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台湾コンビニヴィーガン事情——台湾のコンビニでヴィーガン・ベジタリアン食品を正しく選ぶ方法


ヴィーガン表記はあまりないので要注意


先日、台北に出張に行ってきたのですが、台湾のアクティビストである友人のモナに、「一番お気に入りの台湾のヴィーガンフードは?」と聞いたら、「コンビニエンスストア」という返答が返ってきました。それほど台湾ではコンビニにもあたりまえにヴィーガンフードが置いてあるようです。

しかし、台湾でも「ヴィーガン」という言葉はまだ新しく、広く普及しているわけではないそうなので、商品がヴィーガンかどうかを見分けるには、ある程度中文の知識が必要です。(ちなみにヴィーガニズムを表わす言葉は「純素主義」。)

コンビニも店舗によってだいぶ違うらしいですし、コンタミまで考慮されているかは確かめていないのですが、だいたいの目安でご参考ください。



ヴィーガン・ベジタリアンお役立ち中文


最低限、ヴィーガンが知っておくと便利な中文を、モナとChatGPTの助けを借りてまとめてみました。
ただ、表記の使い分けは台湾のヴィーガンの方からしてもかなり曖昧らしいので、気になる方は必ず原材料を自分でチェックしてね!

【ベジタリアン/ヴィーガンの分類と表記】

1. 「全素 (quán sù)」: ≒ヴィーガン
・・・動物性食品、五葷(ねぎ、にんにく、らっきょう、にらなど)、およびアルコールを含まない。主に仏教徒のための表示。
「不含任何动物成分 (bù hán rèn hé dòng wù chéng fèn)」: 動物成分なし

「純素」という言葉が使われることもあるが、違いはあいまい。「全素」のほうが一般的。

2. 「奶素 (nǎi sù)」: ラクトベジタリアン
・・・乳製品を含むが、卵や肉、魚は含まない。
「含乳制品 (hán rǔ zhì pǐn)」: 乳製品含む
「不含蛋和肉 (bù hán dàn hé ròu)」: 卵と肉なし

3. 「蛋素 (dàn sù)」: オボベジタリアン
・・・卵を含むが、乳製品や肉、魚は含まない。
「含蛋 (hán dàn)」: 卵含む
「不含乳制品和肉 (bù hán rǔ zhì pǐn hé ròu)」: 乳製品と肉なし

4. 「奶蛋素 (nǎi dàn sù)」: ラクトオボベジタリアン
・・・乳製品と卵を含むが、肉や魚は含まない。
「含乳制品和蛋 (hán rǔ zhì pǐn hé dàn)」: 乳製品と卵含む
「不含肉 (bù hán ròu)」: 肉なし

5. 「五辛素 (wǔ xīn sù)」: 五葷なしベジタリアン
・・・五葷(ねぎ、にんにく、らっきょう、にらなど)を含まない。
「不含五辛 (bù hán wǔ xīn)」: 五葷なし

【紛らわしい言葉】

蔬食 (shū shí)
・・・野菜を中心とした食事を指し、一般的にベジタリアン食を意味する。「蔬」は野菜を意味し、特に野菜に重点を置いた食事を示す。動物性食品を含まない場合もあるが、厳密にはヴィーガンではなく、乳製品や卵が含まれることがある。日本における「プラントベース」に近い。

素食 (sù shí)
・・・もっとも一般的に使われる言葉。ベジタリアン食全般を指す。動物性食品を避ける食事を意味し、場合によっては乳製品や卵を含むことがある。宗教的な理由や健康志向で素食を選ぶ人も多い。素食はより広範な意味を持ち、一般的なベジタリアン食を指す一方、蔬食は特に野菜を中心とした食事を強調する言葉。

*以下2つは、コンビニが作った用語らしい。
天素 (tiān sù)
地蔬 (dì shū)

【要注意食材別の表記】(左=日本語、中央=英語、右=中国語)
卵: Egg / 蛋 (dàn)
ミルク: Milk / 牛奶 (niú nǎi)
チーズ: Cheese / 起司 (qǐ sī)
バター: Butter / 奶油 (nǎi yóu)
ヨーグルト: Yogurt / 酸奶 (suān nǎi)
蜂蜜: Honey / 蜂蜜 (fēng mì)
魚: Fish / 魚 (yú)
肉: Meat / 肉 (ròu)
鶏肉: Chicken / 鸡肉 (jī ròu)
豚肉: Pork / 猪肉 (zhū ròu)
牛肉: Beef / 牛肉 (niú ròu)
シーフード: Seafood / 海鲜 (hǎi xiān)

「素食」という言葉はいたるところで見るのだけど、必ずしもヴィーガンを表わすわけではないので注意です。「全素」が一番ヴィーガンに近いけど、実際はオリエンタルヴィーガン+アルコールフリー。仏教徒の人がアルコールや五葷も避けるための表記みたいです。仏教のお坊さんがたくさんいましたが、宗教が現代の文化にも深く根付いているからこそですね。

パン屋さんにいくと、「蛋」「奶」の表記がよくあって、その二つだけでも覚えておけば、卵・ミルクありなのかがわかって便利でした。


セブンイレブン


ではお店の中を見ていきましょう。 
まずはセブンイレブン。この店舗には本棚もありました。ヴィーガニズムの本が置いてあることもあるらしいです。

お弁当コーナーへいくとプラントベースのコーナーがすぐに見つかります。

その棚だけグリーンになっててわかりやすい。
他の店舗だとVEG.Worldと書いてあった
野菜煮込み的な。
餃子おいしいそう
きのこの煮物的な
冷やし中華的な
五葷・卵・ミルクを含まないとかいてあります。

わたしはこれを買って食べましたが、オムニミートを使ってて、200円足らずでしたが普通においしいかった。


植物性ミルクもたくさん! でもときどき、牛乳とプラントベースのミルクがまざってるものもあるから気をつけてね。

インスタントラーメン
これも
これも!

メントスみたいなお菓子もあるよ

これはちゃんとveganと書いてある
色違い。

冷凍食品もばっちし!

「全素」とあります
右はvegan、左はミルクありです
全素!
ライスバーガー


まさかのお茶が・・・!——動物実験有無かどうか


これ、まだセブンイレブンだけだよ。コンビニ一軒にこんなにヴィーガン食品があるなんて日本じゃ考えられない! まさにヴィーガン天国!

しかし、予期してないところで落とし穴がありました。それはなんと、お茶。

原材料には動物性のものは含まれていないのだけど、台湾の人はお茶が大好きで、企業は「この商品は安全です」とアピールしたいがために、お茶の安全性の動物実験を行っているようです。

特にお茶のラベルについているこの緑色の認証、一見するとヴィーガンマークのように見えかねませんが、そうではありません。よくみると「動物実験」という文字が見えます。

また、同じマークがついた商品でも、動物実験ではなく人体実験を行なっている、と書いているものもあります。

ちなみにコンビニにはコスメも若干置いてありますが、コスメの動物実験の有無はこちらのサイトから検索して調べられるそうです。(※ただし中文のみ)
このシステム、日本にも欲しい〜!

兔兔不哭-善美麗聯盟HPより


ファミリーマート

では次にファミリーマートへ。

広いフードコートがある店舗も多かった。

ファミマではこの「植覚生活」という棚のあたりがヴィーガン・ベジ食品。

モナのお気に入りだって。
おにぎり!
ツナ! 甘くておいしかった。
チキン風
肉風味?
トルティーヤ的なものも。
ドレッシングもちゃんとある
冷やし中華かしら?
こちらはスパイシー
じゃーん。植物性ミルク〜

ゼリーもだいたいヴィーガン。ゼラチンを使わないんだって。

モナにおすすめされて、梅のドリンクを買ってみたよ。さっぱり。

あと、これはどこで買ったかわすれたけど自販機でも安く売ってた。


セブンではタピオカドリンクも飲める


また、タピオカドリンクもコンビニで買えちゃいます。すべての店舗にあるのかはわからないんだけど、セブンではレジで頼むと店員さんがつくってくれます。

この店舗ではなぜかうさぎのキャラが店内にたくさん。

ちいかわ? 最近こういうゆるキャラ多くて覚えきれない

レジ奥のスクリーンに、ドリンクメニュー一覧があります。

ヴィーガンミルクティがほしければ、「黑糖珍珠燕麥奶」とスマホに表示して提示すると伝わるよ。



モスバーガー、すき家、サブウェイetc.


日本にあるファストフード店も、台湾の街中でよく見かけます。

日本にもグリーンバーガー(ヴィーガン)のあるモスバーガーでは・・・

ちゃんとあったー!

他のメニューと比べても別に高くないかな。

牛丼のすき家でも・・・

ありましたー! 3つも!

他のメニューと比べても高くない。

サブウェイでも・・・

「素食」があります!


スターバックスは、前はたくさんヴィーガンメニューあったみたいだけど、今回はあんまりみかけませんでした。マクドナルドもないぽいです。

とはいえ、こうやってインフラにヴィーガン・ベジタリアンオプションが整えられているのはとても羨ましい〜!

ぜひぜひ日本の企業でも、ヴィーガンオプションをどんどん増やしてもらえるように、意見とどけしていきましょう。


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