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ノスタルジー雑誌論

あすか、いよいよシンガポール生活がスタートだね!

私は随分前に一度だけ家族旅行で行ったことがあって、
海沿いのシーフードレストランがどの料理もびっくりするほど美味しくて、家族みんなで驚いたことと、マンダリンのホテルの内装やハイティーに感動して、またここでお茶をしたい...と願った記憶が今出てきたよ!笑

noteのシンガポールマガジンも楽しみにしてる。そしてぜひ遊びに行かせてね!

さてさて、これを書こうか少し迷ったんだけど、あすかは最近プライベートで雑誌読む?特にファッション誌。
こないだ、この前までいた会社の先輩と仲のいいライターさんと、4人で食事をしたのね。
全員エディターで、みんな女性ファッション誌やってた人たちの集まり。年齢は30代後半。

私も含めて全員が、あー、全然読まなくなった、特にファッション誌。ライフスタイル系はテーマが気になったときだけ買うけど、毎号買うってことはないよね、という意見だった。

雑誌と共に成長して、何なら仕事にしちゃうくらい雑誌が大好きだった人たちすら、今、雑誌をあまり読んでいないという現状を改めて突きつけられた夜だったんだ。

そこで私なりに、どうしてファッション誌をあまり読まなくなってしまったのか考えてみたの。(とはいえ、私はたぶん、ファッション誌をまだ買って読んでいる方の部類だとは思う)

メディアの数が爆発的に増えた、特にインスタグラムが雑誌の機能に取って変わったのが、明快な要因ではあると思うんだけど、
インスタは無料で見れて、雑誌はお金払わないと読めないから、っていう単純な理由ではないな、と思っていて。

誤解を恐れずに言うと、雑誌、特にファッション誌の上から目線の感じが、もう圧倒的に今の時代に合わなくなってるんだろうな、と思った。

この春はこれとこれを買ってコーデをアップデートしなきゃダサくなっちゃうよ、これが今年の正解コーデ、古いメイクはもう卒業!
みたいな、時代に置いていかれる不安や恐怖を煽って、でもこれとこれを買えば大丈夫!コーデはこれが正解!これはアウト!
っていう目線が、(もちろん例外はあると思うけど)女性誌の定型フォーマットだったと思うの。

10代の頃、そうやっておしゃれやメイクのルールを雑誌に教えてもらったし、雑誌を作る側になったときも、そういうスタンスの特集をたくさん作ってきたよね。

だけど、本屋さんで女性誌コーナーを見渡して、表紙に踊るタイトルや煽り文句を見て、あ、もう全てがなんだか古いのかも...と、呆然として、悲しい気分になった。

その訳もなく上から目線で語りかけてくる、雑誌の裏側の匿名の人たちが、どういう系のおしゃれな人なのか、どんなセンスの持ち主なのかが見えないまま、そんな煽られても、誰?って感じだし、
私が着たいものは勝手に着させてくれよ。それでダサいと思われようがモテなかろうが、もうそんなことは正直どうでもいいのよ、今の私は。と思ってしまったんだよね。

前に会ったときに話したかもしれないけど、去年の秋に美容院で出してもらった、ある雑誌の1特がコート特集で、その中のpart4くらいの企画で、その雑誌のエディターがこの秋オーダーしたコート、みたいなページがあって。
コートの切り抜き写真と共に、エディターの方々の似顔絵イラストとコメントが添えられている、よくある構成のやつね。
紹介されてるコートは確かにどれも素敵なの。それは間違いない。だけど、このイラストの顔のエディターの人たちが、どういう系のおしゃれが好きで、どんなライフスタイルを送ってて、どんなセンスの持ち主なのかが全く分からないから、おすすめされても説得力がない...、と読んでて困ってしまったの。
私もそういうページ何度も作ったことあるから、偉そうなことを言える立場では全くないんだけど、エディター=とにかくおしゃれで色々知ってそうな人、っていう図式は、今はもうないからだな、と思った。

インスタを礼賛するわけではないけれど、やっぱり、この人がどんなセンスでどういう系のおしゃれが好きで、どんな文章を書いているかが直感的にわかるから、そういう透明性とか信頼感とか、目線が上からとか下からとかじゃない、っていうことが、今の時代とても価値なんだなぁと改めて感じてる。

それから、私が今いいなと思って読むファッション誌は、トレンドとかコレクションがどうとかも一応知った上で、私たちは今これが素敵だと思うよ!っていう自分たちの意思を感じられるから、読んでて楽しいのかも、と思った。

考えてみれば、人も一緒だよね。
今年はこれが流行!って知識をたくさん持っている人より、私は今これが好きなんだ、なぜだかこれにハマってるの!っていう人の話の方がワクワクして聞きたいって思うよね。
今年のトレンド情報とか、それこそググればいくらでも出てくるしね。

CUTiE時代、夜な夜な雑誌について色々話してたあのとき、まさか私たちが雑誌をあんまり読まなくなるという未来がやってくるなんて、思ってもみなかったけど、あすかは最近どう思ってる?
(「お砂糖ひとさじ」っていう軽やかなタイトルに合わないテーマばかり投げかけて、いつもごめん!)

#往復書簡
#エッセイ
#編集者
#ファッション

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