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自然と共存する暮らし。ジブンゴト化することで視点が変わる【魚、海、ゴミ、生きること】イベントレポート

2021年が始まって早2ヶ月。日々一刻と過ぎ去っていく時の早さに戸惑いつつも、増えていくタスクをひたむきにこなしていく毎日を過ごしている、dot button company広報担当の木村です。昨年は激動の1年間を過ごす中で新しいポジションに挑戦する機会をいただき、新たに加わったメンバーとのコミュニケーションにも少しずつ慣れてきた今日この頃。

2019年11月に入社した私も、気付けば社内で1番の古株になっておりました......。うちの会社には肩書きといったものは存在しないのですが、私のポジションは他社で言う「バックオフィス」。

普段はメンバーのサポートを中心に行っているため、イベントやプロジェクトにがっつり足を踏み入れることはあまりないのですが、久しぶりに自社イベントの企画を行ったので、レポートを書きたいと思います。

1週間の始まりを告げる月曜日の夜、「自然と共存」をテーマに、オンライン上に20人の参加者が集いました。

▼イベント詳細はこちら

テーマは「自然と共存」

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ソトコトオンラインの連載記事「体験にはいったい何があるというんですか?」のインタビューをきっかけに企画した今回のイベント。

インタビューを行ったプレイヤー同士が同じ空間でトークを繰り広げることで、面白い化学反応が生まれるのではないかと思い、イベント開催に至りました。

テーマを考えるときに浮かんできたのが「自然と共存」のワード。自然と共存しながら暮らすゲストのバックグラウンドや海のゴミ問題に取り組む中での気づきについて話してもらい、参加者がジブンゴト化していく。

そんな時間が作れたらいいなとイベントを作り上げていきました。イベント前日にはチケットが完売し、増席することになるとは予想をしていませんでしたが、「自然と共存」は忙しなく生きる現代人にとって必要なことなのかもしれませんね。

イベントゲスト紹介

鮭川村地域おこし協力隊員/松並 三男

松並さん_クレジット

神奈川県大磯町出身。海をきれいにしたいという思いから大学は水産学を選び、海のゴミ問題に取り組む。25歳からアウトドアウェア販売に従事、店舗にて約10年務め、2018年10月、35歳で鮭川村へ移住を決める。

▼インタビュー記事


▼TRAILS連載記事

日本情報通信株式会社(NI+C)サーフアスリート/石川 拳大

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1994年生まれ、湘南在住。家族の影響で4歳からサーフィンを始める。大学卒業後は業界初の企業アスリートとしてNTTグループ日本情報通信株式会社(NI+C)に就職をし、世界ツアーに参戦中。国際環境NGOサーフライダー・ファウンデーション・ジャパンの事務局長としても活動中。

▼インタビュー記事

▼公式サイト

1年ぶりとなる自社イベントの開催

FB用_イベント

dotのイベントでは参加者との交流の時間も大切にしているので、序盤にゲスト・参加者交えてのアイスブレイクを行っています。イベントへの参加理由を聞いたところ、「ユニークなタイトルやテーマに興味を持ったので参加した」と話してくれる方がいました。

【 "魚、海、ゴミ、生きること。" 〜自然から教えてもらった大切なこと〜】

たしかにインパクトがありますね。壮大なテーマであるにも関わらず参加していただいたみなさま、ありがとうございます!トークセッションでは4つのトークテーマを設け、ファシリテーターの中屋がゲストに質問を投げかけていきます。

▼トークテーマ
・環境問題に興味を持ったバックグラウンド
・1万km旅をする鮭
・プラごみを減らすため、木を使ってものづくり
・海のゴミ問題に取り組む中での気づきや発見

ゴミだらけの海を綺麗にしたいと思い環境問題に興味を向ける

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ーー海のゴミ問題に興味を持ったきっかけ

中学生のとき、台風後に釣りにいくとゴミだらけで、この環境を変えたいと思った原体験が環境問題に興味を持ったきっかけだと話す松並さん。大学では海洋環境学の研究室に入り、海のごみをテーマに研究を行います。

身近なごみ問題に取り組もうと思い、学園祭で出るごみを減らす活動やビーチクリーンをしながら学生生活を過ごすことが多かったそう。松並さんは大好きな場所の環境を良くしたい、自分のこどもたちが遊べる場所を守りたいとの思いから、現在も自分ができる身近な活動を行っていると話してくれました。

石川さんが環境問題に目を向けるようになったのは、小さい頃からサーフィンをしていたことがきっかけ。幼心に自分の好きな場所が汚れているのを見るのが嫌だったし、水質が悪いと体調が悪くなってしまうこともあったのだとか。もっと綺麗な海にしたいと思いから、ビーチクリーンの活動をしていたそうです。

ジブンゴト化することで視点が変わってくる

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ーー世界各地を訪れる中で目の当たりにした、現地のゴミに対する意識

世界中の大会に参加することもあれば、いい波を求めて海外でサーフィンをすることもある石川さん。実際に現地へ足を運んでみると、当たり前のようにゴミを捨てている光景を目にしたそうです。ですが、悪意をもってゴミを捨てているわけではなく、ゴミを捨てることによってどのような悪影響が及ぶのかを知らない人が多い印象を受けたと感じたそう。

日本だとSDGsがメディアに取り上げられて、ジブンゴト化することが当たり前になりつつある中で、国や地域によってはまだ浸透されていないところもある。「だからこそ正しい情報を伝えていくこと、教育をすることが大事になってくる」と世界各地に訪れる中で石川さんが見てきた現状を伝えてくれました。

ーー実際に生活する上で環境汚染はどのくらい影響するのか

「プラスチックは海に流れ出てしまったら誰かが拾わないと無くならない。使い捨ての生活を続けていると、どんどんゴミが溜まる」と話す松並さん。実際にビーチクリーンを行っていても、ゴミが減らない現実を体感したそう。

「海は最終的にゴミが行き着く場所なので、一度現場を見たり、ビーチクリーンを行ったりすることであらゆる学びにもなる。そのあとのプロセスを変えていくことが必要だと思う。終着点から遡っていけば物事は繋がっているのでその過程を見るのも面白いと思います」と語ってくれました。

ーー木を使って作るルアー

松並さんはゴミを捨てる側に加担したくないという思いもあり、自分のできる身近なこととして、木のルアーを作っていると紹介してくれました。木から作ることでプラスチックのルアーと違う良さがあり、何より自分が楽しみながら作っている。

自分自身が素直に楽しめて、格好良いと思えたらそれで良い。実際に興味を持った人はビーチクリーンの活動に参加することによって環境に対しての意識も変わっていくと思いますと話してくれました。

まずは体感することから始める

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ーー1万km旅をする鮭とは

鮭川村は名前の通り、鮭がたくさんいる地域です。松並さんは鮭をテーマに地域おこし協力隊の活動を行っています。鮭たちは4年の月日をかけて1万km旅をして、村に帰ってくるそう。

「海の偉大さ、海の栄養を凝縮して陸に戻ってくる生き物なので面白いと思います」と鮭の魅力について語ってくれました。なぜ同じ場所に帰ってくるかはわかっていないものの、鮭が帰ってくる川を残すことが今後の課題だと松並さんは感じているそうです。

ーー自分の身近でできる取り組み

自分たちの生活の原点を辿ればサステナブルに囲まれていたと思います。一つ一つ原点回帰を行いながら、見つめ直す時間を作ることも大切だと思う」と述べてくれた石川さん。

「サーフィンをする人たちは生き物に近い感覚を持っていると思うんです。水が悪くなれば体で体感する。それが一般的な人より早いと思います。身をもって体感しているので、活動する人が多い」と話す松並さん。サーフィンや釣りやゴミ拾いでもいいし、SDGsは体感したところから始めた方が理解が早く、自分の中で納得することもできると思う、と実体験を軸に話してくれました。

一人一人の意識が変わることで環境問題は変わっていく

イベント

あっという間に1時間が過ぎ去っていったトークイベント。ゲストや参加者の熱が冷めないまま、交流会へと移っていきます。トークセッションを聞いての感想、ゲストに対する質問が参加者から投げかけます。

「環境問題に取り組む中で、どんなことに気を付ければいいのか?」「環境問題に興味をもってもらうためにはどういう意識付けが必要だと思いますか?」などの質問が上がってきます。

ビニールやペットポトルを出さない選択をすることが大切だと思っています。一人一人が意識できると変わってくると思うし、ロングライフデザインといって、長く使える良いものを使うことも環境問題に目を向けるためにできること。また、自分自身が楽しんで活動をしていると周りも興味を持ってくれるし、自然に楽しむことができれば良いなと思っていると松並さんは話してくれました。

社会全体を変えていくにはどうしたら良いか考えている中で、コンビニやスーパーのビニール袋が有料になり、エコバッグを持つ人が増えたのは社会の意識が変わったタイミングだと話す石川さん。

「たとえば、プラスチックがお金になったり、海に溜まったゴミがお金になったり、みんなが環境に意識を向けていてもいなくても、自然と環境に優しい取り組みができることを目指しています」と語ってくれた石川さんの話を聞いて共感する参加者も多かったです。

交流会では次のイベントとして、木のルアーを作るワークショップ、石川さんが制作した『OceanTree』を見る上映会を行うのはどうか?と話題がでる場面も。

交流会は盛り上がりを見せ、30分ほどオーバーしながらもアツく語った夜にピリオドを打ちます。今回のイベントをきっかけに新しく繋がった出会い、環境問題に対しての意識の変化、新たな気づきや発見。

一人一人が意識することで自然への向き合い方も変わり、自分が楽しいと思うことを発信することで良い影響が循環していく。小さな選択の積み重ねが未来をより良い方向へ導いてくれるのかもしれませんね。

このイベントを通して新たな気付きを経て、ジブンゴト化するきっかけを提供できていればとても嬉しく思います。また、次回のイベントもお楽しみにお待ちください!


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