殺し屋に狙われ続ける「殺され屋」のルーツ
最近シリーズ化した「殺され屋」が出てくる一連の作品がある。現在三作品。いぬいゆうたさんに気に入っていただき、朗読もしていただいている。
主人公の特徴として、人の気持ちが分かってないとか、地の文と会話文を混ぜて遊ぶとか、「人間じゃない」と言われがちとか、そういうのがある。実は彼にはルーツがある。新都社で連載中の、曲を題材にして書く掌編小説集の中の、GLAY「HOWEVER」を取り上げた回。
2021年の2月の作品。前職をまだ辞める予定もなかった頃。私とアルバイトの生意気な大学生ナツキとのやり取りを小説化している。同じ職場で働いていたナツキの幼馴染が、大学近くに引っ越すので辞めるのを、ナツキは全く知らされていなかったことについての話。
そこに入ってきた後輩係長とのやり取り。
周囲におもちゃにされているが、前職を辞したのは上層部とのあれこれなので、同僚たちに恨みは一切ない。
もちろん「殺され屋」にある、結婚詐欺の過去とか女心を弄んだりとかの設定は私とは関係ない。ただし毎回、私が普段から思っているようなことを言わせたりしているので、ある意味私の哲学書ともなっている節がある。「読書の効果は何年も経ってからふと現れる」とか「食パンと水とサプリだけで生きていけると思ってた」とか「記念日の非日常による特別な幸福よりも、ささやかな幸福が続く日常を求める」とかそういう。
「殺され屋」と、それに相対する「殺し屋」を毎回書いていくのは楽しく、「これがキャラクターというものか」と思って、「小池一夫のキャラクター創造論」という本を読み始めたりしている。
定型に陥ってもいけないので、書き方や展開もいろいろ変わっていったりするでしょうが、自身も書いていて楽しいのでまだ続くかと思います。お付き合いいただければ幸いです。
入院費用にあてさせていただきます。