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工学部生に告ぐ! MATLAB Onlineで今すぐ画像処理をやってみよう.

何度も言っているこのくだり『本当にいい時代になりました』.一昔前は,コンピュータービジョン関連にたずさわる研究者でなければ,写真から特徴量を抽出するプログラムをどうこうしようなんて決して思わなかった.ところが,今や数十行のプログラミングで画像処理が実現できてしまう.それもプログラムと呼ぶこともはばかられるようなコマンドのコピーで.

MATLAB Online

工学部の大学院なら,MATLABが利用できる環境にあるとお思います.個人向けライセンスもあります.MATLABアカウントがあれば,オンラインでプログラミング可能.つまり,スマホからでも隙間時間でプログラミングできてしまう.

画像処理例:色違いの丸

非常にシンプルな画像処理の例を示したいと思います.
下図に示すような画像ファイルがあるとします.
ここでは正円を示していますが,手書きのガタガタした円でも試してみて下さい.ちゃんと実行できることに感動するはずです.

色違いの図形(丸)サンプル

サンプルプログラム

以下に示すサンプルプログラムは,3つのブロックから成っています.
・上図のサンプル画像の読み込み
・赤色の部分のみ抽出
赤色領域を円と見立てた時,その中心位置と半径の算出

MATLABプログラム例

画像の座標系は,y軸が下方向が+(正)であり,普段の座標系とは逆になっていることに注意してください.

画像の座標系

処理結果

前述のMATLABプログラムを使えば,以下のプロセスが,
たった30行でできてしまう!

赤丸抽出プロセス

しきい値(channel1〜3のMin/Max)を任意に変更すれば,特定の色を抽出することができます.

直径を[50 100]として,抽出する丸の大きさを絞っていますが,読み込む画像と特定したい形状によっては,その範囲(大きさ)を変更すればよい.

まとめ

今回は,CQ出版社のインタフェース9月号の特集に感化されて(MATLAB実機開発とあったので,発売日に本屋さんへ直行しました),大学生にすぐに試してもらえるものを紹介しました.CQ出版社のホームページから多くのサンプルプログラムがダウンロードできるのもありがたい.(GitHubにもたくさんのサンプルプログラムがあります.雑誌インタフェースにURLが掲載されています.)

一度,自分の手で画像処理プログラムを走らせてみると,画像によってはフィルタ処理が必要だったり,楕円の処理をどう扱うか.その先にはディープラーニングでどうやって学習させようか.などなどアイディアが湧いてきて,どんどんやってみたいことが増えてくると思います.

追加のMATLABツールボックスを利用すれば,ユーザー独自の特徴量での抽出や,マッチング検出などディープラーニングを用いて,もっと複雑なことができます.

ユーチューバーを目指すなら,動画編集技術も習得すべき重要なスキルかもしれませんが,AI時代には画像処理技術もエンジニアにとっては重要なスキルの1つだと思います.
一緒に頑張っていきましょう.


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