初文フリの感想とか

かさぶたを爪で剥がした
僕だけはあの日の僕の味方でいたい



先日の文フリで売った歌集に載せた短歌です。
この短歌の話と、初文フリの感想!

買った本についてはまた別途でnoteにします。多分……





11/11(土)文学フリマ東京37

11/11(土)文学フリマ東京37!!!!!
東京流通センター第一展示場T-09羅針盤短歌会!!!!!
初めて参加した文フリで初めて作った歌集を売りました!!!!!

『羅針盤vol.1』700円

楽しかった!!!!!

文フリってなぁに

文学フリマは、文学に関すると自分が思うものなら誰でもなんでも売れるイベントです。
知り合いに説明するとき小説寄りのコミケって言うと伝わるので、コミケってすごいなと思いました、まる。

歌集を作りたくて出店してみた

短歌に興味を持ってからずっと歌集を作ってみたいなあと思っていたのですが、期限や目標がないとなかなかできないもので。
友人に文学フリマというイベントを教えてもらい、今回、文学フリマ東京37での出店・販売を目標にして歌集を完成させることができました。

自分で本を作っちゃうのも、それを誰かが買ってくれるのも、すごい経験だなあと思います、夢みたいだ。

当日まで

まずは文フリ出店申込みから。1ブース(長机半分)+2椅子で申し込みました。正解でした。
早めに申し込むと確約、残りは抽選になるらしい。別で文フリに出店する友人に、自分も出る!と話したところ早めに申し込みなよと教えてもらいました、友人に生かされている。

そして出品する歌集作り。
1人で作ったわけではなく、短歌好きな友人と日々自作短歌や好きな短歌について話している短歌会というLINEグループがあり、その4人で合同歌集を作りました。
4人それぞれの短歌を載せたり、他の友人からも短歌をもらってそれについて4人で座談会をした内容を載せたり。内容のイメージは最初から概ねありましたが、やはり大変でしたね。
複数人でたった1冊作るのでもかなり時間がかかったのに、たくさん売っている人、すごい。

とはいえ、初めて本を作るのでかなり手探りになるはずのところ、1番わからない装丁や印刷周りのことを美大に行っている友人が手伝ってくれたので、最初に想像していたよりはずっと穏やかにできました。本当にありがたかったです。

印刷会社さん探しや紙選び、印刷会社さんとのやり取りなどを任せることができたので、内容に時間を割くことができました。

よわよわ短歌

本作りの第一段階として、本に載せたい短歌を美大友人に送って文字を組んでもらい、大体こんな感じになるよというイメージを出してもらって、一旦お家のプリンタで印刷してみたのですが、自分が普段スマホやタブレットのメモに書いている短歌が本の形になると、これは本の強さに耐えられる短歌じゃないぞと気づいてしまいました。

絵描きの方ならわかると思うんですが、下書きの段階ではまあまあ良かったのにペン入れした途端なんだかめちゃめちゃ下手に見える、みたいな話。
私は絵は描けないのですが、短歌にもそういう感覚がありました。

まず縦書きで雰囲気が違う。それっぽいフォントにしてもらうとさらにかっこいい。
拙作でも本物の本みたいになって感動する一方で、そのステージに拙作が追いついていない。拙作の弱さが際立ってしまってこれを販売することはできないぞと思ってしまうんですね。

何度も考えて考えて詠んだ歌も、さらに単語を入れ替えてみたり助詞を変えてみたり、そもそも載せる短歌を別のものにしてみたりと色々考えました。少しは強度を上げられたかなと振り返りつつ、結局は最初に考えたものとそんなに変わらないものに落ち着いたような気もします。

嗚呼これが推敲か、と。創作というものは終わりがないんだなあということに改めて気付かされました。
本当に怖い営みです。みんななんでこんなことやるんだ。

面白いことがしたい

みんなで同じテーマで短歌を詠むテーマ詠とは別に、自由詠のページも作りました。
私はゲームをテーマに、短歌には珍しい横書きでフォントや文字の置き方もこだわりにこだわって(美大友人に頑張ってもらって)、面白いページができたと思います。ぜひ見てください。

言葉の強さだけで戦えるような短歌が詠めるように鍛錬したいけれど、それと同時に文字の形や配置で遊べるような短歌もたくさん詠みたいです。なぜなら楽しいから。

もう次何やろうかって考えてる。楽しいね。

ぼんやり考えていたことが形になってみんなに見てもらえるのって本当に楽しい!!

今回の歌集を編集した中で1番大変だったのは、座談会ページの文字数調整でした。入れたいスペースにおさまるように内容や表現を何度も変更しました。
最終的にとても綺麗に収められた瞬間の達成感。もうやりたくないけど多分またやります。
全人類に見てほしい。

短歌ステッカー

歌集に加えてステッカーも販売しました。前々日から当日朝にかけてみづ田ま子が描いてくれました。リアルフェイス。
歌集に載せた短歌とは別のものですが、暗い短歌ばかりの私の短歌の中で1番可愛い短歌をとても可愛いステッカーにしてもらいました。 
写真の左上が果波、左下が近いはなれ、右下が隙間まいの短歌です。
タブレットの透明カバーに挟むしかない。みんなもスマホに挟んで日々の生活に短歌を添えてほしいよ。

短歌ステッカー 1枚300円
イラストステッカー 1枚200円

ステッカーを飾るこの写真立てとか、机に敷く布とか、当日の装飾は全てみづ田ま子が用意してくれました。私はこういうセンスがないので本当に助かる。
こういうときにも、1人じゃ出店できなかったなーと思います。

当日の話

設営をみづ田ま子と隙間まいに任せ、私は一般入場者として会場に入りました。
12時の開場前に並ぶつもりが、30分以上経ってからというか13時近くでした。そういうところある。

出店者としてもそうですが、文フリ自体初めてだったので、雰囲気やどれくらい並ぶのかもわからず、わくわくと不安を抱えつつモノレールから降りました。
駅からもう人が多過ぎる。駅を出るのにはそれなりに時間がかかりましたが、会場には思ったよりもスムーズに入れました。
遅刻が功を奏したのかもしれません。

会場に入ると、ぶわーっと本が並んでいて。
こんなにたくさんの人が何か表現したいことを持ってそれを他者に見せるべく形にして売っている。そんな世界を目の当たりにして、心が震えました。

たくさん人がいるけれど、歩けないとかテーマパークみたいな時間並ぶとかではなくて、ちょうど気持ちを高めてくれるくらいのとても素敵な賑わいでした。

欲しかった本もちょっと並んだら買えました。
好きな作家さんに目の前でサインを書いてもらうこともできて、すごい世界だここは……と思いました。

とりあえず絶対に欲しい本を確保してから自ブースに行って売り子役を交代しました。

売り手として/買い手として

買って!!!!!もらえた!!!!!

す、すごい

友人が数名買いに来てくれたのと、
何時頃だったか、売り子を始めて割と早い段階で、立ち止まってくださった方が見本誌を見てステッカーと合わせて買って行ってくださいました。

自分が作った本を買ってくださる人がいるということ、信じられないです。嬉しかったです。

ぜんぶゆめだったらどうしよう

1冊も売れない可能性もあって、何もできずに何時間も座っていたらしんどいかなーと思っていましたが、目の前をたくさん人が通るのでぼーっとしているだけでも飽きないし、時々立ち止まってくださるとどきどきするし、見本誌に手を伸ばしていただけたらもうそれだけで飛び上がりそうになるし、数人の方に買っていただけて、ずっと心がソワソワしていて、あっという間の数時間でした。

どれくらいの距離感でお客さんと話したらいいのかは難しかったですね。あんまりグッと声かけしても怖がられてしまうだろうし、かと言ってなんにも言わないで座っているのも近づきにくいかなとか。

途中、自ブースを離れて第一展示場全体をじっくり見て回ったのですが、買い手として回ることで沢山の素敵な作品を見ることができたのと同時に、フリーペーパーがあると気軽に見やすいなというような売り手としての気づきもありました。

すべてのブースのすべての本が素敵なので、どうしていいのか本当に難しい。

フリーペーパーを手渡していただくときにさっと本の説明をしていただけた際にはとても興味が湧いてその方の本をすぐに買いました。本の内容を一言で言える、あるいは一言で言えるような本を作ることが手に取っていただきやすいコツなのかもしれない。
こういうブースの本は買いやすかったなあみたいな気づきはぜひ次回に活かしたいですね。

自己満足でいいからとにかく歌集を作りたい、それを手に取ってくれる人がもしいたらそれはきっと素晴らしいことだろう。ぼんやりと思っていたことが現実に叶って、不思議な感覚です。
誰かの人生に私の短歌が入り込んで行く、そんなことが現実にあるんですね。

文学フリマ東京37、参加して良かったです。

あとシンプルにお祭り感がとても楽しかったですね。

まとめ

色々と反省点はありますし、自分の創作物を誰かが手に取ってくれるあるいはくれないということはとても恐ろしいことですが、文フリ東京37を振り返ってみて今、だからもうやらないというのではなく、次はもっと良いものを作りたいと思えています。

よかったね!!!!!

というわけで、ざっと(というには4,000字近くですが)、初文フリ振り返りでした。



冒頭の短歌の話

流石に長過ぎる!!

ので、また明日。か、明後日か…

ここまで読んでくださってありがとうございました。


『羅針盤vol.1』まだ在庫ございますので、ご興味のある方はぜひ。全45ページで700円です。
オンライン販売は未定ですが、少なくとも次回以降の文フリ東京にはまた持っていくはずです。

全人類読んでくれー!!!!!



おしまい。

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