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メタバースなのかメタヴァースなのか知らんけど

 どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

 インターネット上に構築された三次元の仮想空間のことを、meta(高次元、超越)とuniverse(宇宙、世界)を合わせたてメタバースとかいいますよね。メタヴァースなのかもしれませんが、正直、どっちでもいい。

 過去にもnoteで書いたのですが、2020年ごろから言われるようになったから最近の造語なのかと誤解をされている方もいらっしゃるでしょうが、1992年にニール・スティーブンセンが書いた小説「スノウ・クラッシュ」で登場したのが初めてだったとされています。

 ちなみに、過去(2021年)に書いた以下の記事では、メタバースに向けてずいぶんと否定的な立場を取っています。ちょうど時期的にはFacebookが社名をMetaに変更し、そっち方向に舵を切っていくぜって頃でした。あれからもう少しで3年が経過しますが、名前を変えるだけの何かをやっているのかといえば、日本国内で著名人を利用した詐欺広告のあーだこーだやってる始末…。どうなるんでしょうね!

 で、最近、メタバースはインターネッツの中で検索されてんのかなって思い、過去5年間で調べてみたんですよ。そしたら…

Google Trends

 ずいぶん下火じゃん。

 最も検索ボリュームがあったのは2022年1月ってことですし、2年が経過した今となっては好きな人たちが使ってるツールぐらいな認識な気がします。

 そんな斜に構えているぼくの目に、博報堂が「メタバース生活者定点調査2023」を公表してくれたので当然のことながら覗いた次第です。

 今回は、メタバースなのかメタヴァースなのか知りませんが、三次元仮想空間について過去の記事で否定的な立場を取っていたところから認識が変わっているのかどうか、考えてみます。

博報堂「メタバース生活者定点調査2023」

 概要というか、レポート内に記載されていることを紹介する程度ですが、ざっと以下のようなものでした。

 メタバース関連サービスの認知率は40.5%で前年比4.3ポイント上昇、利用経験は8.4%とほぼ横ばい。つまり、メタバースへの認知は高まってい流ものの利用の拡大は限定的


博報堂「メタバース生活者定点調査2023」より

 利用している人たちの深掘りをしてみると、メタバースの利用者層は多様化していて、テレビゲームだけでなく、ゴルフ、ランニング、フィットネスなど様々な趣味を持つ人が利用してる結果に。

 また、性格的にもコミュニケーション能力が高い層が多そうだって結果となっていますが、根本的にはゲーム利用の人たちが多数派っていう従来からの構造は変わらず

博報堂「メタバース生活者定点調査2023」より

 メタバースを利用した人たちの16.5%が「興味領域が広がった」と回答しているため、メタバースが新たな体験のきっかけになっていることを強調されていましたが、仔細がわからないので何ともいえません。

博報堂「メタバース生活者定点調査2023」より

 オンライン上の三次元仮想空間ですからコミュニケーションに物理的な制限がなくなりますので、メタバース内ではコミュニケーションも活発に行われているようですが、これも別に真新しい結果ではありません。

博報堂「メタバース生活者定点調査2023」より

 次は重要ですね。お金の話。

 メタバース関連サービスを利用した人の年間平均課金額は71,230円。ゲーム体験や買い物体験の課金額は減少しているものの、旅行やスポーツ観戦、アバター購入などは増加しており、ゲーム以外の体験にお金を払う人が増えていることがわかります。

博報堂「メタバース生活者定点調査2023」より

 課金をする人たちの主な目的は、無料で利用できるサービスへの感謝や貢献の意思表示とのことで、これはもうコアな人たちですね。フリーライドをしたいぼくみたいな人間は抱かない考え方です。
 一方で、利用者の49.6%はメタバース関連サービスを通じてお金やポイントを稼ぎたいと考えており、その割合は利用頻度が高いほど高くなる傾向にあります。

博報堂「メタバース生活者定点調査2023」より
博報堂「メタバース生活者定点調査2023」より

メタバースを利活用できる場面や可能性

 上のレポート内容から分かるように、現状はコアなゲームファンや没頭することで存分に楽しめるエンターテインメントに没頭したいけど物理的な制限など、各種の障害を乗り越えるのではなく代替手段として利用している人たちが多数派だといえます。

 コミュニケーションが活発に行われていることを踏まえると、徐々にイキリ散らかした人たちがライトな人たちが参入してくることで、古参な人たちが肩身の狭い思いをするような世界線も想像できてしまいました。

 オンラインでの活動となりますから、交流やコミュニケーションが物理的な距離の制約を受けることなく成立する点は活用されるに値するものでしょうし、不登校や障がいの有無によって物理的な制約がある人たちには有効な社会的ツールとして機能することが期待できます。

 世界的な秘境やおいそれと訪問することができない土地への観光など、ドローンなどを飛ばして撮影したもので楽しむこともできるので、そういった利用のされ方から課金者の利用金額が増えていることにも納得感があります。

 今後、遠隔医療やメンタルヘルスケアのために利用する場面も増えてくるでしょうし、医療従事者のみなさんは手術のシミュレーションや見学なども物理的な制約をすっ飛ばして可能となりますから、医療技術の進歩に貢献できるはず。

 物理的な制約を取り払えるといった点において、メタバースを利用することはインターネットの登場でいつでもどこからでも連絡を取れるようになったの発展してきていると言えるのかもしれません。

当面エンターテインメント以外では難しいのでは

 でも、結局はそこまでの話で、我々のような一般消費者が享受できる点としてはそれほど魅力を感じられるものかというと甚だ疑問です。

 AppleがVision Proを発表し話題となっていますが、これで仕事をすることは決して楽ではないでしょう。このグラス上にキーボードがあるからといっても、結局は物理的なキーボードのほうが速いし、マウスやトラックボールでの操作のがストレスがありません。

 そもそもメタバース上で仕事をすることの意義ってなんですか。ZoomとかMeetじゃダメなんですか。それにしたって、常時接続しておくことってストレスじゃないですか。監視される中で仕事をするって、課される側からすると大きな心理的な負担でしかありません。

 こうなってくるとビジネスユースできる世界線が到達するのはまだまだ先どころか、訪れるのかどうかも微妙な気がします。

 ただ「没頭したい」と思えるエンターテインメントで利用する分には存分に有効でしょう。映画のスクリーンを独り占めできることを想像すると、もう、最高じゃないですか。自宅で映画部屋をつくることは費用も実現可能性も含めて決して容易ではありませんが、このVision Proなどのデバイスを利用することで可能になる可能性は高くなります。

 でも、いくら秘境にいくことが難しくて映像で再現したところで、実際に行くことによって得られる体験とは雲泥の差です。

 なぜなら、触覚や嗅覚などの「現地のにおい」を感じることができないから。

 いくら擬似旅行ができるといっても、結局は擬似でしかなく、実際の体験をできるわけではありません。ゴルフとかも利用されてるようですが、実際のコースを回るのとメタバースゴルフとでは得られる経験値が大きく異なるはずです。

 やっぱり、今回も3年前と同様、メタバースにはワクワク、ドキドキを想起させてくれるような要素が足りないと言わざるを得ない結果となりました。

おわりに

 全部が全部、否定的に考えているわけではありませんよ。五感などを再現できるような状態になれば楽しめる可能性が高くなるでしょうし。でも、それって実現するまでに生きていられるのかなぁ…なんて思うわけです。

 脳に誤解させるとか、そんなケチくさい手法でお茶を濁すのではなく、ガチで「体感」させてくれるようになるまでに要する時間のことを考えると、まだまだまだまだまだ時間がかかるでしょ。

 だから、自分の資格情報を独占して表示してくれるって特徴を活かしたエンタメ領域でしか活用の幅がないだろうなってだけなんです。

 ではでは。

ゑんどう(@ryosuke_endo)


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