「GOZEN」の目指す新しいM&A

ースモールビジネスオーナーにとってのメリット

布田:セルサイドってそもそも「スモールビジネス」を対象にしたM&Aの提供者って、多分あまりいなかったと思うんですよね。今のM&Aの仲介とかアドバイザーの仕組みとして、その決まったディール、いくらで売却したかっていうところから何パーセントかを取るというようなビジネスになっているので、当然そこの規模が大きいものをやればやるほど収益として、儲かるというような仕組みになっています。そうすると1億円の案件をやる方が1000万円の案件をやるよりも儲かるよねっていう話になるので、小さい規模のところをやりたいっていうのは、あんまりなかったという感じなんですね。

ただ僕が今までやってきたこととして、クリエイターさんが作った特別な思いを持って、 こういう社会あったらいいなと思って作った事業というところにとても共感をしてるので、「そこの事業規模が大きいからやる」「事業規模が小さいからやらない」とかではなくて、何かそこに寄り添える形でサービスを作っていく。当然、営利企業でもあるので、収益を出していくためのいろんな工夫をしながら、そういうことをしていきたいと思っています。なので、 セルサイドという意味では今までにこうそういったサービスを提供する人があまりいなかったところで、自分がやっていく意義があるなと思っています。

ーバイサイドにとってのメリット
バイサイドの方なんですけれども、後でまた話も出てくると思うんですが。自分が直近で、ハヤカワ五味さんという起業家が創業した「feast」という「ボディポジティブ」をテーマにしたランジェリーブランドの経営をして、それをM&Aしているという状況なんですね。なので、節税などの財務的な観点というよりは、今自分が経営者として関わっているので、「買った後にどういう風にシナジーを起こしていくか」や「先方のスタッフとどういう風に事業を組んで進めていくか」というところって、結構今知見が少しずつ溜まってきてるなという風に思っています。そういったところで、「買ったはいいけどこれからどうするの?」というところのことにもリアルに答えられる。あるいは、僕自身スモールビジネスをずっと見てきているので、ポテンシャルがあるスモールビジネスなのか、なかなかちょっと難しいビジネスなのかとかっていうことの目利きみたいな部分もある程度できることかなと思っています。

ー従来のM&Aは「売買して終了」みたいなイメージが強かったんですけど、そのあたりが違うということなんですね。

布田:そうですね。「事業者としてそういった後のことまでイメージができるとか」というところもこう1つかなという風に思っています。

ソーシャルM&Aとは

布田:「GOZEN」というプロジェクトの中でM&Aが成立した時に一部フィーをいただくというモデルでやっていこうと思ってるんですが、その一部を必ずソーシャルセクターの方に寄付をするということをしようと思っています。
M&A自体が、一昔前にあった『ハゲタカ』というドラマがあったり、日経新聞の一面を飾っていたり、ある種、資本主義のど真ん中のファイナンスツールや成長していくための武器みたいに思われていて、昨今よくあるように、富む人はどんどん富んでいくけれど、貧しい人はどんどん貧しくなってしまうみたいな格差みたいなところもあったりするのかなと思うんですが、 M&Aというファイナンスの手法を用いつつも、そこで得た収益の一部を必ずソーシャルセクターに回していくことで、社会にとってさらに良い形になっていくようにな「お金の循環」を生み出していけるようにしたいと思っています。 そういう意味でもただのM&Aじゃなくて、「ソーシャルM&A」と名付けてこのアイデアを広めていきたいな、という風に思ってます。

ーそれが「美しい経済のナガレ」というところに繋がるってことですね。そういった「ソーシャルM&A」を始めようとしたきっかけみたいなものってあったんですか?

■ エシカルファッションブランド「INHEELS」との出会い
布田:僕はもともと普通にサラリーマンだったんですけど、 そこから3年目ぐらいで、「エシカルファッション」「ソーシャルグッド」なことを意図してやっていくファッションブランド「INHEELS」で、専門的なスキルを提供するというプロボノの活動を3年間やっていました。そういったところから今のキャリアのベースが始まっています。 色々あったんですが、今そのブランド自体は休止をしているという状態で、それはファウンダーの方のライスタイルも変わったりとか、「INHEELS」を続けていく中で、他にやりたいことが見つかったというポジティブな面もあり、 ファウンダーは今は別の活動をやられていて、僕自身も今は別のことをやっているという状況です。

”who said ETHICAL is not SEXY?”がテーマのエシカルファッションブランド「INHEELS」

 ただ、当時はまだ「SDGs」という言葉もなかったぐらいだったので、「エシカルファッション」とか「エコファッション」っていうと、”森ガール”みたいなふわっとした服が多かった中で、”六本木のクラブにも踊りに行けるようなセクシーなもの”をと言ってやってたブランドだったんですね。色んなブランドが今出てきているんですけど、やっぱりこうそういうこうセクシーを軸にしたエシカルファッションブランドって、あんまりまだ出てきてないなっていう風に思います。クローズする時に「本当に好きでした」ってメッセージいただいたりとか、「もっと欲しかった」というのをいただいたりしたんですけど、 このブランドがなくなってしまったということで、僕としてもこうなんでしょう、がっつり事業に入っていく中で、なかなか難しい部分も感じつつ、クリエイターさんが、「自分はこれが美しいと思って始めた事業がなくなってしまった」という経験をしたことが、M&Aによって残していきたいという思いに結びついていたかなというのは思っています。

ーこれがこの図のExitの無いスモールビジネス経営っていうことですよね。

布田:そうですね。僕が関わってきて思うのは、「Exitの無いスモールビジネス」は、普通のスモールビジネスがあるとして、頑張っていくとちょっとずつ大きくはなるよ、と、ただ金銭面であったりとか、あるいは労働時間の面であったりとか、どうしても厳しい面って正直あると思っていて、めちゃくちゃに働いてるけどずっと月収は20万円です、みたいな。そうなってくると、1,2年は頑張れたとしても、やっぱりこう10年やってこうと思うと、それこそ結婚して家庭を持つとか、他のこともこういうこともしたいと思ってもなかなかこう立ち行かないところってこうあるかなと思うんですね。あとは、さっきの「INHEELS」みたいに大きくなっていく中で、クローズするみたいなこともこうあるかなと思ってます。

ー「ソーシャルM&Aを経たスモールビジネス」とはどんなものですか。

布田:いわゆる小さな経済というか、小商みたいに運営していくって形もちろんあるとは思うんですが、僕はもう1つプラスアルファで新しい選択肢があるといいなと思っていて、それが「ソーシャルM&A」なんですね。これで言うと、元々はそのクリエイターさんが事業を作ったというところなんですけれど、やっていく中でより問題意識が明確になって、こういうことを私はやりたいっていうような感情も出てくると。一方でビジネスもやっていく中で、「あ、これもっとこう資金があったらもっと大きいものできるな」とか、「こういう人がいたらもっと大きいことができるな」とか、そういう事業としての可能性がある部分もどんどん出てくるという風にも思っています。なので、それを実現するために、このスモールビジネスをクリエイターサイドとビジネスサイドに分けていくっていうところがソーシャルM&Aかなという風に思っています。クリエイターさんとしても、もちろんその事業に関わりながら、自分がよりやっていきたいことでもやっていける、 あと事業としても、例えば今まで小さな資本でやっていて、こういうことしたいけどなかなかできなかったっていうところも、売却先の企業と一緒になることでより大きなことができていくというところがあります。

ソーシャルM&Aの概念図。クリエイターの美意識(赤)と事業(青)の重なりで構成される紫色の三角形はスモールビジネスを指す。ソーシャルM&Aを経ることでクリエイターの美意識(赤)と事業(青)の価値を分け、それぞれ拡大することで文化・社会・経済的価値の総和が増大する。
対談時ソーシャルM&Aの説明をする「GOZEN」代表の布田

あとは、「GOZEN」のミッションとして、「キャピタルゲインが発生した時に、必ずこのソーシャルセクターにも寄付をしていく」ので、ソーシャルセクターもそのお金を使って、より社会的な意義のあることをやっていくと。ここでいうところの3つの三角が存在してくるかなという風に思っています。それをどんどん拡張していくことで、やっぱりこちら(上:Exitの無いスモールビジネス経営)よりは、より大きな社会的インパクトを出していけるという可能性があるのかな、という風に思っています。重要だと思うのは、全てのスモールビジネスがこういう風にした方がいいのではもちろんなくてそういう選択肢があってもいい。その上で今自分で着実にやっていくのか、あるいはソーシャルM&Aでより大きく仕事をしていくのかを 選べる環境になるといいなという風に思います。

スモールビジネスを続けていく意義

ースモールビジネスが、世の中からなくなってしまうとどうなっていくと思いますか。

布田:そうですね、やっぱり個人のモチベーションとかあるいは、美意識みたいなものってすごく大事だなと思っていて、ニーズがあるからとかトレンドだからとかじゃなくて、単純に「私はこういうものが好きだから、こういうものが世の中にあってほしい」ってすごい大事だと思うんですよね。これは「INHEELS」もそうだと思うし、「feast」はバストが小さい方向けに特化したブランドなんですが、いわゆるバストを盛るとか男性受けを狙ってとかってことではなくて、 「バストが小さい方の体も、バストが大きい方の体も両方美しいよね」といういう理念でやっていて。そういったものって、大きな会社がドーンっとお金を使ってやる仕事かというと、そうではないかもしれないけど、でも世の中にあった方がいいものだなと思っていて、「選択肢が増えていく」ということが、スモールビジネスが残っていくことで実現できるかなという風に思ってます。

ランジェリーブランド「feast」売却の経緯

ー「feast」の売却はどのような経緯で至ったんですか?

布田:僕がまず「feast」に関わったのは、2019年の10月とか9月とか。その代表がハヤカワ五味さんという方だったんですが、そこから経営の大部分を自分が干渉するみたいな形で関わるようになりました。当初からハヤカワさんと「いずれはM&Aができるように作っていこう」という形で2人で合意をし始めました。当時からのデザイナーさんとは今も一緒にお仕事をさせてもらっているんですけど、それ以外に関しては割と0から作るみたいな感じでした。最初の1年ぐらいは改めて事業を作るということをしていました。例えば、製品を出していくタイミングを最適化していこうとか、あとは、Twitter、Instagram、メール、LINEといったマーケティング的な部分の仕組みを作っていこうとか。ハヤカワさんと話していて、事業が整ってきたから売却に向けて進めていきましょう、となり、色んな企業さんとお話をし始めて、知り合いの方にご縁をいただいたり、いわゆる今のM&Aのプラットフォームみたいなものに登録をしたり、実際にお話もして、そういったことを経て1つの会社さんとご縁があり、売却に至ったという感じですね。

今後の取り組み

ー最後に今後「GOZEN」でどのような取り組みをしていきたいですか。

布田:めちゃくちゃいっぱいあって、1つはクリエイターさんのスモールビジネスがより健やかになるように、あるいは本人の可能性が花開くように、そのM&Aの核なる部分をしっかりやっていくということを1番やっていきたいですね。ただ最初の方にも言った通り、M&Aという意味を資本主義のツールとかマネーゲームの一種とかそういう風に捉えるんではなくて、 もう少し美しい社会を実現するための1つ選択肢となっていくといいなと思っていて。そういった情報発信とかあるいはその意味を変えていくための学術的な研究とか、そういった研究者をされている方とのコラボレーションとかもしていきたいなという風に思ってます。あとは、僕自身が割とエシカルファッション、アパレルとかで、色んなことやってきたりもしているので、そういう産業単位でソーシャルM&Aもできたらいいなと思っています。

ー今日はありがとうございました。


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