「プログラマーでもエンジニアでもない、ただの素人だ」というお話
現在、ぼくは歯科グループ企業内の情報システム部に所属しています。
もうタイトルの通りなんですが、コードは一切書けませんし、読むことすらままなりません。そんなぼくが企業のITを統括する立場の部署にいる理由とこれからについて考えていることを書きたいと思います。
では、仕事内容について。部内でチーム制を敷いており、その中でぼくはITインフラ(ストラクチャ)チームに属し、日々の業務を行っております。
チームの目的は『企業内のITにまつわる環境を整備し快適な就業環境を目指しましょう』ということと『開発チームの開発工数を引き上げるために工数削減も実現しましょう』としています。
ど素人のぼくが何をしているのかということですが、簡単に説明すれば「困ったんだけどどうしたらいい?」というところに助け舟を出すサポートデスクの役割と、「これが無駄だから違うやり方をIT使って実現しませんか?」という社内ソリューション担当の役割ですね。
ま、どちらもままならぬ状況ですが、それは置いときます。
これまでスポーツと教育とネット広告の分野に足を突っ込んできましたが、歯科業界は大変な遅れが生じていて、他の医療業界はどうかはわからないのですが、歯科業界が大変な状態であることは認識することができました。
逆を言えば、それを根底から崩すことができるゲームチェンジャーになれたら大きいな、とも思う次第ですが、歯科業界自体ってそれほど大きな業界でもないので、スケールメリットは見込めません。
下は厚生労働省が出しているデータを本に作成された資料ですが、これをみると1996年に2.5兆を超えてからは恐ろしいぐらいに横ばいで3兆を超えることができていません。
わかりやすく比較するのに一番いいのはコンビニですかね。
セブンイレブンには圧倒的なまでにかなわないのですが、LAWSONよりは大きい感じで、FamilyMartはサークルKサンクスを吸収したのでLAWSONを超えて3兆円レベル。
なので歯科"業界"は、LAWSONよりも多いけどFamilyMartよりは少ないって感じ。
しかし、注意しなければならないのは、比較しているのはコンビニのメーカーであり、歯科業界は物販も医院運営も技工所関連もひっくるめた数字で3兆を超えることができないってことです。
一般的な認識として、歯科医院数がコンビニよりも多いということは認知されていると思いますが、実数はどんなもんかというと数字が出ています。
2014年段階で歯科診療所は68,592軒。(日本歯科医師会HPより)
「じゃーかたやコンビニは?」というと一番新しい数字で55,438軒。(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会HPより)
単純比較でも歯科診療所のほうが13,000軒以上も多くなっているということです。数字上の比較をしても、明らかに軒数が診療所のほうが多いのに、コンビニ業界よりも総売上金額が少ないって、メチャクチャレッドオーシャンじゃん...って話なんです。
片や業界全体の売上自体が右肩上がりになっている方と、別に上がらずに横ばいも横ばいが継続している業界。そして、その中でも毎年店舗数が伸びているという現状を鑑みると「いかがなもんでしょうね」ということになります。
わかりやすくいえば、FamilyMartが歯科業界と同じぐらいの売上規模になっているので比較すると、FamilyMartの店舗数は16,989だそう。
片や歯科診療所数は2014年で68,592。さて、問題です。どちらが儲かっていそうでしょうか!考えるまでもありません。
なんとなく、歯科業界がどんな業界なのかっていうことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
売上規模が横ばいということは、業界が全体的にしのぎを削り、売上規模を引き上げることをできていないということもそうかもしれませんし、そういう要望自体が少ない業界なのかもしれません。
医療業界に属しているとはいえ、差別化が難しい上に医療とはいえシリアスなものでもありません。
実際にぼくも歯が欠けたことがありますが、その治療をサボりましたからね...。結局、きちんと治療をするのに3年ぐらい放置して仕方なくやったぐらい。まぁ、いいんですけど...。
つまり、医療業界という少子高齢社会において、否が応でも比重が上がる業態に属しているにも関わらず、Siriusでない業種であるがために置いてけぼりを食らっているような感じです。
逆を返せば、その有象無象の中で生き残るためには、他と全く異なる毛並みを揃えることで可能になるのではないかと思うわけです。隙だらけの業界ともいえなくはないのかもしれません。
で、話は戻りまして、ぼくがなぜ情報システム部なのかというお話です。
元々、IT系の話は好きだったんですよ。前職もWeb専門の広告代理店へ足を突っ込んだのも、ITが好きだったということが根本ですし。
いずれにしてもネットワークだとか、Webだとか、情報に触れていることは楽しいと感じてましたし、新しい技術とかみているとワクワクしたのも事実です。
そしていま、この職場で働いてみて痛感しているのは、企業内の情報システム部門の必要性というか重要性です。医療業界はそもそも個人情報の宝庫ですし、その取り扱いには十分な配慮が必要な世界。
その中で患者さんの情報を扱うことに関して、細心の注意を払う必要がありますが、これはどの業界に行ったとしても変わりはないでしょう。
その先たる業界が医療業界だとぼくは思ったので、働けるのであればという思いで門を叩いたら「いいよ」っていってもらえたので、現在の所属に至るわけです。
ネットワークの知識だとか見識はどの企業でも不要ではないでしょう。
いまをひた走る企業はインターネットをはじめとしたネットワーク技術の恩恵を受けなければまともに企業活動を行うことすら難しいのは間違いありませんから。
案外、しっているようでしらないことっていうんでしょうか。実生活でも必要な知識や見識を実働しながら身につけることができているというのは非常に嬉しくもあり楽しいとも感じています。
歯科界だけでなくスポーツ界もそうでしたが、ある程度の規模を抱える組織で幾年かを経ている企業とITのベンチャー企業みたいな組織とでは、社内のソリューションに対する認識が恐ろしいぐらいに差があります。
ITのベンチャー企業は、ソリューション欲の塊で、なんでもかんでもといったらおかしいかもしれませんが、時間の効率化だとか合理化に対して恐ろしいぐらいに執着します。
逆に大きな組織や長い期間活動してきた企業では、そもそも新しい技術だとかサービスに触れるのに時間がかかります。
人はある程度経験を経てきたら保守的になるのは、ぼくも実生活において実感しているところですが、世の中には結構な数の人がそうなんだな、と感じる部分でもあります。
そもそものマインドセットの違いでもあるのでしょうが、この違いは大きい。何しろやりづらさを抱えながらもやり続けるということの苦しさをずっと味わい続けることになりますからね。
そこでど素人のぼくみたいな人間がいるんだと勝手に思ってます。
全く異なるキャリアを積んできたことから、異分子なので偏った見方はできません。あくまでフラットに見るしかできません。というかしません。
ただ、苦しいのは経験や知識が不足している分、どうしても必要な知識や経験を埋めるための時間と労力は必要です。
それを乗り越えることができれば、あとはソリューションをどう図っていくのかという問題に差し掛かれますから、楽しみでもあります。
できれば、同じ歯科業界にいる人や情報システム部の人たちと情報交換をする場を設けたいなぁ...なんて思っているので、発信をしていきたいなと思っていますし、興味がある人は声をかけてくださいね。
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