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プログラミングと料理

2020年度から小学校でプログラミングが必修化される。私もこの2年間教育委員会の中で、県内外の先生たちに対して、プログラミング教育の普及啓発を続けてきた。私自身も全く未知の分野だった「プログラミング」を自分なりに理解し、国から出た様々な文書などを解釈し、現場にいた経験と、行政の立ち位置から落とし込み、先生たちに伝えてきた。

先生たちは、英語や道徳もやらなければならず、とにかく疲弊しているが、未知のプログラミングに関しては、さらに抵抗感は大きかった。そんな中、どうすれば主体的に、意欲的に、前向きになってもらえるかを考えた時、「楽しい」という経験しかない、と感じていた。先生たちにとにかく思いっきり楽しんでもらって、モチベーションを上げてもらうことでハードルを下げ、興味を持ってもらうことが最善の策だと思っている。

私の趣味の一つは「料理」だ、休日や時間のある時、お客さんが来た時はだいたい料理をずっと作っている。私の料理は直感的で、思いついたままどんどん作って、あっという間に完成する。作り始める前になんとなく出来上がりの絵があって、どの皿に盛り付けるのかも決まっている。あとは複数の料理を順序よく、手際よく作っていき、なるべく同時に完成するように時間配分していく。美味しいものを食べたい、という強い欲求のためだけに、一生懸命頑張る。

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料理を作っていて、「これってプログラミング的思考?」と思うことがよくある。

文科省によると、プログラミング的思考は

「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」

となっている。もちろん記号ではないけど、段取り力や、完成イメージを持つことは大いに必要で、無意識にやっている。生活の中で思考を鍛える場面はあちこちにあり、きっと無意識にやっているはずだ。それは大人も子どもも同じ。

では、学校教育の中でどこに重点を置くか、それはやっぱりパソコンやタブレットなどの情報端末をさらっと使う、ということではないか、単に思考を鍛えるのは学校教育じゃなくてもできる。集団の中で、学習の過程で普通に使う、その中で必要であればプログラミングの知識やスキルも課題解決のために利用する。それはネットを利用することや、SNSを使うこと、プレゼンテーションをすることと同じで、プログラミングもリテラシーの一つとして身につけていくようにすればいいんではないだろうか。そうなると単に体験することや、デモ的にやるだけではなく、目標達成の手段として使えるようなプログラミングがいいな、と思う。

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