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【番外編】音声は焚き火のようなものである/spaces対談を振り返る

皆様、如何お過ごしでしょうか?

相変わらず梅雨空が続いておりますが、皆様はどの様な書籍をお手に取っておりますでしょうか?

2021年も7月中旬に差し掛かり、日々過ぎ去るのが本当に早いと思います。今に集中しようと毎日思いますが、思考がブレてしまうこともあり、先のスケジュールが気になってしまう事もございます。

次女は5歳ですが、ようやく昨日と本日を自ら境界線を引き、自らの力への意志で区切ることをし始めている時期の様にも見受けられます。
ただ時々、昨日と今日の境目を設けずに没頭没入した事を一生懸命教えてくれる事がございますが、激流に流される事なく踏ん張るとはこういうことなのか?とヒントを得たように思います💡

今回は番外編でございますが、先日、7月7日、七夕の日にTwitterspacesを活用してstand.fmで繋がって頂いている方と対談をさせて頂きました。

私はspacesの活用方法は今回で8回立ち上げておりますが、まだどの様に活用すれば学びに転化できるのか?と考えておりましたが、イマイチ自分の納得するところへ着地出来ておらず、試行錯誤をしておりました。
今回はインドネシ、ジョグジャカルタ特別州から日々、stand.fmで音声発信をされていらっしゃいます、高野洋一さんと対談をセッティングしてみました。

普段、活動しておりますstand.fmの外の世界での活動と成りましたが、stand.fm界隈の方にもたくさんお立ち寄り頂き、1時間の対談をさせて頂く事ができました💡

対談の内容は、stand.fmで収録をしましたので、音量調節、速度調節などして頂ければ何とか聴いて頂ける音源の確保が出来たと思いましたので、先日、全体公開をさせて頂いておりました。

宜しければ、ご視聴頂ければ嬉しく思います。
【第541回】子育て×読書/高野洋一さん@spaces対談

【対談内容】
◯前半35分:対談

・インドネシアのコロナウィルスの感染状況
・インドネシアの歴史(植民地支配~現在まで)
・独立/アイデンティティとは?
・インドネシアの宗教について
・インドネシアの自然について(ウォレス線)
・高野さんのYou Tube、食レポについて
・スカルノ、スハルトについて
他・・・
◯後半25分:談笑
stand.fmとTwitterで繋がって頂いている方々に入って頂きました

◯均質、同質、同調について
今回の対談で少しお話させて頂きましたが、先日、私が配信した第536回目の「働くひとのためのキャリアデザイン」の配信で高野さんからコメントを頂戴しておりました。

これは私が7月4日という日の配信でしたので、アメリカ独立記念日に触れて、分断、分裂、独立、格差などのキーワードを並べてお伝えをしたところ、高野さんからのコメントをお寄せ頂きました。

コメントご紹介させて頂きます~

「インドネシアでは350年にも及ぶ、オランダの植民地支配、数年の日本の軍事政権を経て独立ということもあって、独立は敏感なキーワードです。独立と言っても、各地の抵抗勢力が最終的にまとまって独立にもっていこうということでインドネシア各地で分断を抱え込んでいるのは周知の事実。
独立、戦時を知らない世代が大半を占める様になったインドネシアで若い世代は日本の様に均質化が進むのか、アイデンティティを再びあらわにしてインドネシアを分断して壊すのか注目されます。」

個人的にはとても考えさせられるコメントでございましたが、分断分裂という分けるという行為は冒頭の娘の話で恐縮ですがある種、人間が恣意的に意志を入れて行っている様にも思えて参りました。

分けなくても成立するものを敢えて境界線を引いて区別すること、今まで見えて来なかった側面を表出する事に成ると思います。
一方で線引きをした事で、そこに人間特有の欲望執着が渦巻いて来るように感じます。

また何処かを切断するという事は何処かが繋がったという考え方も出来る様な気が致しますが、切断接続を遥か昔から日々続けて来たのが現代という時代なのだと思います。

お寄せ頂いたコメントから、ルーマニア出身の社会学者でセルジュ・モスコヴィッシを想起させられました。

◯人が何に対して妬みを抱くのか?
実は・・・アリストテレスは2,000年以上も前に「弁論術」の中で次のように語っております。

「妬みを抱くのは、自分と同じか、同じだと思える人々である。ここで同じ人というのは、家系や血縁関係や年配、人柄、世評、財産などの面で同じような人のことである。」
■アリストテレス/Wikipedia参照

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これは本質的だと思いますが、 同質性が高いからこそ・・・妬み嫉み偏見ルサンチマンが醸成されやすいということだと思います。
江戸時代の日本の事例で恐縮ですが・・・士農工商のように身分制度があった時代には社会的な身分の違いは出生によって決まっていたわけですね。
このような社会では、社会の下位層に属している個人は上位層にいるそれとの比較を免れるため、羨望劣等感も感じることがありません。

それは「比較する」する必要がないからですね。

しかしながら、こうした出生による身分制度が撤廃されたことにより、表向きは機会は均等にある為に、あらゆる人との比較ができるようになりました。
その帰結は、似たような能力があるのに私がそのような立場になれないのはおかしいという「公平性が阻害されている」という感覚に結びつくようになります。
こうして、差別がより強調されるようになっていくのです。

余談ではございますが、アリストテレス弁論術の中で「羨望」 に対して
次の様に語っております。

「他者の幸運によって引き起こされる痛みである」

一方で「シャーデンフロイデ」という言葉もございます。
ドイツ語の「シャーデンフロイデ」他者の失敗に対して幸福を感じることを表す言葉ですね。

「自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情」

個人的にはここに思考のリソースを割くことが誠にもったいないと感じてしまいます。別のもっとより良いポジティブなことに思考を置いた方が引力に引っ張られずに心穏やかに朗らかに過ごせるよな気がしております。

さらに・・・アリストテレス「嫉妬心」「競争心」についても次の様に語っております。

競争心は道徳的にも優れたものであり、優れた人々に見られる感情なのである。妬むという嫉妬心は低俗な人々に見られることである・・・。

ルーマニア出身の社会心理学者セルジュ・モスコヴィッシは次のように指摘しています。
■セルジュ・モスコヴィッシ

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「人種差別は逆に同質性の問題だとわかる。私と深い共通性を持った者、私と同意すべきであり、私と信条を分け合うはずの者との間に見いだされる不和は、たとえ小さくとも耐えられない。その不一致は実際の度合いよりもずっと深刻なものとして現れる。差異を誇張し、私は裏切られたと感じ、激しい反発を起こす。」と語っております。

ここで述べられているのは、「大きな格差」「差別」が問題なのでは無くて、寧ろ、同質性を前提とされている社会や組織における「小さな格差」こそが大きなストレスを生み出しているとも捉えられそうです。
仮に社会や組織が公正で公平であれば、その中で下層に位置づけられてる人たちには、逃げ場が無くなるということです。序列の基準が明確ではない、或いは基準は正当であっても評価が正当ではないと信じる事で我々は自らの劣等性を否定できると思います。

そもそも人間ははじめから「公平・公正」を望んでいるのか?そんな社会が本当に理想的なのか?と考えたくもなります。

不当な環境によって才能が埋もれてしまっているケースも多々あると感じています。すべての人が前向きでそんな逆境にも屈せずにエネルギーを発揮できるわけではないことも理解しております。真に公平な評価や環境とはどのようなものなのか?引き続き日々の読書体験で向き直りたいお題だと思いました。

他に、セルジュ・モスコヴィッシは社会集団や組織・団体においては必ずしもマジョリティマイノリティを一方的に支配しているとは限らず、逆に少数者が多数者に影響を与えて多数者の意見を変えていく「集団変革のプロセス」の可能性があるという洞察を提出した事でも有名です。

◯音声は焚き火のようなものである
高野さんは大学時代にメディア論を勉強されていたようでございます。
対談の中でとても印象的な言葉を教えて頂きました。

「音声は災害に強く、一番堅牢である」
「音声は焚き火の様なものである」

これは音声配信者、リスナーも含めて非常に刺さる内容だと思い、共有させて頂きました💡音声は人の声であり会ったことは一度も無い人であっても何となく毎日聴いておりますと、そのひととなりを勝手に妄想し、知覚し、組み替えて、表現するという妄想思考のフレームを回さずにはいられません。そして、声を頼りに人々が集まってくる感覚もあり、そこで集まって来た人々が何となく会話を始めて繋がって行くという連鎖が始まる様に思いました✨

【今回の対談のお相手】高野洋一さんのご紹介✨
さて、今回私の無茶振りにも関わらず、対談をお引き受け頂いた、高野さんの番組をご紹介させて頂きます。
stand.fmのプロフィールには下記の様に記載されております!

インドネシア ジョグジャカルタ在住。インドネシア17年目の「インドネシアの中の人」が現地から発信するチャンネルです。

【stand.fmでのご活動】

【Twitterでのご活動】

また、今回の対談では私がうまくspacesで立ち回れないため、ファシリテーターの方にも入って頂きました。
stand.fm界隈ではご存知の方も多いですがLove for ONE showkaさんに入って頂きまして、場を盛り上げて頂きました🌟

【stand.fmでのご活動】

【Twitterのご活動】

お二方、有難うございました🌟
そして・・・お立ち寄り頂きました皆様、有難うございました~💡

◯読書術研究家の日々の活動↓
ここからは・・・毎度の宣伝で恐縮です(汗)

・standfm【子育て×読書体験ラジオ】=配信15ヶ月目に突入💦
2020年4月5日~配信をスタートしており昨日(2021/7/14迄)で547本の音声コンテンツを配信しております。

【Twitter】
日々読書について語ったり、興味のあるツイートを拡散したりなど活用しております。

【REC】
stand.fmと同時期にローンチされたと思われるRECでも音声配信をしております。本日(7/14)までに78個の音声コンテンツを配信しております。
まだRECの世界にある「何か」が分からないので引き続き配信を続けてみようと思います。

【POTOFU】
POTOFUも活動URLをまとめました。宜しければ、お立ち寄りください。

リアルの場でもSNSでも一期一会の出会いを大切にして参りたいと思います。引き続き、お付き合い宜しくお願い致します。
■ブリア=サヴァラン/Wikipedia参照

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どんな書籍を読んでいるか言ってみたまえ!
きみがどんな人か言い当ててみよう~
有難うございました~✨

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