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『春よ、来い』を聴いて泣いた

■初めて音楽を聴いた記憶

 うん、ぼくのことだ。ぼくが初めて"音楽"を聞いたのはいつの頃だったか。近所に住む親戚に父親が頼んで持ってきてくれたB’zやWANDSの曲を初めて聴いた。

 その時、父親が親戚にした注文もいい加減なもので、『こいつが音楽を聴きたいって言うからCDを何枚かもってきて聴かせてやってくれ』と、なんだその勧善懲悪の時代劇に出てくるような、いかにも悪人で町の人たちを苦しめている街のゴロツキが主人公に対して吐く『おい、お前ら!わからせてやれ!』と言った類の依頼は......。

 いずれにせよ、ぼくは初めてCDで音楽を聴く体験をした。拍子抜けした。音量の問題ではないのだろうけど、もう少し臨場感があるものだと思っていたが、それほど興奮できずに全てのCDを聴き終えるのと同時に『じゃ』と親戚は去っていった。

 おそらく、ぼくはCDに映像も出てくるような臨場感を期待していたのだと思う。今で言えばDVDやBlu-rayディスクで映像を見るようなことを期待していたのかもしれない。当時、その役割はビデオが担っていたのだが。

■衝撃を受けた曲との出会い

 小学校の何年生の頃だったか。4年生の頃だと思う。ある先生が定年で学校教員の道を退職される際に、学年・クラスを通してさよならの会を開こうと企画していた。

 その企画の中で、催しの最後に歌を歌おう、と、いくつかの曲をピックアップし、その中で投票をして選ぼう、と。その選択肢の中に出てきたのが松任谷由実の『春よ、来い』だった。

 クラスの誰かがそれぞれの曲のCDを持ち寄り、それをクラス内で聴いた上で、どの曲へ投票し選ぶのかを決めた。

 他の曲に対しては、上で述べたようにCDから流れてくる音と声の入り混じった、それなりの曲といった印象で、それほど印象に残っていない。現実、こうやって書いている中でも他の曲がなんだったのかを思い出せずにいるぐらい、印象に残っていない。

 だが、『春よ、来い』だけは違った。ぼくがこの曲を知らなかったからなのか、その曲調と歌詞があまりにも定年を迎え、退職する教員に向けた曲として適合しすぎるほどに適合していたのか、それはわからない。

 とにかく大きな衝撃を受け、感情が揺れに揺れた。

 音楽CDになんの期待もしてなかったぼくが、初めて音楽が持つ感情に働きかけられる可能性や、そのを感じる機会と思えた。

■だから音楽を好きだと思える

 音楽は好きだ。

 ただ、何かを熱烈に応援し、CDを年間で何万円分も買ってしまうほどに感情から行動を起こしてしまえるほどに込み入った記憶もなければ、ぼくの散財履歴にも音楽に当てた金銭は決して多くはない。

 音楽は記憶と感情をない混ぜにし、記憶の定着を促す装置だと思っている。懐メロなんて言葉はすでに死語と成り果てているが、ある曲を聴けば、当時の自分が置かれた環境や感情、状況が一気に舞い戻ってくる。逆を言えば、それを引き起こそうとした際に音楽を利用すれば、いつでも引き起こすのは可能だ。

 ぼくにとって、その原体験をさせてくれた曲が『春よ、来い』だったのだ。

 曲を聴いて泣く、なんて体験をしたのは、後年、付き合っていた彼女に突然の別れを告げられ、感傷的になったがために二人でよく聴いていた曲を流した時ぐらいなもので、それ以外は記憶にない。

 『春よ、来い』を聴いた当時のぼくは、そんな色恋沙汰の経験もなければ、感情が大きく振れるような機会があったわけでもない。ましてや、初めて聴いた曲だから、その曲と関連づけて涙が出てくるような状況を経験したことがない。

 それでもぼくは泣いた。

 曲が織りなす、『春』を待ちわびる感情と、きたとしても儚くも散ってしまう桜の情景を思い浮かべ、そこにある人同士の感情がもつれ合う様を想像し、ついぞ涙が出た。

 何にも考えず、日々の宿題もサボっては怒られていたような、奔放に生活をしていたぼくが、何を持って感情を揺さぶられるようなことがあるのかと言えば、そんなに多くの経験はなかったのに、その少ない経験だろうが関係なく、引き出すことができる曲に出会うことができたのは幸運だった。

 もちろん、この曲は今でも大好きな曲であり、息子たちにも聞かせている。

 今日もお読みいただき、ありがとうございます。あなたはどんな曲に感情を揺さぶられましたか。ぜひ、それを教えてください。


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ぼく:遠藤 涼介/Endo-san (@ryosuke_endo

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