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ドンハマ★という名の生まれた日

初めて会った人に、「なぜドンハマ★と名乗っているんですか?」と訊かれることは多い。私は、ちょっと間を空けて「名前の由来の話は、あまり面白くないわりに、実は結構長くなるんですが…」と前置きする。その後、話をすべきかどうか、少し戸惑いの時間が訪れたりするのである。今日はその話をまとめてみたく思う。

新たな名前で始めます

私が、「絵本×大人」をコンセプトに活動を始めようとしたのは、2014年の夏であった。新しいことを始めるわけだから、これまで誰にも呼ばれたことのない名前を付けてみたいと思った。芸名やペンネームを持つ感覚と似ていたと思う。

みんなに親しんでもらいたいと思って、最初に浮かんだのが「ドンタコス」的な名前ということだった。「ドンタコス」とは、湖池屋のあのCMを知っている方もいると思うが「ドンタコスったら、ドンタコス」のあれである。

ドンタコスの名前をもじって、ドンハマス。もうこれしかない!と思った。私の頭の中では「ドンハマスったら、ドンハマス」のメロディーが鳴り響いていた。活動が開始する前だったけれど、名刺とオリジナルの前掛けエプロンまで作ってしまって、準備万端だったのである。

まさかその名前が、わずか2週間後には変わってしまうとは、つゆとも思わず。

実は、前掛けに書かれていた名前は最初から変わらず。結局、活動を休止する2019年まで使っていた。それに気づいた方はどのくらいいらっしゃっただろうか?

名前を捨てる日

とても気に入ったドンハマスという名前であったが、意外な展開が忍び寄ってきていた。私が絵本の活動を始めようとして間もなく、イスラム圏で、邦人が拉致されてしまうという事件が発生したのである。報道によると、イスラム原理主義と言われる人たちの過激派集団がそのような事件を引き起こしているということであった。

その邦人の拉致事件に直接関与しているわけでなかったが、ハマスと呼ばれる集団も、過激な行動を繰り返すテロリズムということで、国内でも批判的に報道されていた。

私の活動は、絵本の活動であって、イスラム原理主義とはまったく関係ないわけで、まあ似たような名前になっちゃたなぁ~くらいの感覚で最初は受け止めていた。

そんなある日、ハマスの報道を知った家族が「絵本のことは、自由にやったら良いけれど、名前だけは変えてほしい。要らぬ誤解を受けないとは言い切れない」とこんこんと言って聞かせるのである。初めは、そんなわけあるまいと思っていた自分であったが、「ハマス」の「ドン」(ボス的存在)という意味に万一勘違いされ、何かのトラブルに巻き込まれてしまったら、笑うに笑えない話になってしまう。とても気に入った名前ではあったが、ドンハマスの名前は、捨てざるを得ないと決断したのだった。

ドンハマ★が生まれた瞬間

そして名前を失った私の前には、作ったばかりの名刺が置かれていた。次の名前を考える気にもなれず、しばし脱力状態であった。そんなとき、私の脳裏にある考えが浮かんだのである。

カタカナの「ス」は、「★」マークで塗りつぶせる

今、考えても素晴らしいひらめきだったと思う。この名刺の山を捨てずに活かせる唯一の方法は「ドンハマ★」。それが生まれた瞬間だった。

次の日、たまたま仕事で訪れた東京都町田の小田急百貨店で★シールをゲットし、一枚一枚ペタペタと貼って、ついに名刺が出来上がったのである。(旅する絵本♡が盛り上がっている町田市さんとの縁がこんなところにもあったのです。不思議です)

名刺を渡すとき、何色が良いですか?と言いながら、お渡ししていました。

それから、7年。ドンハマ★の名前はおかげさまで、いろんな方に親しんでいただける名前になっている。「ドンハマ」という音の響きも、最初の名前以上に呼びやすい名前になったと感じていて、結果的に良かったと思っている。

一方、書く場合だが、その経緯からも、★マークは必然のものとなるわけだが、実際のところ「ドンハマ★」と正確に記述していただくことはほとんどない。大抵は「ドンハマ」という★なしパターンか、つのだ☆ひろさんイメージなのだと思うが「ドン★ハマ」と書いてくださる。他には、ひらがなパターンとか、漢字交じりパターンなどもある。

始めは、この★マーク、位置も含めて重要なんだよ!って言いたい気持ちが割とあったのだけど、今では、どれも親しみを込めて書いてくださってることを思うと、気にならなくなっていて、どんなものでも包括的正解として、ありがたく受け入れている。

親しんでいただいている、ドンハマ★という名前、まだまだ使って行きたいと思う。これからもどうぞよろしくお願いいたします。




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