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「お礼です。」で喜ばすおもてなし

予約がとりにくい人気のお店に行くと、時折席に着くなり告げられるのが
「お時間2時間でお願いいたします」
いや、まだ始まってもいないし。
と思わなくもないが、そこはあちらもご商売ですし2時間あれば、だいたい近況ぐらいはいいところ語り合えるし、なんなら2軒目に場所を変えるのも楽しいからいいのだけれど。

そんな人気のお店で、イマドキのおもてなしに遭遇した。
一つ目はこれ。
そこは肉巻きが看板メニューで、「百聞は一見にしかず」とばかりにその日のオススメを並べたサンプルをもってきてくれる。
しかもこれをそのまましばらく、かたわらに置いておいてくれるのだ。
あっちからこっちからシャッター切り放題である。
誰もが嬉々として撮りまくっている。
わたしはいつだって、「The first takeの女」なので、一回押したらおしまいだが。

肉巻きのサンプル。「全部ください!」と言いたくなる。

ふたつめのおもてなしは、ラストオーダー時にやってきた。
「そろそろお時間ですので・・・」
と決まり文句の後、
「お時間通りにお会計してくださったお礼です」
と言って、バゲットにバニラアイスを詰め込んだプチデザートを出してくれた。
2時間制は、体よく追い出されるわけだけど、それに応じた「お礼です。」と言われるとなぜだか突然に印象がプラスに大きく変わる。
「こちら、サービスです」
といってデザートを出されるのと、ちょっとセリフを変えただけなのに気持ちは大違いである。

お店を出たところでお見送りの方がプチプレを選ばせてくれる

ほんと「ものは言いよう」だよね。と感心しながら出口からの階段を上った。

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