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鍼灸院にみたプロ魂

関節痛

30年近く関節痛に悩まされてきた.40歳を越えてからは,たびたび腱鞘炎にさいなまれる.腫れて,全く曲げることもできず,ひたすら痛い...色んな病院に行って,診てもらった.ある外科では,レントゲン撮影するも原因不明.ある成形外科では,MRI(1万円以上支払った)とか色々検査するも特に何も分からずじまい.またあるスポーツ専門医で血液検査するも強い炎症反応値が見られるという診断だけで,原因を特定するには至らず...

腱鞘炎(左手首を中心に,別人の様に腫れる↑)

同一人物の手とは思えないでしょ?じんじんと痛くて,非常に発熱している.眠れないほどの痛みなので,凍傷すれすれまで,ただただ氷で冷やす.湿布でなんとかなるレベルではない.そして腫れがおさまるのをひたすら待つ.2,3日すると次第に腫れが退いていく.

CAD仕事(マウスを1日中操作することもある)には支障があるので,その時には右手に持ち替える(私は,小さい頃に母に右利きに直された左利きなのです.こういった時は両利きは便利.いいでしょ).重たい荷物を持ち上げたり,工作時のドリルなどの工具は,恐る恐る使わないといけないので余計に疲れる.趣味のエレクトーンは弾けなくなる.

たまたま知り合いから,鍼灸院しんきゅういんを紹介してもらう機会があった.体にはりを刺すのが怖くて敬遠してた.聞いてみるとそこは,揉む+超音波治療が主だからということで,(失礼だけど)ダメ元で行ってみることにした.

鍼灸院の先生に,症状とこれまでの経緯(いろんな病院に行ってみたこと)を説明した.そして,『加齢による軽いリウマチですね』とか『まあ50歳超えたら,色々ガタが出てきますよ.気長に無理せず付き合って下さい』と言われたりしましたと伝えた.すると鍼灸院の先生から次の様な言葉が返ってきた.

鍼灸院の先生の言葉(を書き綴ってみます)

私がすべて治せるとは言いません.でも,医者が『歳』のせいにしてはいけません.2つの意味で,医者が言ってはいけない言葉だと思っています.

1つには,『歳』というのは一種の思考停止ワードだと思うからです.症状には必ず原因があるはず.医者は,症状の原因を自分の経験・知識を総動員して最後まで粘り強く追求し続けることを諦めてはいけない.にも関わらず,加齢のせいにしてしまっては,根本原因の追求を諦めてしまうことだと.

もう1つには,『加齢』という言葉によって,人が逃れようのない事象に,症状の原因を転嫁している.つまり,困っている患者に対して異論を挟む余地を封じて,患者のせいにしてしまっているような気がするんです.

先生の診察後

上述の鍼灸院の先生の言葉を聞いた時,あまりに真摯な心構えに,私は思考が追いつかず,何も気の利いた返事をすることができませんでした.

それから3度ほど,鍼灸院に行きましたが,筋がずれていることなどを丁寧に説明して下さって,揉む+超音波治療によってすっかり痛みがとれ,腫れることも著しく無くなりました!ありがとうございます!!

関節痛が治ったことももちろんありがたいのですが,その鍼灸院に行ったことで,プロフェッショナルについて改めて考えるきっかけを与えてもらえたのもありがたい.

プロフェッショナルの技というのは,そのスピリッツに宿るものだと.

50年以上も生きていれば,全ての人が何らかのプロフェッショナルであるはず.

だとすれば,51歳の自分は,エンジニアとして自信を持ってプロフェッショナルと公言できるか.

胸を張ってエンジニアだと言える様に,これからも技術探求にいそしもう.

心を新たにさせてもらえたことに感謝です.


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