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会社員は「給料分」の仕事をすべきなのか

枕にかえて

 どうも、えんどう @ryosuke_endo です。

 またゾクゾクとするようなお題が目に飛び込んできた。

 いや、そもそも僕の中で答えは決まっている。ゾクゾクなんてしていない。ゾクゾクする人が多いだろうとは思うが、僕の中ではゾクゾクすることなんてなかった。

 あなたはどう回答するだろうか。

 企業側と労働者側とで認識が変わるだろうし、労働者側でも真っ二つに割れるのではないかという挑戦的な話題だが扱ってみようと思う。

▶︎ “経営者目線”を労働者に求めるな

 僕としては率直に「”給料分”の業務ってなんですか」と考えてしまう。

 以前にも書いたのだが、そもそも会社員のみをやっている人間に経営者目線など求められるわけがないし、労働者側からしたら求められても困る。経営者が見えているお金の話と労働者から見えているお金の話はまったく異なる。

 仮に経営者が従業員側に自身の給料分を意識した就労意識を求めたとしても、従業員側がそれを徹頭徹尾、全ての業務に向けてその意識や派生する感情を注ぎ込めるのかといえばできるはずもない。

 繰り返しになるが、従業員が自身の額面給与と手取り金額を踏まえ、自身の給与が捻出される支出根拠をしっかり認識できるのかと言われれば無理がある。自らにかかっている人件費を「固定費」として、自宅の電気料金のように認識できるはずがないのだ。

 従業員側に、いわゆる経営者目線を求めることは「自身の給与すら経費として認識しろ」と求めることと同義であり、支払う立場にいない従業員が自覚することはほぼ不可能なのだ。それだけでなく、経営者目線で事業計画を立てることなど、あまりにも求めすぎである。

 彼らは経営者が決めた方針から切り出した業務を全うすることだけを求めるべきだが、もし、それでも経営者目線を求めることは、導き出された従業員の給与額に揺らぎない根拠があるわけではないことを認識してもらうことにつながることを認識すべきだ。

▷ 給与額には根本的に根拠がない

 正確にいえば、万人に共通する有無を言わさぬだけの数値的根拠が提示できるのかといえば...というとできないのである。

事業者単位でみれば支出根拠は提示できるだろう。会社の売上と経費から出される利益はどれほどで、そこから人にかけられる支出分は何割であると計算し、そこから売上の見込み等も踏まえて給与額を定め、雇用契約を結んでくれる人材を求める。

 いわゆる求人を出すわけだが、その際に記載する金額は大まかにいえば会社の財布事情から導き出されることは言うまでもない。無い袖が触れないのは個人であろうが法人であろうが変わりはない。

 では、科学的で理論的な意味で万国共通で給与額が一律なのかといえばそうではない。

 同じ職種であったとしても需要と供給の平衡性によって決まる動的(ダイナミック)に価格が決定されるものだ。かっこよくいえばそうだが、悪くいえば決裁権者のさじ加減である。

 「んー、この職種の相場はこれだから...こんぐらい!」
 「最低時給が...だから、これぐらい!」

 あまりにも悪く表現しすぎている点はご容赦いただくものとして、要は自社内の会計的に無理のない金額を算出の上で、なおかつ募集が来るかこないかのギリギリを攻めるのが給与額の策定であり、求人情報における条件の開示だ。

そこに応募してくる人間さえいれば構わない。それが一つの正解なのだ。

 繰り返すが、それはあくまで文字組織内におけるローカルな基準に照らしたものであり、相場がどうであるとか関係なく提示できるものでもある。

▷ 応募してくる人間がいる=その条件で求人情報が出続ける

一人でも応募者が来る場合、それは企業が「労働市場から受け入れられた」と判断することができる指標でもある。

 いくら低賃金だろうが応募者が来る以上、企業側が「働き手のニーズがある」と判断するには十分だ。そして、その条件で労働市場に受け入れられたと判断した場合、その条件を出し続けるのも市場の動的平衡性であるといえる。

 市場が求める条件がどこなのか。どこまでが底値でどこに高値なのか。まるで株式市場の値動きであるかの如く、労働市場における賃金価格も上下動する。

 しかしだ。度々このnoteでも取り上げているが、労働者の平均賃金はこの30年横ばいを貫いている。

 デフレーションだろうが株価があがろうが労働者賃金が上がったなんだといったところで、平均賃金が400万から+40万も50万、500万になったという動きは平成に入り令和になってからも上がる気配は見えない。

 ところが労働者に課せられる社会保障費や厚生年金負担、全生活者に課せられる消費税などは高くなる一方で、手取り賃金は目に見えるほどに下がり続ける一方。

 それなのに巷で手に取れる求人情報が掲載されているフリーペーパーを開いてみれば「最低賃金」から募集されている求人情報が掲載されている。

 僕が高校生当時を思い返しても最低賃金(もしくは+1円や2円など)での募集など本当に限られたものであった認識だが、そこから悪化している印象である。そう日本の経済はよくなどなっていない。先進国の中でも労働者が取得できる平均賃金はOECD加盟国の中でも低いのだ。

 ただ、そんな条件で募集する企業側にも問題があるだろうが、そこに応募してしまう求職者側にも問題があるともいえる。そのような条件を提示してくる企業の求人へ応募しなければ、条件を上げざるを得ない。

 経営者側からは「条件を上げれば経営が苦しくなる。それでは本来支払いたいと思っている賃金を払うことすら苦しくなってしまう。会社は継続することで雇用を守ることができるのだ!」といった声も聞こえてきそうだ。

 そんなことは労働者側にとって関係のない話だ。雇用してる会社が倒産する場合や人員整理のための離職であれば、即日で雇用手当(失業保険)の受給が可能になるし、職業能力の開発を受けながらお金をもらえる制度まで整っているため、長期間、働かずにお金をもらえることも可能。

 この会社がダメならば他の会社で働けばいい。労働者側からしたら「お金がもらえるなど各種条件が叶えられ、自分が求められるのであれば所属などどこでもいい」のだ。

▷ そもそも「給与分の基準」がない

「給与分は働く」の給与分については基準がない。

 結局、経営者側が思う「給与分」と労働者側のそれとでは認識に乖離が生じることが前提となる以上、この論争に決着がつくことはなく、互いに歪み合いが解消されることも永遠にないのだ。

 企業側は労働者に「賃金以上の働きをしてこその金額」を提示するが、労働者側は「賃金以下の働き方をしてこそ得られる金額」だと考えている。(全てがそうだとはいわない)

 上記している以下のnoteでは、会社員が意識しづらい経費部分について考える機会を提供する意味で書いたが、労働者を一人30万円/月で雇用した場合、企業側が負担するのは30万では収まらない。

 しかししかし、労働者側が手にする賃金は社会保障費などが差っ引かれて減った手取り金額であるから、額面上の金額からの損失分が目についてしまうのは仕方ないだろう。

 わかるだろうか。

 この時点で労使間における認識の違いどころか、扱う金額面で平等ではないのだ。企業側は支払う賃金以上に働いてもらってこそ元が取れるが、労働者側からしたらそもそもがんばって働いたところで手取り金額が増えるわけでもない。

 仕方がないとはいえ、この歪な状況が生み出されている以上、双方の認識が埋まることはないだろうし、埋めることも不可能だ。

 このような状況で「基準」を設けることなどできようはずがない。

 結局は日本の経済が上向かなければ解決はしないだろうが、どうあったとしても横ばいを貫く日本であるから、たとえ経済が良くなったとしても横ばいが貫かれるのではないか。(それについて触れたnote賃金増が叶う労働者と叶えられる事業者ならびにそうではない人たち

 とても頼もしい未来を感じるのは僕だけではないだろう。

 ではでは。

 えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

株価があがったとしても賃金があがらない日本の経済資本力はどうなっているのかと問いたくもなるが、答えは簡単で経済は良くなっていないのだ。上で貼り付けている僕のnoteでもそうだが、日本の株価は政府の買い支えによって成立している。もう焼け畑だ。

最低賃金廃止を唱えている主張だ。これをどう捉えるのかは各々に任せるが、最低時給が存在することによって何もスキルや能力を必要としない職業でも募集を出すことができる。ただ、日本語話者の労働者のみを相応の条件で募集する企業は人材獲得ができなくなる世界線になっている。

こんな風にワクワクとした業務や仕事、会社がある一方で、そうではないそれもある。根本的に仕事は誰かがやりたくないことを肩代わりするものであり、その対価として賃金を受け取るモデルで運用されている。自分がやりたくない何かは誰かにとってやりたくて仕方のないことなこともある。

▷ 本noteに関連する紹介したい書籍

こういう体験ルポが地味に好きなのだが、ただのグチだけになってしまうことは避けなければならない。まぁ、そういう情報も混みで読みいる読み手側のリテラシーみたいなものも必要なわけだ。多田さんはいろいろと突撃するライターなので、他にも体験記があるので興味があればぜひ。

▷ 著者のTwitterアカウント

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