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月1枚の作品を繋いで(前編)

2021年6月 絵を描くのが日課になってきたある日のこと

一度、本気で作品を描いてみたい

そんな思い立ちから、全ては始まりました。

描くなら、季節を表現したい。見かけた綺麗なものたちを、いま好きなものを、もっと上手に描きたい。描けるようになりたい。

それから毎月、その月をテーマにした作品、月毎テーマイラストを描き始めました。

はじめの年は季節の花を
次の年は季節の花と12星座を

それぞれモチーフに掲げて、丸2年。計24枚の作品が完成しました。

今回はそんな作品達を1枚ずつ、前後編に分けて紹介していきます。

作品を描いていく中で工夫したことや頑張ったこと、制作小話も交えつつ書いていくので、作品集としてだけでなく、一人の人間の成長記録としても見ていただけると嬉しいです。

また、後編の最後には今後の展望もお話していきます。ぜひ最後までお付き合いください。


1年目 季節の花との歩み

はじまりの夏


 月毎テーマイラスト開始の3ヶ月。花の写真を見ながら、とにかく一生懸命に描いていた時期です。夏という季節のごとく、熱い気持ちだけで筆を動かしていました。選んだ花のモチーフも、近場で見たもののみを取り上げています。

6月「紫陽花の君は空を見る」

モチーフは紫陽花。
はじめの作品。「本気で作品を描く」それをコンセプトに描き始めた作品です。せっかく描くなら、近所で見かける紫陽花を描きたい、紫陽花のカラーバリエーション全部を描きたい、そんな気持ちで描いていきました。


7月 「青空、下にも太陽」

モチーフはヒマワリ。
ひまわりと青空が描きたくなって描いた作品。イメージとしては夏休みの朝散歩。ひまわりと言うと8月なイメージもあったのですが、花屋さんで扱っていたのを見たのと、7月からも咲く事を知ってモチーフに選びました。


8月 「夏祭の前、ユウガオを見かけて」

モチーフはユウガオ。
イメージとしては、夏祭に向かう途中、気分が上がってユウガオに話しかけちゃう感じ。ちょうど実家でユウガオが咲いていて、なんとも上品だったので描きました。8月は夕暮れ時が意外と涼しいので、その空気感を表現するのも目指しました。


秋との出会い

 夏の3枚を描いてきて、「月毎の季節感を出すにはどうすれば…?」と悩んでいた頃です。秋に咲く花もけっこう多く、モチーフ選びに悩んでいたりもしました笑。この時期から近所で見かけた花だけでなく、ネット上で調べた花たちもモチーフにしています。


9月「キンモクセイに身を委ねて」

モチーフはキンモクセイ。
秋が来た、その感じを表現してみた作品。個人的にはキンモクセイの香りから秋を感じるので、あの独特な香りを絵で描くには、、、と色々考えていた記憶があります。


10月「秋桜をお供にひと息」

モチーフはコスモス。
秋の花の代表格といえば…でコスモスを選んでいます。また、可愛いガールばっかりじゃなくて、かっこいいおじさまも描いてみない?となぜか思い立って描いた作品でもあります。コスモスの咲いている公園でのんびりしてみたい…そんなことを考えながら筆を動かしていました。


11月「リンドウと秋晴れ」

モチーフはリンドウ。
青い花が描きたくなっていたことと、「あなたの悲しみに寄り添う」という優しい花言葉にすごく惹かれて選びました。秋といえば澄み切った青空も特徴的なので、そんな秋空を合わせています。


小話 月ごとの花ってどうやって選んでるの?


 その月に咲く花、見頃を迎える花、そして誕生花などの中から、わりと好みで選んでいます。2年目は12星座と組み合わせていたので、月毎の星座との相性も考えていました。

モチーフを選ぶときは取り憑かれたように検索を繰り返して、あれもいいしこれもいい、と数日間考えて決めることが多いです。

はじめの年は描き始める直前に選ぶことも多く、すごく大変でした。

ただ、あるとき読んだ本の「大事な予定は先に決めておく」という考え方を思い出し、2か月先、3か月先…と徐々にあらかじめ決めておくようにしていきました。

2年目に至ってはざっくり1年分決めてしまって、描くのが近づいてきたら考え直したりして最終決定、、、という感じで描いていきました。


冬の花を見つけて

 冬って花咲くのかな?と、ある種偏見を持っていた自分が打ち砕かれた時期です。もちろん多くはないかもしれないですが、探してみるとどれも可愛らしい花揃いで、秋とは違う意味でモチーフ選びに迷っていました。


12月「あなたとポインセチアに囲まれて」

モチーフはポインセチア。
ポインセチア、花屋さんでよく見かける!と思って描いた作品。クリスマスデート、な感じを目指しました。


1月「水仙と初日の出」

モチーフは水仙。
新年、描き初めも兼ねて描いた作品。新しい年が始まった感じを、白い水仙とともに表現してみています。これを描いて水仙が好きになりました。


2月「パンジーと春を待つ」

モチーフはパンジー。
2月特有の冬のピークなような、春が始まっているような、寒さの中にある春の兆しの表現を目指しました。春っぽさはカラフルなパンジーで、冬っぽさは空気感で表してみています。


春、花に会いに行って

 花に関しては有名どころがいろいろ咲くので、描いててすごく楽しい時期でした。企画自体も5月で一巡なので、一年前の自分と比較ができてきて、特に成長を感じた時期でもあります。また、写真で見たモチーフの花を直接見に行く機会が増えたタイミングでもありました。


3月「チューリップと春風に吹かれて」

モチーフはチューリップ。
花屋さんで見かけたチューリップが可愛かったのでモチーフに(実際に購入もしました)。3月特有の、日差しの暖かさと風の冷たさを目指しました。


4月「桜の絨毯に迎えられて」

モチーフは桜。
桜は満開でももちろん綺麗ですが、個人的には散り際、特に桜の絨毯ができている様がすごく好きなので、その様子を描いてみました。こちらは描く前にお花見に行って、観察をしたり、資料写真を撮ったりしています。


5月「ネモフィラと5月の木陰」

モチーフはネモフィラ。
いつかきちんと描いてみたい花だったのと、5月の風の爽やかさを表現するにはぴったりだったので、一巡目の締め括りに選びました。こちらも実物をよく見てから制作しています。


1年目を振り返ってみて


 そんなわけで、はじめの年。2021→2022に描いた12枚の月毎テーマイラストを振り返っていきました。12枚揃うとより季節感が出てくる気がします。

 1年かけて花のイラストを描いていくのは大変なことも多かったのですが、1枚完成するごとに自分が成長していく感覚もあり、どんどん楽しくなっていく感じがしました。

 1枚の花を描くのに、いくつも写真を見る必要があったり、実物を観察することで理解度が深まるのも良い経験になりました。絵を描く人で一度は聞いたことがあるであろう「資料は大事」という言葉がどんどん説得力を増していきましたね。
 イラストの制作きっかけで外出したり、花の名所を調べたりと、、、徐々に資料集めを兼ねて出かけるようにもなりました。

 そして、一回り成長した私が次に考えたのが、季節の花と12星座をかけ合わせた作品の制作

 後編は2年目、2022→2023に描いた月毎テーマイラストを紹介していきます。


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