無償の愛のおもてなし
2023年の年の暮れ。
わたしたちは、10人ほどでわらわらと目指す店に向かっていた。
コロナが5類になって初めての忘年会シーズン。水道橋駅周辺は混んでいる。
一行は店に着く前からどことなく浮かれていて、だれも本気で地図アプリを見ていない。
飲食店ばかり入るビルが軒を連ねる界隈で、目当ての店の周辺に着いたことがわかった。
さて、どのビルだ?
おとな10人が一斉にきょろきょろし始める。
この会のリーダーが、そばにいた若い男性に声をかけた。
「このお店知ってます?」
男性はキャッ