【06 青山】 熱川の恋は、雨上がりのように
今日は、会社の美人受付とドライブだ。
あゆみを横にのせ、
むかうは熱川。
ここ最近、
週末は彼女と
食事に行くことが増えた。
年も一回り違うので、
女
というよりは
妹がいたらこんな感じなんだろう。
ただ
恭子の事を考える日も
少し減ってきている。
そんな今日だ
熱川を知っている人は少ないだろうが
熱海を知っている人は多いだろう。
熱川は、熱海よりさらに海よりに
奥へ進み伊東をさらに超えた
人が少ない小さな温泉街だ。
ここ、熱川には
3つ良いところがある。
1つは、
人が圧倒的に少ない。
そのため、
喧騒から逃れたい人が
静かに余暇を過ごせることだ。
熱海は正直、人が多すぎる。
知り合いに会う可能性がある。
2つは、
泉質が良い。
さらに日帰り温泉を楽しめる
穴場がポツポツ存在している。
そして最後、
3つ目
足湯を楽しめる場所がある。
https://atagawa.net/databox/data.php/guide_hotpark_ja/code
上の2つを踏まえて
この足湯は素晴らしい。
あゆみの、細く白い素足が
湯に触れる。
艶かしい火照りを
指先にあつめる。
その光景だけで
ここしばらくは
頑張れるだろう。
海を見ながら、
足湯に浸かり、
都会の埃を落とすと
そこにいるのは
普通の男女だ。
彼女がビールで
唇を潤わせて
一緒に飲もうと
誘ってきた。
車だから、
というと
寂しいそうに、
ゆっくりまた口を開き
聞こえるか聞こえないかの大きさで
帰りたくない
と言ったように聞こえた
そんな時に
ちょうど雨が
焦らしたように降ってきた。
どうしてだろうな。
こんな時に限って
俺はいつも
恭子の事を思い出すんだ。
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