月1枚のイラストを繋いで（後編）
2年目 星と季節を繋げて
1年間、月毎に季節の花をモチーフに取り上げて12枚のイラストを描きあげた私。
ちょうど一巡してきたところで、はたと気づきます。「星月イルカってペンネームなのに、花ばっかり描いてない？」と
ペンネーム自体、元々私が好きだった星と月、そしてイルカを合わせてできたもの。ちょくちょく星モチーフは描いてましたが、毎月描いてきた花と比べると、やや描き慣れない感じもしてきていました。
この企画自体「もっと絵が上手になりたい！」という気持ちが源泉にあるので、星モチーフも取り入れていくことに。
毎月描く、星、と考えた所で浮かんだのが12星座。1年間描けばちょうど12種類です。
ただ、しっかり調べていくと12星座の切り替わりは月末。同じ月に2つの星座があることに気づきました。単に12星座1つに絞るのもいいですが、月後半生まれの人が見たときに自分の誕生月に自分の星座がないのはちょっと寂しいかな？とも思ったので
サブモチーフとして月後半の星座も載せていくことにしました。
夏、星と花の間で息を上げて
はじまりの夏。初めて2つ以上のモチーフを扱って、内心かなり戸惑っていた時期です。大好きな星と花を同時に描ける喜びと、一枚に詰め込まなければいけない情報の多さに脳がショートしかけていた記憶があります笑。
6月「ふたご星のハイドランジア」
モチーフは紫陽花、ふたご座とかに座。
2巡目のスタート。6月といえばやはり紫陽花、と思って選びました。今まで1人の人物だけを描くことが多かったので、2人を描くのに緊張した気がします。
ただ、カラーバリエーション豊かな紫陽花と、ふたご座の相性が意外に良くて、デザインしてて楽しかった作品でもあります。
7月「巨蟹宮のアサガオ姫」
モチーフはアサガオ、かに座としし座。
7月に咲く花の中で、今回はアサガオをセレクト。アサガオから連想を膨らませて、和の雰囲気を目指した作品です。7月の空気感を日差しの眩しさで表現しています。
企画を始めてすぐの2枚目で、和装(市女笠姿)含めて色々挑戦しすぎて、大変だった記憶も強い作品です。
8月「しし星のサンフラワー」
モチーフはひまわり、しし座とおとめ座。
獅子とひまわりって、形がなんだか似てるなぁと思って花を選んでいます。8月というと夏が終わっていく時期でもあるので、夕暮れ時の涼しい風が吹いている様子を描いています。この月から、キャッチコピーのようなものをつけています。
秋、風に季節を乗せて
モチーフの多さにも慣れてきて、もっと空気感を出したい、と思い始めた時期です。夏までは花モチーフは一つまで、と無自覚に縛りを作っていたのですが、視野を広げて、紅葉やイチョウなど、メインモチーフ以外にも植物を描いています。より良い絵の魅せ方を知るべく、ここで構図の勉強もしています。
9月「キンモクセイのスピカ」
モチーフはキンモクセイ、おとめ座とてんびん座。
秋の到来を表現したいと思って描いた作品。一巡目でもキンモクセイは取り上げましたが、やはり秋を告げるにはこの花だろう、ということで選んでいます。木陰で星座が光っているのが個人的には気に入っています。
10月「ダリアを天秤にかけて」
モチーフはダリア、てんびん座と蠍座。
ダリア、前の年に「綺麗だけど描くの難しいかな」と思って扱わなかったモチーフです。ただ、てんびん座と組み合わせたことで更に悩む原因に笑。色々考えた結果、ダリアの美しさを比べてる様子を描いてみました。そのままだと秋らしさが薄かったので、紅葉も描いています。
11月「蠍座ガールとフラワーリング・ケール」
モチーフは葉牡丹、蠍座といて座。
蠍座、、、なんか紫色のイメージあるかも、と思った所から連想して、紫色が綺麗な葉牡丹を選んでいます。10月同様、メインの花だけだと季節感が分かりづらかったので、イチョウの葉にも出てもらいました。
冬、花に雪遊びを混ぜて
夏のパニックはどこへやら、企画も折り返しに入り、多くのモチーフを扱うのが日常になってきた時期です。だいぶモチーフを使って遊んでいます笑。3作連続で雪が登場していたり、共通性が一番強いかもしれません。
12月「サジタリウスとノーチェ・ブエナの星」
モチーフはポインセチア、いて座とやぎ座。
今年もポインセチア描きたい！と思って選びました。真っ赤なポインセチアはクリスマス感が出るので、クリスマスイラストのつもりで描いています。
ちなみに、空をトナカイのように駆けているのはヤギさんです。
1月「磨羯宮にも梅花来たる」
モチーフは梅、やぎ座とみずがめ座。
華やかな新年イラストにしたいと思い、梅をセレクト。あえて雪を舞わせず、年明け独特な静寂、澄んだ空気感を目指しました。構図などの関係で星座を描く場所がなかったので、着物の柄にやぎ座を忍ばせてあります。
2月「アクエリアス・スノードロップス」
モチーフはスノードロップ、みずがめ座とうお座。
前の年に描かなかった花の中からスノードロップを選んでいます。2月ということで、寒さの極まりと春の兆しを同時に表現することを目指しました。
たまにはメンズを描きたいな、と思ったのであえて主役は少年に(みずがめ座は神話だと美少年らしいので、原典に倣った形になるのかも、、、？)。
春、花吹雪の中で光を受けて
企画も終盤。とにかく春らしく、華やかな作品にしていこう！と取り組んでいた時期です。花びらが舞っている様子や木漏れ日など、メインの花そのものよりも他のモチーフの方をよく描いているかもしれません。
3月「菜の花を泳ぐピスケス」
モチーフは菜の花、うお座とおひつじ座。
春の始まりらしい、黄色を見て菜の花を選んでいます。まだ寒いけど、どんどん春らしくなっていく、勢いよく季節を変えていく春風をイメージしています。
この月だけ星座シンボルをアクセサリーにつけず、うお座姉弟それぞれ片方の瞳に描いています。二人で一人のうお座。
4月「アリエスとチューリップの春浴び」
モチーフはチューリップ、おひつじ座とおうし座。
昨年行ったお花見で、このイラストに近い景色を見たことから描いています。描きたい景色が先に決まっていたパターンですね。その分おひつじ座ちゃんのデザインが決まらず、何枚か描き直していたりしました。
5月「藤影にきらめくアルデバラン」
モチーフは藤、おうし座とふたご座。
企画の最後ということで花の選択に迷った結果、chatGPTにも相談しています。その中から描いたことがないモチーフだった藤を選びました(AIにも忠告されましたが、綺麗だけど描くのが難しい花でした…)。
5月の日差しが藤の花に反射している様子をイメージしています。またこれまでの作品を見返して、もう1作メンズを描きたくなったので、おうし座は青年にしました。
星と花の季節を振り返る
そんなわけで、2年目のイラストも振り返ってきました。12星座と季節の花、大好きなモチーフ同士を掛け合わせて作品を作っていくのは単純に楽しかったです。
ただ、常に自分の画力や表現力の限界に挑むような過程でもあったので、そこは大変でした。
でもその中で、例えば構図についての勉強をしてみたり、ほかの作家さんの作品を見に行って「こんな表現もありなのか！」なんて知ったり、自分に足りない所を少しずつ補っていく、1枚描くごとに成長していく1年でもあったんじゃないかと思います。
次の季節に向かって
1年目は季節の花を
2年目は季節の花×12星座を
それじゃあ3年目は・・・となりますよね？
結論から言うと3年目は「12星座を2つずつモチーフに」「物語性、つながりのある」月毎テーマイラストを描きます。
2年目は6月のメイン星座はふたご座みたいな形で、月の大半を占める星座をメインにして、月後半はサブで…と描いてきました。ただ「月後半生まれの人からすると、後半の星座がメインなのでは…？」という思いもだんだん強くなってきました。
なので、引き続き12星座には登場してもらい、今度はダブル主役でいきます！（その分大変そう…！！）
その分お花はメイン枠からは外れてしまいますが、季節を表現するために今後も描いていく予定です。
そして、「物語性、つながりのある」について。
具体的に言うと、6月に登場した物が、少し形を変えて7月にも登場したり、、、といった感じで
1枚の作品としてだけでなく、並べてみた時により楽しめる、そんな作品にしていきます。
描きあがってきた24枚を見返していく中で、ひとつ思い出したことがあります。
それは幼稚園時代に好きだった本のシリーズのこと。毎月発行されていて、中には季節の植物のことや、行事が紹介されていた本。
中でも印象的だったのは、表紙の絵が毎月つながるようになっていたこと。内容そのもの、というよりは表紙の絵がつながること自体がすごく楽しかった記憶がありました。
大人になって、好きなことを全力で取り組んだ先に見えたのが、幼き日の感動でした。
そんな幼き日の感動を、今度は自分の手で創っていきます。
またこれからの1年、季節を楽しみながら全力で作品づくりをしていきますので、応援よろしくお願いします。
よければサポート、お願いします！いただいた応援でペンタブの芯を買ったり、更に良い作品でお返しします。