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donny
2021年11月21日 14:53
1.あのころ私の地元は坂と階段だらけの街。港から見上げると、まるで家々がレンガのように積まれているかのような、独特の景色が見られる場所である。実家もまさに山肌の段々畑に並んで建って見える、そんな立地だった。ふと思い出す、小学校までの通学路。学校まではとにかく下る下る。そんな毎日。朝、幼馴染と家の前の階段を下りたところで待ち合わせ、狭い石道を通り抜けていく。神社の下あたりから、道幅が