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「幸福」などでは満たされない私たち

つまり自分自身の最大の敵は他人ではなく自分自身ということだ。

自分の中に毒を持て 岡本太郎


これを読んでくれている人の中で、どれくらいの人が人生の“”と呼べる人を持っているだろうか。

大人になって気づいたことの一つは、自分のことを本当に思って叱ってくれる人がいなくなる、ということだった。

だからこそ、私は“”が欲しかった。

自分で自分を厳しく律せられればいいけれど、私は自分に甘いところがあるので、それを外に求めた。

でも、現実の世界で師に出会うのって難しい!

そんな時、やっぱり本が師に出会う窓口になった。

ほんとうに生きるということは、自分で自分を崖から突き落とし、自分自身と闘って、運命をきりひらいていくことなんだ。

太陽の塔、または「芸術は爆発だ!」でお馴染みの、岡本太郎さんの言葉は、とにかく自分と対峙して、挑んで、苦しむことで自分を解放するんだ!という激しくも力強いメッセージに溢れている。

彼が繰り返し述べた“生命感

われわれはこの世になぜ生まれてきて、生きつづけるのか、それ自体を知らない。存在全体、肉体も精神も強烈な混沌である。

生まれてきた理由も意味も、この“”という存在自体も、考えてみればカオスとしか言いようがない。

だけど、だからこそ、その中で生きがいを見つけたり、こう在りたい、こう生きたい、こうしたい、そんな情熱が自分の存在を輝かせ、カオスを切り裂く一本の柱になるんだと思う。

人間にとって成功とはいったいなんだろう。
結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれほど挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。


どれだけ物質的な豊かさを手に入れても、なお満たされない何か。

それに岡本さんは鋭く言及する。

物質的な繁栄とか、「幸福」などというもので人間がみたされるはずはないのだ。人間が生まれてきて、一番痛切に掴みとらなければならない“生命感”というものが、そのために逆に遠ざかり、見失われてしまう。

自分の中にある歪みやどうしようもなく欠落した部分、または過剰な欲求や願望。

そうしたものをじっくり見つめて、挑んで、対決してきなさい。
周りの人間や社会に存在するものさし、そんなものよりもとにかく自分を見つめて妥協なく自分を生きなさい。
そんなことを言ってくれたように気がします。


これからも本を通じて、厳しくて耳の痛くなることを言ってくれる師に出会って行きたいなと思います!


Written By あかり

アラサー女

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