京都ヴィーガングルメレポ【後半】——「食べられる」ということを巡って
* 前半の続きです。
3日目 烏丸→京都河原町
① Whitely by Toriba Coffee 京都大丸店
万全の態勢で挑みたいので、朝は空腹を我慢し、ホテルで仕事をしつつ、お昼を食べに京都河原町から大通りを烏丸方面へ歩きます。
京都大丸店の3階にあるWhitely by Toriba Coffeeに到着。
東京にもあるトリバコーヒーのやっているカフェ・レストラン。東京のトリバコーヒーにはヴィーガンカヌレがあって、わたしもときどき食べに行きます。ヴィーガンチーズトーストとかもあるよ。
今回のこちらのWhitelyさんでは、食事メニューが豊富だったので、自家製ヴィーガンソーセージと九条ネギのカルボナーラをいただきました。
かぼちゃ、しいたけ、ソーセージ(サルシッチャ)が入ってます。黄色はかぼちゃの色なのだろうか。クリーミーです。
初めてヴィーガンサルシッチャを食べましたが、しっかり味がついていておいしい! 他にナポリタンやバーガー、スイーツもありました。
店員さんにお話を聞いたら、ヴィーガン居酒屋の真さかとも同じ系列だそうです。納得のおいしさ。
店内は広々としていて、ゆっくり作業ができました。
おまけ 祇園イリゼ茶寮
Whitelyではあえてスイーツを我慢。なぜなら、どうしてもヴィーガンマトリッツォを食べたかったから!!!
ヴィーガンマトリッツォとかこの世に存在するなら食うしかないよね。他にもこちらの祇園イリゼ茶寮さんの写真をググっていると、カヌレやバターサンド、マカロンなどもあるようで、お土産にもちょうど良さそうだなと思い、午後に店舗に向かうつもりでした。
しかし、よくよく調べてみると、どうやら店舗はもうなくなっている模様・・・。残念すぎる。
オンライン販売があるようなので、またいつか利用してみようと思います。
② AIN SOPH(アインソフ)京都店
そういうわけで予定していたスイーツが食べられなかったのですが、「大丈夫、まだわたしには最終兵器が残っている」と希望を胸に向かったのが、東京でもおなじみのヴィーガンレストラン、アインソフ。
抹茶のソースがたっぷりかかったパンケーキの写真に心を射抜かれて以来、京都店でこれを食べることをずっと楽しみにしていたのでした。抹茶のパンケーキのために京都に来たと言っても過言ではない。
18時の開店と同時に店に行ったものの、すでに何組か方々が店の前で待っていました。京都店はこじんまりとしたアンティークの一軒家みたいな造り。
待つこと十数分後、2階に案内され、メニューをめくるが、、、なぜか抹茶のパンケーキが見つからない。え・・・?
店員さんに聞いてみたところ、まさかの、抹茶バージョンはもうやっていないそうです。ショックすぎる・・・。
いちごのパンケーキはあったのですが、せっかく京都にきたので京都限定メニューが食べたいな、と思ってさらに聞いたところ、忙しい中丁寧に説明してくれました。
がっつり晩飯系だと、山椒を使ったバーガーが京都限定だったのですが、なんとなくチーズの気分だったので、結局、東京にもあるであろうチーズのバーガーを頼みました。ごめん。でもおいしかった。
店内を見回すと、日本語をまったく喋れない外国の方が多数で、店員さんが大変そう・・・。悠長に食べているのが申し訳なくて、思わず「手伝いましょうか?」と言いそうになった。
めっちゃくちゃ混んでて忙しそうだったので、抹茶のティラミスを自分用に買ってホテルで食べました。
アインソフさん、どのメニューもおいしくて大好きだけど、抹茶のパンケーキをどうか再発売してください。頼みます。
4日目 京都河原町→錦市場(経由)→三条
③CHOICE(グルテンフリー&ヴィーガン)
関西出張、最後に向かうお店は、グルテンフリー&ヴィーガン専門店のCHOICE さんです。
荷物はホテルに預け、錦市場を通り、三条方面に歩いていきます。
まだお昼前なので、混雑しておらず歩きやすい。
市場を抜け、いくつか橋を渡ります。
京都は都会なのに川がきれいだし、近くに山もあっていいなぁ。
途中に池田屋もあったよ。
橋を越えて少し歩き、CHOICE さんに到着。客席はゆったりとして落ち着きます。
パンケーキに定評があるようなので気になっていたのですが、お腹が減っていたのでがっつりハンバーグセットにしました。
雑穀がはいってて食べごたえがあります。
丁寧につくられててとってもおいしかった~!
おまけ
鴨川ベーカリー
こちらも京都在住の友人からおすすめされていたのですが、ちょっと場所が離れていて、行けるタイミングがありませんでした。あんバターベーグルとか食べたすぎるよ〜
麺喰金家(めんくいきんや)
うどん屋さんの1メニューにヴィーガン天丼orうどんがあるらしいという噂を聞きつけ、行く気まんまんでいたのですが、よく調べたらあいにく開店スケジュールと合わず行けませんでした。曜日によって開店の時間が異なるようなので注意です。
LUSH京都四条通り店
なお、今回のわたしたちの「釜ヶ崎ヴィーガン炊き出し」の企画は、LUSHさんの助成によって実現しました。
店舗が大通り沿いにあったので、ちょっくらご挨拶してきたよ。
ちょうどヘアクリームがほしかったので、こちらのカールパワーを買いました。めっちゃいいにおいでベタつかず使いやすいです。
コスメで有名なLUSHさんですが、30年以上にわたって動物実験反対のアクションをしている会社でもあります。
わたしたちも動物実験についての記事をもうすぐ公開する予定なので、動物実験の問題についてはそちらもあわせてお読みいただければと思います。
インターセクショナルな運動をサポートしてくれる団体は日本だとなかなか見つからないのですが、動物・女性・貧困問題etc.を、それぞれ別個の独立したものとしてではなく、複雑に絡み合っている課題として向き合おうというわたしたちの趣旨を理解していただけて、今回の企画が実現したのでした。
ちなみにラッシュさんはForbes誌で、「女性にとって最も働きがいのある会社」に選ばれたそうです。いいね。
終わりに
いかがだったでしょうか、大阪&京都ヴィーガングルメレポ。
結論からいうと、大阪もなかなかですが、京都はヴィーガンにとってかなり過ごしやすい街なんじゃないかと感じました。
コンパクトシティなので、電車に乗らなくても徒歩で行けるし、ちょっと遠くてもバスやレンタサイクルで色んなお店に回ることができる。ヴィーガン料理を食べ歩く合間には、川のほとりで昼寝することもできる。こんな場所は東京にはなかなかない気がします。
わたしはいままで関東を出て暮らしたことがないのですが、関西ヴィーガンを堪能するためだけにも関西に住んでみるという選択肢もありだな、と思いました。
***
狂ったようにおいしいものを食べ続けた7日間でしたが、最後に私事を書くと、わたしはその少し前には何も食べる気が起こらないような状態でした。
3月末、父親が突然亡くなりました。まだ60代でした。その3日前には伯母も亡くなっており、立て続けの死去でした。
家族も親戚も友人たちもこんなことが起こるとは予期しておらず、わたしも1週間ほどは頭がまわらず、ショック状態でした。予定通りメディアの取材を受け、文科省で記者会見も行いましたが、殴られたように頭や心の一部が麻痺していました。
2年前に愛犬が死んだときもそうでしたが、その後はしばらく食事する気が起こらず、買い物に行く気力もなくなり、看過しない会のメンバーから食糧を送ってもらわなくてはならない始末でした。わたしの犬も死ぬ直前はご飯を食べなくなっていましたが、父の住んでいた部屋にも手のつけられていない弁当が数日分置いてありました。わたし自身も食欲がなくなってしまうことで、死の方に引っ張られていくような怖さがありました。
それでもとにかく、今回の出張は楽しもうと、周囲もサポートしてくれ、わたしも前からずっと楽しみにしていたお店のことを考えて、スタンプラリーのように一つ一つお店を回っているうちに、だんだんといつもの(いつも以上の?)食欲を取り戻していったのでした。
もちろん不食の方とかもいるので例外もあると思いますが、食べることと生きることというのは密接につながっているんだということをしみじみと感じた旅でした。
目を覚まして、お腹が減り、ご飯を食べ、お腹いっぱいになり、休んで、動いて、また減って…というリズムがあるのって、すごいことなんだなぁ、と。一ヶ月前は物を食べる気にもならなかったのに、このリズムを取り戻し、ちゃんとおいしいと感じられていることに、自らにも生き物としての生命力が備わっているんだなぁと実感しました。
ハラスメントの運動や動物の運動をやっていると、辛いこともたくさんあるけど、お店の人によって丁寧に作られた本当においしいヴィーガン食を食べているとき、わたしは束の間のひとときですが、「生きててよかった〜」と幸せな気持ちになります。
そうやって普段わたしが幸せを感じているような、丁寧につくられた植物性の食事を、野宿者の方にお渡ししたいという思いで企画したのが「釜ヶ崎ヴィーガン夜回り弁当」イベントでした。
また近いうちにそちらもレポを書く予定なので、よかったらぜひご覧ください。
(続く)
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