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映画『エンパイア・オブ・ライト』を観た


※エリスを除いて

『エンパイア・オブ・ライト』を観た。

 今年の2月に公開されたタイミングで「観たいな〜」とは思っていたんだけど、他の観たい映画と色々重なってしまい、断念していた。やっとこさ鑑賞。

 心温まる映画、と一言で表してしまうと陳腐に感じられるほど素敵な内容だった。境遇は違えど同じように孤独に苛まれる二人。そんな二人が年齢や人種も飛び越えて惹かれ合う様子は、急展開に見えなくも無い。しかしながら、心の隙間を埋めるための必然性は観ている全員に伝わるはず。そして、そんな諸々を経た上で、最後に贈られるメッセージには作品の全てが詰め込まれていた。素晴らしい。結局、人生は気の持ちようなんだよな〜。本編の黒人差別みたいに、すげームカつく場面やあまりの理不尽さに泣き出したくなるような場面もあるけど、そんな場面だらけじゃない。その中で光を見つけることが何よりも大事なんでしょう。あと個人的には、ヒラリーとスティーブンだけでなく、他の従業員の優しさが垣間見えるシーンも多く感じた。それは、彼らも同様に群衆の中で孤独を感じているからこそ、だと思う。これについてはエリスも同じで、発散の仕方はどうであれ奥さんや仕事に抱える悩みから孤独を感じていたから、エンパイア劇場に導かれたんじゃ無いかなあ〜、と勝手に解釈していました。どうでもいいけど、コリン・ファースってスケベなおじさん役似合うよね。上品なスケベおじさんも下品なスケベおじさんも似合う。

 とにもかくにも良い作品だった。そう言えば『情熱大陸』で女優の片桐はいりさんが「映画館っていいですよね。この闇に負けてしまう感じが」と話していて、それに通じる内容だとも思った。暗闇に包み込まれるからこそ孤独が目立たなくなるし、目の前で照らされる光に導かれることが出来るのだ。実際の映画館の良さとしても、比喩表現としても超良い言葉だよなー。余談でした。

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