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"プロ"と"プレ"バイオティクス

こんにちは😊
消化器専門医 Dr. S (@dr_microbiota)です👨‍⚕️
本日は,腸内フローラを整えたい人へ,とっても大切なお話✏️

プロバイオティクスとプレバイオティクス

聞かれたことがある方,多いのではないでしょうか?
なんとなく腸にやさしいイメージのある単語ですが,
きちんと理解されておられる方は意外と少ないかも?

"プロ"バイオティクス=生きた善玉菌

まず,プロバイオティクスとは,生きた細菌,及びそれを含む製品を指します☝️
乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌や,それを含む製品群のことですね!

善玉菌にも様々な種類があり,メーカーごとに『推し菌』があります😎

・キリン『iMUSE』のプラズマ乳酸菌
・ロッテ『乳酸菌ショコラ』の乳酸菌T001
・大塚製薬『ボディメンテ』の乳酸菌B240・大正製薬『新ビオフェルミンS』の三種類の乳酸菌
などなど🌟

細かな効果の違いはさておき,
善玉菌はその効果を発揮するために,分解されずに腸まで届けてもらう必要があります.『乳酸菌ショコラ』はチョコレートに乳酸菌を包んで腸まで届けるそう❣️

善玉菌は,腸内で乳酸や酢酸を生成し,腸内を酸性に傾けることで良好な腸内環境を保ちます.加えて,整腸作用のみならず,免疫向上効果コレステロール値の低下作用といった様々な効果が報告されています.
大塚製薬『ボディメンテ』は,木村拓哉さんの娘さんであるKoki.さん初出演のCMで脚光を浴びましたが,乳酸菌B240は継続摂取することで粘膜の免疫力を高めてウイルスや細菌の感染を予防するそうですね🌟

ちなみに,語源は共生を意味するプロバイオシス (Pro:共に,biosis:生きる)

"プレ"バイオティクス=善玉菌のエサ

次に,プレバイオティクスについて.

プレバイオティクスは,1994年ILSI (国際生命科学研究機構) Europeにおいて提唱された概念で (Gibson GR, et al. J Nutr 1995),大腸内の細菌を変化させて宿主に有利な環境を作り出す食品群と定義されており,以下の特徴を有します🌟

・消化管上部で加水分解,吸収されない
・大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌(ビフィズス菌等)の選択的な基質であり,それらの細菌の増殖を促進し、または代謝を活性化する・大腸の腸内細菌叢(フローラ)を健康的な構成に都合の良いように改変できる。
・宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導する。
(

代表的なプレバイオティクスは,オリゴ糖です.
前回のミロ活の回でも取り上げました☕️

オリゴ糖は消化を受けにくく,腸まで届いて善玉菌を活性化させます.
その結果,
・整腸作用(便通改善)
・抗コレステロール作用
・インスリン抵抗性の改善
・大腸がん・炎症性腸疾患の予防・改善
・アレルギー抑制作用
・腸管免疫の増強

などといった,多くの作用が報告されています🤩

語源は,抗生物質 Anti (〜に対して)+bioticsに対抗する語源として,Pre (前の)+biotics

"プロ"と"プレ"の併用で免疫力アップ❣️

プロバイオティクスとプレバイオティクスは併用することで,さらに効果を高めることが可能です.
これを"シン"バイオティクス (Syn 共に+biotics)と言います.

このシンバイオティクス,臨床現場にも応用されており,免疫力を高めるといった様々な報告がされています.

シンバイオティクスについては,回を改めてご紹介いたしますね⛄️

知識を整理することで,健康意識を高める一助になれば幸いです🌟
本日もご一読いただき,ありがとうございました😊

引用:
腸内細菌学会 https://bifidus-fund.jp/keyword/kw022.shtml

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