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イニシエーション・ラブ【恋愛ムズ!!】

マジか~。
全部読み終わって、思わず声にだして言ってました。

「必ず二回読みたくなる」という宣伝文句はよくありますが、まさにこういうことかと、感じざるを得ない1冊をご紹介します!
※ネタバレ無


○著者

乾 くるみ(小説家・推理作家)

○ジャンル

恋愛ミステリー小説

○あらすじ

人数合わせで呼ばれた合コン。
夏の海のドライブ。
遠距離恋愛。
1980年代が舞台のほろ苦、甘酸っぱい恋愛小説……

○感想

・ストレートな、ほろ苦、甘酸っぱい恋愛小説…と読んでも充分面白い。

・今では当たり前のSNSはもちろん無くて、携帯電話すら普及しておらず、固定電話や公衆電話、カードで連絡をとっていた1980年代。
この時代ならではの恋愛や、今とは変わらない恋愛が折り重なる。

・当時のテレビ番組や社会情勢も豊富に出てきており、当時を生きていた人にとっては更に楽しめるのではないか。

・正直、巻末の解説のラストだけではあまりピンと来ておらず、解説ブログを読んで驚愕した。

・帯でも「ラスト2行で驚愕的!」なことが書いてあったので、多少は意識して読み進めていたつもりだったが、あくまでも「つもり」だったようだ。

 小説を読む時に読者は、描かれていないところ、曖昧なところを、それまでのストーリーの流れやキャラクターのイメージなどを手がかりに想像して補おうとする。
 その想像も読書の醍醐味の1つであるが、そこつけ込むのがミステリー。読者の想像力を嘲笑うかのように、そっとミスリードを散りばめてくる。
 そして、読者が気づいた時には時すでに遅し。その本を読んできた時間や感情、物語への想像や期待など、読者の脳内や精神に刻まれていた世界で、容赦なく天変地異を起こす。

・↑↑カッコよく書いてみたが、要はミスリードに引っ掛かりまくって、著者の手のひらで転がされまくっていた。

・自分の読みの甘さや鈍さを痛感したが、完璧に全て読み解いてやろうと緊張しっぱなしで読むよりも、「あーそこにはそう言う意味があったのかー」とか、「やられたわー」と言った感じで、引っかかる楽しさもあると思う。
(ミスリードを全然見抜けなかった言い訳)

・ミステリーというと、刑事物、事件、謎解きが真っ先に思い浮かぶが、まさか恋愛小説とも組み合わさることが可能とは。

・構成は言わずもがなだが、ストーリーも楽しめた。

・全部読んだ人はぜひ、解説ブログを読んで答え合わせをしていただきたい。(検索するといくつも出てきます。絶対に先にみてはダメ!!

・2015年に映画化もされているので、こちらも見てみたい。どうやら原作と結末も違うらしい。
(どうやって映像化したんだろうか…)

以上です!
読み解きにかかるのも良し、恋愛小説として味わい、どんでん返しを真正面から受け止めるのも良し。
面白いので気になった方はぜひ読んでみてください。


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