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ジェンダー観が育まれる背景

 我が家で生活を共にする長男が、なんとなくジェンダー観を抱きつつあり、どんな過程を経て得たのだろうかと考えています。

 今回扱ってるジェンダー観は、男女の二つだけに限らない広範な意味で使っており、LGBTなんて表現をあえてしています。理由として、性別は誰も選んで生まれて来れるわけでもないのに、その二つだけに限定して話をするのは乱暴な気がするって理由で、それ以外に何があるわけではありません。

 それと同時に、我が家で生活を共にする子どもたちが抱くジェンダー観も男女って二つだけに縛ろうとすれば、結果的に彼らの生き方や他人に対する接し方も、伝え方によっては限定するきっかけになってしまうのではないか、と考えるから。

 いろんな人がいて、いろんな感情があって、それを尊重しフラットに接するためには、まず、どんな事柄であろうと一度受け止める必要があるのを、ぼく自身が実感値として抱いているってのも大きな理由になります。


 ぼくがまだ子どもだった30年ほど前から20年ほど前、つまり1990年から2000年までの間に、LGBTなんて単語を聞く機会はありませんでした。もちろん、性別としては男性だけど女っぽい人とか、逆に性別は女性だけど猛々しい人がいるのは理解していたし、"男らしさ"や"女らしさ"を意識する機会は少なからず周りの大人たちに言われて意識していたぐらいだったので、決して多くの機会に恵まれていたわけではありません。

 それが2000年以降でTV番組内での扱われ方が変わってきた印象で、徐々にLGBTでいえばGの方々を中心にバラエティ番組などで目にする機会が増えてきて、ぼくも「自分とは異なるジェンダー観」を持つ人たちが"存在し、自分と同じように生活している"のだと知る機会が増え、受け止められるようになってきたように思います。

 2010年代入り2020年も目前に控え、すっかりLGBTなんて"言葉"も市民権を得ている印象になっています。とは言え、旧来的な父性や母性を大切に考えてきた"性別で縛らないと気が済まない"人たちは一定数、存在するのも事実で、きっとなくならないのだと思いますが、そんな人たちがいるのも多様性の一つなのだと考えたら「共存している」といっても過言ではない世の中になってきているのかもしれません。

 我が家の長男は、自分を「ちゃん」と呼称されるのを「女っぽいから」と嫌い始めました。言われたからといって、露骨なまでに態度を急変させはしませんが、言われてしばらく経ってから自宅などのプライベートな空間になると、言われた際の感情を吐露するのは決して我が家にとっては珍しい機会ではありません。

 現状、彼の中で「男っぽさ」が重要で、それは呼称として「くん」だったり、「呼び捨て」だったりするのを皮切りに、一面的ではありますが「正義の心」を持つ行動を自身に課すのを指すようです。

 それを無理矢理にでも認識を広げようとは思っていませんが、例えば「ちゃん付けをされてイヤなんだよなぁ」なんて話をしてくる際に、まずは彼の感情を受け止めつつ、相手がどんな気持ちなのかを共に考える機会にしていて、彼の中では納得できないようですが、渋々と「そんなものなのだろうか」なんて具合に受け止めてくれてるようにも思います。

 さて、そんな彼の「男っぽさ」「女っぽさ」の前提が、ぼくや妻をはじめとした(体格的な意味での)大人たちを見てきたのも一つでしょうし、仮面ライダーや戦隊モノを始めとした映像コンテンツを見ている中で、端々に表現されるジェンダー観を受け入れている結果だろうとは思っていて、それらをすんなりと受け止めているからこそ、上のような自らの抱く「男性像」に合致しない接し方をされた際には拒絶したくなるような感情を抱くのだろうな、と。

 ただ、彼が触れるようなコンテンツに"多様性"が多分に含まれるものは決して多くはありません。そして、コンテンツ以外の生活においても、ぼくや妻の責任かもしれませんが、多様な価値観を持つ人たちとの接点が持てていないのが現実です。

 現状、ぼくが観察する彼の中のジェンダー観は「男」と「女」の二つしかなく、自分は肉体的な性別が「男」だから「男らしさ」を追求しなければならないのだ、と自らを縛っている可能性も否定できません。

 となれば、今後の対応方法として考えなければならないのは、多様的な価値観へ"徐々に"触れる機会を設け、認識の土壌を広げて耕していくような時間を、ぼくや妻をはじめとした大人たちがどう企画し、実施していくのかになるのだろうな、ってのが、彼と生活をする上でやっていかなきゃなぁなんて考えてる課題です。

 あとは、それをどうやって乗り越えていくのかって感じですかね。

ぼく:遠藤 涼介/Endo-san (@ryosuke_endo

#スポみら (元 #スポーツの未来に僕たちができること )オーガナイザー。 第一弾、新潟経営大学イベントの資金調達を目的に行ったクラウドファンディングは3サイトで募集し、すべて目標達成(総合達成率140%)#新潟 を #前向きな空気の溢れるエリア にすべく活動中。


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