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岡田真弓「探偵の現場」

探偵依頼の77%は不倫調査という。
大規模な探偵社の社長が書く、探偵の現場についての一冊。
6人の愛人がいたとか、警察の張り込みとバッティングしたとか、経済的に不自由ない生活をしていた人妻が、自らの性欲に目覚めて熟女風俗で働いていたとか、探偵の調査により判明した様々な人間劇場が大量に開陳されている。

依頼者へのアフターカウンセリングを行うのもあって、浮気・不倫が判明しても即離婚とはいかず、やり直しを選択する夫婦が大半であるという。不倫相手の大多数が職場関連、不倫の原因で最も多かったのがセックスレスから来る欲求不満、というのも勉強になる。調査相手が双子だったり同業者だったり警察官だったりすると大変だとのことで、「調査相手が警察官、彼には双子の弟がいてそちらは探偵」という話を書けば探偵社界隈には受けるかもしれない。書く方も読む方もややこしくて疲れそうだ。

探偵用語が解説されていたり、「このシチュエーションではどういう行動を取るのが探偵として正解か」といったクイズが載っていたりと、探偵を志す人や、少しでも探偵に興味を持ったことがある方にも面白い一冊となっている。私は残念ながらあらゆる点において探偵には向いてないので諦めた。


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