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DANCEでSDGs「貧困をなくそう」を表現。凹と凸が繋がれば心は変わる・世界は変わる

ダンスの表現の可能性を地球の抱える問題解決につなげる——

その想いで、高校ダンス部専門マガジン『ダンスク!』がスタートさせたプロジェクト
Dance on the Earth

第1弾は、SDGsが掲げる諸問題をダンスで伝える動画企画。
この企画に手を挙げてくれたのは、千葉の強豪ダンス部「千葉敬愛高校」だ。

まずはSDGsは何なのか? 17個の目標の中から何を選ぶのか?部員全員のミーティングが行なわれました。

▼▼制作までのドキュメンタリー動画はコチラ▼▼

テーマはSDGs#1「貧困をなくそう」に決定!大会出場など忙しい中、着々と製作作業が進みました。

ステージとは違い、発表の場が動画になるため、振り付けだけでなく、コンセプト決め、演出、構成。そして、衣装、小道具、メイク、さらに撮影スケジュール決めなども部員自身で行っていきます。

そして2021年12月下旬、撮影は2日間で行なわれることになりました。まずは学校内の教室や屋上、廊下などを使った演技場面。その後は、幕張の海岸沿いへ移動して、寒空の中でロケ撮影を敢行しました。

2日目は、広大な公園と九十九里の海岸で外ロケ撮影。天気には恵まれましたが、夕暮れ時は寒さがこたえます。メンバーは、裸足に半袖の衣装。それでも仲間で励まし合いながら、納得いくまで撮影を繰り返していきます。

出来上がった動画コチラ!!

<ストーリー>
SDGsに関する授業が行なわれる教室で、主人公はうたた寝…。
見えてきたのは、薄暗い廃墟でボロボロの服で貧困にあえぐ人々。
気づけば自分も…!貧しいことがこんなに苦しいことだったなんて…!
ダンサーたちの悲痛に似た叫びが、夕焼け空に響き渡る。
想いが通じたのか、都会ではSDGsの活動が始まっていた。
余った服や寄附が続々と集まってくる。
ランドセルが貧しい人たちに手渡される。
みんなが手に手を取り合って、助け合って、一緒になろう!!
場面は再び教室に戻り、夢から冷めた主人公。
「この世界を変えられるのは私たち!」
教室から飛び出す生徒たち、追いかける大人の先生。
未来へ向かって駆け出した!

1)ダンスだけでなく、コンセプト・演出・カット割も高校生が担当!
顧問の先生からのSDGsの解説に始まり、部員同士でのテーマ選びや演出/振り付けのアイディア出し。ダンス練習だけでなく、衣装制作、曲選び、コンセプト決め、映像のカット割り、撮影スケジュール決めなど、すべて高校生が行なった。撮影は2日間。寒空の中、学校内の教室や廊下や屋上、公園の広場や、千葉県九十九里の海岸など多様なロケーションで行なわれた。

2)動画の見どころ:現実から夢へ移る世界と主人公の決意
シーン1)SDGs授業の教室内、主人公の女子高生がウトウト眠りに入り…
シーン2)暗く冷たい廃墟で、貧困に喘ぐ子供たちが悲痛のダンス
シーン3)都会では貧困の人たちを想い、募金や寄付活動が始まる
シーン4)貧富の差を超えた皆が手を取り合い、大空の下で歓喜のダンス
シーン5)夢から覚め、決意した主人公が驚く行動に移る!!

3)参加してくれた千葉敬愛高校ダンス部の感想
「今回の撮影でSDSGsことを深く知り、将来を考えるきっかけになりました」
「貧困の方達のことを想い、それを踊りや表情に入れることを意識しました」
「いま自分たちの環境を当たり前と思わず、無駄や贅沢をなくしていきたいです」
「知識だけではなく、リサイクルや募金活動など自分にできる行動をしていきたい」
「動画を見てくれた人たちの心が少しでも動いてくれたら嬉しいです!」
「今回の経験で学んだことまわりの人に伝え、自分たちの未来に生かしていきたいです!」
「冬のロケで裸足で半袖だったけど、それが貧困の方達の日々の辛さを感じることにつながりました」
「撮影のために部員から古着を集めましたが、ダンス部だけでもあれだけの古着があるんだと驚きました」


(後記)
DANCE ×SDGs
まずは「ダンスのアウトプット先?」というところで考えた企画です。

キッズから学生までダンス人口は増え続けていますが、なかなかダンスでメシを食うまでは難しい時代です。
うまい人はたくさんいますが、それだけでは抜け出せないし、そもそも日本にはダンス公演やダンサーにペイする文化がまだありません。

そして、個人的にSDGs(というか気候変動)に興味を持ち出し、食事から生活スタイルまで変えていったのですが、企業がSDGsに取り組みたくてもその方策に困っているという話を聞きました。

そこで!
世の中の凸と凹がハマるのではないかと思い、企画したのが「Dance on the Earth」でした。

参加してくれた千葉敬愛の学生たちにとっては、地球の抱える問題への意識向上や、自分たちのダンスが何かの役に立てるという貴重な経験になったと思います。

地球環境の未来が心配で、子供を産まない選択をする女性がいる。
それは本当に悲しい事態だと思いますし、大人や企業がもっと認識と責任を持つべき問題です。

その問題を壇上から論じるのではなく、芸術で感じてもらう。
「自分ごと」として自分で動くきっかけを作る。

そのポテンシャルが、抽象表現であるダンスにはあると思います。

僕が子供の頃、ジョン・レノン「イマジン」で知った「国境のない世界」
歌人として紛うことなきメッセージを残した源実朝。
わずか4日違いで生まれた、ヒトラーとチャップリン。

これからの世界を動かすのは、政治ではなくアートだと思っています。
システムではなく、心が動かなければ、もう世界は変わらないからです。

地球の上で踊る。
大地に感謝して踊る。
祈るように踊る。

「Dance on the Earth」はこれからもコツコツと続けていきます。

石原ヒサヨシ


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