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1/22(月)〜1/24(水)

1/22(月)

雪が降ったので十数年ぶりに雪かきをした。
思えば子供の頃は親や祖母が張り切って雪をかいていたし、大人になってからはほぼ雪の降らない場所で暮らしていたので雪かきをした記憶があまりない。

午前中は喫茶店で書き物をして、午後に家に帰り少し昼寝。
起きたらパートナーの黒豹さんから
「すごい雪!駐車場の雪かきをしてほしい。」
とのメール。
窓から駐車場を覗くとすでに20センチは積もっている。

今夜は豚汁を食べたかったので買い物に行こうと思っていたのに、これでは行けないかもしれない。いや、でも食べたい。豚汁作るって言ったし、これしきの雪で歩けないはずもない。
厳重な防寒対策の末、最寄りのスーパーへ徒歩で行くことにした。帰ってきたら雪をかくことにする。普段通る道はすでに雪で埋もれうっすらとだけ人の足跡が見える。本当にうっすらと。
少しためらうが「このように人の分け入らない道を選び、開拓するのが私の人生に課せられた責務である」と思い、雪をかき分けて歩いた。ムートンブーツの踵の辺りから浸水してくる。この靴が雪で濡れる感覚すら懐かしい。

農道の途中にいつも犬が吠えてくる家がある。
柴犬なのだがとにかく少しでも敷地に近づくとけたたましく吠えるので最初はビクビクしながら歩いていた。
おじいさんが庭で農作業をしているときがあり、そのおじいさんがいるときは犬が吠えると叱ってくれるので良い。今日は犬もおじいさんもいないようだ。すごい雪だから玄関先にでも入れてもらっているのかもしれない。
スーパーに着き、豚汁を作るべく肉売り場に向かったが、豚肉はおろか鶏肉も牛肉も売り切れていた。そんなことある?大雪を恐れた近隣住民が肉を買い占めたのだろうか。まるで台風前の沖縄のスーパーと一緒ではないか。大雪と台風、どちらが恐ろしいだろう。
ひき肉がかろうじて残っていたので予定を大幅に変更し煮込みハンバーグを作ることにした。好きだからいいけど、豚汁食べたかったなー。

肉や野菜をリュックに詰めてスーパーを後にする。
雪が降った日は決してハンドバッグなど持ってはならない。リュックや斜めがけのカバンで、両手をフリーにして歩く。転んだ時に両手をつけないと危ないからだ。雪国で暮らす者の心得である。
雪国と書いてみたけど、よく考えたら日本の半分くらいは雪国なのではないだろうか。山が多いものね。
帰り道、やはりまた行きと同じ農道を通ることにする。自分のつけた足跡すら、降り続けた雪で埋もれつつあった。良い感じだ。易々と歩けはしないけれど、人が全くいないところがいい。
犬の吠える家の前を通り過ぎようとした時、犬が庭の小屋の軒下にいるのが見えた。「犬は喜び庭駆け回り」などと歌われているが、あれは嘘だ。犬はしょぼくれていた。目があったのに吠えもしなかった。おじいさんもいない。誰もいない雪の庭で、犬は自分の境遇を嘆いて吠えの一つも出来ずにいるのだろうか。不憫に思った。がんばれよ。私はがんばらない。

帰宅し、荷物を玄関先に放り投げて30分で駐車場の雪かきを終わらせた。
雪かきの最中、初めて隣の家の人と話した。「すごいですね」と思わず声をかけてしまった。雪がすごい。人と話したくなるくらい降っている。
家に戻ってハンバーグを作る。我が家の炊飯器は早炊きだと30分で炊けるため、私はおかずを30分で作ることにしている。黒豹さんが帰る時間に合わせて炊飯し始め、ご飯の炊きあがりと同時におかずが出来上がるのがとてつもなく快感だ。自分の頭の中で計算した通りに物事が進むのが気持ちよすぎる。人生そうそう思い通りにいかないことの多い中で、料理だけは計画した通りに進めることができるので好きだ。
高速で玉ねぎを刻み、肉をこねながらフライパンを温め、こね上がると同時に熱し終わったフライパンに肉をぶち込む。片面を焼いている間に一緒に煮込むきのこやネギをさっと切る。もう片面を焼いて、きのこなどを入れソースの材料と水を入れ蓋をして煮れば完成だ。この間15分。
残りの15分でスープと付け合せを作り調理器具の洗い物をし、ご飯が炊き上がるのを待つだけ。完璧だ。最高の気分。

黒豹さんが帰ってきたので一緒に食事をし、それぞれで筋トレとストレッチをした。風呂に入ってベビーオイルとヴァセリンのボディクリームで保湿。皮膚が乾燥すると自律神経の失調につながるらしいので冬場はかなり念入りにボディケアをしている。以前Twitterで「ヨーロッパに行って皮膚が乾燥しすぎて自律神経失調症になり、自分はカッパだと思い込んで頭に水をかけるようになった人」がいるという話を読んでから皮膚の乾燥が恐ろしくなった。カッパにならない。カッパにならないという強い意志を持ちたい。

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