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元彼へ向けたポエム

付き合っていた人と別れて2カ月が経とうとしている。もう彼のことを好きかどうかは分からないけど、苦しい気持ちは依然として残っている。
彼には聞きたいことも伝えたいことも沢山あるけれど、連絡を取るのも億劫だから伝えたいことをここに書き出す。元カレにこれを見られたらどう思うかは分からない。もし見たとしても好きにしていてほしい。
知人にはどうしても話したくないが、どうしても吐き出したいからここでつぶやかせてほしい。

前の記事にも記載したと思うけれど、私たちの別れの原因は主に私の弟二人が知的障害を持っていることだと彼からは聞いている。
彼にも発達障害の弟さんが一人いて、綺麗事で済まされない部分を知っているから別れを切り出されてしまった。LINEで一方的に伝えられたし、私が二人で一緒にいるために色々な案を考えても彼は絶対に認めなかった。最後に電話した際には、「俺もそういうの(偏見)はある…」と言われた。彼の判断は真っ当なものであり、正しいと思うから、彼のことを責めるつもりは一切ない。でも、私はこの一件で自分の置かれている立場を認識し、窮地に立たされていることに気づいてしまった。

彼に対して

まず、本当に申し訳ないと思っている。一人で私の弟たちや私たちの今後について悩ませてしまった。私がそばにいたのに一人で抱え込ませてしまったし、私は彼が悩んでいることに気づけなかった。悲しい決断を一人でさせてしまった。
最初は彼は別れの理由を教えてくれなかった。今思えばそれは彼の優しさだったと思う。私の力ではどうにも変えられないもの、私の人生で避けて通れないものを理由に別れを告げようとしていて本人も「気にしてほしくない」と言ってくれた。でも、私たち二人に関する悩みは一緒に解消していきたかったから、もっと素直に伝えてほしかったし、もっと力になりたかった。
傲慢な私は彼に「私と一緒にいる」という選択を押し付けていたし、彼には少しでも「私と一緒にいたい」と思っていてほしかった。私と一緒にいるために何をしたら大丈夫になるかじっくり考えてほしいと思ってしまった。

弟のことを話すきっかけは彼が「結婚相手に求める条件とかってある?」と聞いてくれたから。その時に「もし条件が合わなかったらお互いのために早く別れた方が良いと思う」とも言ってくれたね。弟について話した後に「俺はいてくれるだけでいいから」と言っていたくせに、何してくれてるんだよ。普段は大きな約束をせず必ず守れる約束しかしない貴方だったから、この言葉も信じてしまった。ダサいよ、もうこれ以上貴方の隣にいる人を同じように傷つけないでね。
でも条件の話を色々していた時はお互い「こういう人が良い、こういう人じゃなきゃ嫌だ」なんて相手に求める条件なんて一切言わず、自分と一緒にいることで相手に与えうる不安要素を受け入れてくれるかばかりを気にしていたね。お互いがお互いのことを思いやっていて、この時の私たちは本当に素敵だったと思う。
弟については正直付き合った瞬間からいつ伝えようかずっと悩んでいた。この話題になった時にも「これでダメだったら仕方ない」と思って伝えたはずだったのに、いざ別れを告げられてしまうとメンタルに来るものがある。でも、今回このような結果になってしまったから、もし今後弟の件も承知したうえで一緒にいたいと思ってくれる男性が私を選んでくれたなら、私はその人の優しさや寛大さを当たり前なものだと思わず深く感謝出来ると思う。

別れ話の時には「このことを気にしない男性もいっぱいいるから、そういう人と一緒になってほしい。」「○○のことを好きなだけじゃなくて、正しく愛してくれる人を見つけてほしい。」「自分は損得勘定が入ってしまう。」と言われた。
確かに弟のことを気にしない人はいるかもしれないけれど、それはその人が障害者について真剣に考えたことがないだけかもしれないし障害者自体は良くても「他人」という距離感なら良いけどそれよりも近いところにいると自分の生活も多少犠牲にしなければいけない場面が出てくるから難しいと感じるかもしれない。何より、貴方は私にとって他に代えがたい存在であったから、他に良い人がいようと貴方が良かった。もっと一緒にいたかったし、もっと愛させてほしかった。
それから、私は付き合っていた時は彼から愛されている実感はあった。忙しい中ラインも毎晩返してくれて、休日も聞いてもないのに何をやっていたか教えてくれた。第一印象がクールな彼が可愛らしい一面を見せていてくれたから返信が遅くても不安にはならなかった。貴方の日常に共存させてもらって一人では見れない景色を見せてもらった。一日中一緒に過ごすような長いデートはしたことはなかったし、お互い愛情表現を頻繁にするタイプでもなかったけれど、ロウソクの火ように暖かくて両手で優しく守りたいものだった。
弟について、不安を感じるのは当然のこと。余計なことを考えさせてしまって私のような立場の人間が一緒にいたことは申し訳ないと思う。普通に考えて邪魔になるものではあっても良いことはほとんどないだろう。だから貴方が損得勘定と感じているものは単なるリスクヘッジ。愛だけでは一緒にいられない。愛情だけではどうにもできない事、愛情が減ったときにどうなるかきっと冷静に真剣に考えて出してくれた結論だと思う。私にも悔しい気持ちはあるけれど、頭ではきちんと理解している。

彼がこれまで付き合ってきた人は派手な人ばかりでつらい経験もしてきたという話を少し聞いたことがある。彼女という存在にしっかり愛されたことがないのかもしれない。私と一緒にいたときも「俺のことは踏み台にしてもいい」とか「奢るよ。俺と付き合うメリットでしょ。」とか言われてしまったこともある。この時私は試されていたのかもしれない。本当にそんなつもりはなかったから、面と向かって言われると驚きのあまりすぐに言い返せなかった。彼にはもっとありったけの愛を贈りたかった。どんなにつらいときも苦しいときも私だけは絶対に味方でいるつもりだった。どうか、人に愛されることを学んでほしい。能力の高い彼だから人を頼らず人に頼られ大人になってしまったと思うし、それを象徴するエピソードも色々聞かせてもらった。でも、愛された経験がないのに人を愛することは出来ない。まずは信頼をおく人から愛されてほしい。愛されることを知ったら次は貴方の隣にいる人や家族に愛を届けてほしい。それから、出来れば貴方の弟さんのことも受け入れられるようになってほしい。

あれから時間が経って、相変わらず毎日彼のことを考えては涙を流す日が続いている。
冷静に考えて、もし私たちの間に障害児が誕生してしまったらと考えると4人の障害者の面倒を見ることになり、正直抱えきれないと私も思ってしまう。彼が下した決断はとても受け入れがたいものだったけれど、きっとこれで良かった、これが正しかったと思える日が来る気がする。そうであれば早く来てほしいのだけど。

この記事も早く微笑ましい思い出を思い出すためのものに変わってほしい。彼も私もそれぞれの道で幸せになれますように。


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