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光の魔術師: Olafur Eliasson 展@テイトモダン

site specific artという言葉がある。

直訳すると、その場所に特化したアート。今六本木ヒルズでやっている塩田千春さんの作品とかもそうだろう。

その場にしかない作品群の息遣い。共時性と、個々人の共鳴。

ある空間の為だけのアートであれ、五感による経験重視な作品群であれ、テイストは其々違うけれど、一期一会の瞬間であることは間違いない。

Olafur Eliassonの作品も、sight specific なものが多い。

大好きなテイトモダンでの特別展なんて言われたら、行かないという選択肢は無いのです。

彼の作品の、五感を刺激する感じがとても好き。特に、光。

光は色を生む。生命を育て、空間を定義する。

でも、光に頼りすぎると騙される。距離感や境界が曖昧になる。

わたしを構成するわたしの要素は、どこまでがわたし?そもそも、わたしと世界の境界なんて、無いんじゃないの?

光だけだと、重力感覚もあやふやになる。私の足は地面を踏みしめているはずなのに、宇宙遊泳しているようになる。

光は希望。光は絶望。光は影。

コケの香りや触感を感じながら、ふと遠くに目を向けると、永久凍土が溶けている。コケは、温暖化が進んでも、こんな風にお布団みたいに人を包んでくれるのかしら。

自然は、いつまで人間に優しくあってくれるのだろう。

いつか見捨てられるんじゃなかろうか。そんなパラレルワールドはすぐ隣にあるのでは?

色んな方向に思いが飛ぶ展示でありました。

来年頭まで続くので、お時間のある方はぜひに。

言葉は言霊!あなたのサポートのおかげで、明日もコトバを紡いでいけます!明日も良い日に。どうぞよしなに。