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初めての出産までに、助産院で経験したこと

初めての出産を、助産院で迎えることにした。
その理由については下記のnoteをご覧下さい。

⬛︎助産院で経験したこと

悩んだ末に助産院で産むことを決めたのが、32週。
(妊娠初期に見学に一度行っていたので、出産間近でもスムーズでした。)

ドキドキしながら、電話でその旨を伝えた時に、「良ければ何で悩んでいたか教えてくれる?」と院長に言われた。


"問い"というものには、力がある。
答える中で、自分の気持ちが言語化される。
モヤモヤしていた自分の意思が確固たるものになる。

院長の問いに答えることで、私がなぜ助産院を選んだのか、自分自身で納得していった。

そして、院長に「そっか、かなさんにはそれだけの時間が必要だったんだね」と言われた。

長く悩んだことを、そのまま受け止めてくれた。

どちらかと言えば、さばさばした方なのに、そういう言葉選びから、ただならぬ優しさを感じた。

31週からの転院ということで、ずっと通っていた方よりも、少ない経験ではあるが、この助産院で体験したことをまとめていきたいと思う。

【注意】
助産院の方針はそれぞれだと思うし、あらゆる出来事について、私の印象や感じ方が大きく影響しているので、全てがこうではありません!!


①MY助産師さん

助産院には、担当の助産師さんがいるようだった。
(他県の助産院に通院していた知人もそうだったので、この助産院だけではなさそう。)
言わば、担任と生徒のような関係で、ずっと併走してくれる。

私は、なんと新卒で看護師と助産師資格に合格した、ピカピカの助産師さんが担当だった!!
もしかしたらそれが、不安要素になる人もいるかもしれない。
でも、担任をしたことのある私は知っている。
「初めての1年」ほど新鮮さと熱意と誇りがあるということを。
また、他の明らかに経験豊富な助産師さんたちもいつも近くにいたので、不安はなかった。

その方が私の仕事とか夫とのこととか、色んなことを尋ねてくれるのが面白かった。

本当に先生と生徒みたいだなぁと思う。

②出産を控えた妊婦さんたちとのランチ会

月の初めに、その月の後半、次月の前半に出産予定となる妊婦さんを対象としたランチ会が助産院では開かれた。
女性の好きそうな、カフェランチのテイクアウト。私の時は、私も合わせて4人だった。そこに、そこで働く助産師さんが2人。遊びに来ていた?助産師さんが1人。

(ちなみに出産予定の妊婦さんは半数が助産師さんだった。その日知ったのだけど、他の産婦人科で働く助産師さんが自分らしく産みたいということで助産院を選ぶケースも多いみたい。医療行為の必要性とか色々自分なりの考えがあるからこそ、ここを選ぶんだなぁと思った。)

そこでは、今の気持ちやら助産院に決めた理由なんかをシェアした。

またその日遊びに来ていた?助産師さんで、自らも自然なお産をされた方の強烈な体験談も聞いた。
印象的だったことは2つ。
・初めて我が子を抱いた時、幸せのような何かが、ドバーッと溢れでて、動物のような雄叫びを自身があげたこと。
・お産の感想を聞かれた時に、「女として生まれたことを肯定された気がした。」と自然と答えていたこと。

少し、スピリチュアルな感じもしたけど、それも含めてとても興味深いお話でした。

③骨盤矯正

トコちゃんベルトの付け方や、自宅でできる安産体操などをみんなでしたよ!
わいわい。

④ヨガ

前通っていた産婦人科もコロナ禍もヨガ教室をやってくれる珍しい病院だったんだけど、助産院でもできました。
マタニティヨガの中でも、すごーく簡単な動きが多いクラスだと思った。 
その代わり、瞑想?的な時間が多かった。
赤ちゃん目線の絵本をインストラクターの助産師さんが読んでくれたり!
リラックス効果が期待できる♪

⑤バースプランについてカードゲーム

ランチ会、ヨガや骨盤矯正などのクラスは希望者だけだったけど、これはできる限り全員の出産予定者が実施しているようだった。
「音楽をかけて欲しい」「優しくして欲しい」などの、出産に望むことが書かれたたくさんのカードから、自分の希望を絞っていく!

私は…
「良いお産だったと思える」
「人の繋がりを感じられる」
「出産の状況がわかる」

の3つを選んだよ。

選んだ後で、助産師さんに
「かなさんにとって良いお産って何?」
と聞かれて、選んでおいて答えられなかった笑
でもその問いのおかげで良いお産について考えることが出来た。

私にとって、良いお産は、「流されていつのまにか終わるお産の反対。じっくり自分なりに知って考えて向き合うお産。」だとその時思った。

「出産の状況がわかる」に関しては、マラソンや登山みたいに、あと何キロ!今何合目!って教えて欲しいって伝えたら、笑顔で、「努力するけど難しいかも」と言われてしまった。

お母さん1人じゃなくて、子供と一緒にすることだから…とのことでした。

だから、むしろ霧のかかった登山に挑むつもり位が良いかも!と言われた。
いつか、ぱあっと視界が開くから!

なるほどー!
私は雨の中、富士山を登ったことがあるのだけど、そんな感じかなと妙に納得した。
前が全く見えず、ひたすら一歩を重ねていく、苦行だった。

富士の下山は晴天で、振り返れば山頂が綺麗に見えたんだけど、途中で、これは山頂が見えていたら見えていたでしんどかったかも!と思った。
こんなに登ったのに、まだあんなに遠いの!?
とか、まだまだ、先すぎるー!ってくじけていたような気がするから笑

誰にもゴールは、分からないってことがよーく分かったお話だった。

⑥呼吸と発声についてのワークショップ

助産師さんではなく、アーティストの方を講師に迎えたワークショップだった。こちらも希望者だけ。
演劇のワークショップに近いかも??

呼吸や発声では自分の身体をたくさん感じた。
妊娠してから母親についてイメージした時、どうしても「自己犠牲」というキーワードが浮かんだ。
眠たくても寝られない。
行きたくても行けない。
食べたくても食べられない。
やりたくてもやれない。

母親になるということは、我慢しなくてはならないことばかりだから。
でも、呼吸や発声で自分の身体とじっくり向き合ったときに、私は今、自分を大切にしているなと思った。

自由に生きることだけでなく、自分を大切にすることはできるし、
「出産に向けて、自分の体と向き合ってね」という今回のワークショップは、「出産のときも自分を大切にしてね」と言ってくれているようで、救われた。

瞑想をした。
初めて人に導かれて、瞑想をした。
美しい歌声を聴きながら自分の心と向き合った。
今まで、人と対話したり、気持ちを文にしたりして、自分の心を見つめることが多かったけど、自分の内でじっくり答えを見つけるということも時に必要なのだと知った。

嫌なことが嫌だと分かった。

(親のことを私がしっかり面倒みないといけないと勝手に思っていたけど、そんなこと親は望んでないし、私が自分らしく幸せでいれれば、それで良いんだと思った。自然体で、幸せにいることで周りを幸せに出来るんじゃないかなーとぼんやり思った。)

正直、スピリチュアルな企画だったので、嫌な人は嫌だと思う。
私は、俯瞰してそういう体験を楽しめると思ったから参加したのだけど、思いの外、2時間の経験は、気持ちが良かった。

ワークショップの後に、感想を伝える時、自己犠牲の話をしたら不意に涙が出てきてしまった。
そして、講師の方から出産だけでなく、育児も自分を大切にするという話をしてもらった。
そうやってまずは自分が満たされることで、家族は幸せになれると言われて、確かにその通りだなと思った。

また、その後助産師さんも含めてお話した中で
出産時は「低音」と「セクシーな声」が良いと話題になった。
「低音」は痛みと向き合う時に良さそうというのは納得したけど「セクシーな声」は謎で、驚いた!笑
そしたら、お産はセックスの延長だからとさらっと言われたのでさらに驚いた。
でも、身体を感じるというのはセックスに近いものがあるのかもしれないなと思った。

⬛︎振り返り感想

人があまりしないことをしたい。
経験にこそ価値がある。

そんな価値観が私にはある。

助産院を選んだ理由は、そんな好奇心が大いに関係している。
そして、やっぱり思った通り。私の直感は侮れないのだ。
ここで経験したことに価値があると今、心から思っている。

「どんなお産になるだろうね~」わくわくした少女のような瞳で助産師さんに言われた。
その一言がこの助産院の魅力を表していると思う。
出産を一人の人間の物語として受け入れていて、それを良い意味で楽しんでいる人がいる。
私が学校で、生徒の成功も悩みも挫折も全て、ひっくるめて、その子の物語として、楽しんで見つめていることによく似ている気がした。





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