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過酷な将棋の世界

先日行われた順位戦A級2回戦,藤井(竜王)vs.菅井(八段).9時間の大熱戦.こんなに脳を酷使していいものだろうかと思うほど,棋士の集中力は素晴らしい...
たった30分の執筆でヘトヘトになってしまう私.同じ人間とは思えない体たらく(およよ).

将棋ソフト:将棋所

今はYoutubeなどで非常に分かりやすく解説してくれているので,将棋がそんなに詳しくなくても,本当に楽しめます.
以前に自身のパソコンで将棋を楽しむ方法を紹介しました.

解析エンジンと呼ばれる頭脳部分は,たややん様ややねうら王様が開発し,それらをなんと開示して下さっている.
本当にありがとうございます.
しかもですよ,そのアルゴリズムをさらに進化させている!
その賢さと熱意に改めて敬意を表します.

昨年末から,解析エンジンを何らアップデートしてなかったので,このたび,最新版のエンジンを将棋所に登録しました.

将棋の研究とは

棋士が普段は何をしているのかというインタビューに対して,将棋の研究と返答されることが多くあります.しかし,それは一体どういったものなのか分かりませんでした.

でも,将棋ソフトをインストールして,棋譜を読み込んで,解析開始とすることで『おおっー!!』という感動に変わりました.

何をしているかというと,
・一手ごとに,どちらがどの程度優勢なのかということを数値で表してくれる.どの手が最善手で,どれが悪手なのか定量的に分かる
・途中で,棋譜とは異なる手を自分で打つことができる.つまり,様々な派生進行を試すことができる

上記の2つは,AI将棋の真骨頂で,対人で将棋を指している時と比べると,効率という意味で圧倒的に研究差がつくと思います.

解析エンジンの改良

解析エンジンも年々,洗練されたもの(私には,プログラムの改良内容が指し手の数値評価にどう反映されているのか詳しく理解できませんが)になっている.

同じ対局を2つのエンジン
  ・上段:水匠4改
  ・下段:やねうら王V7.00
で解析した結果を示します.

将棋ソフトによる棋譜解析

序盤(橙色枠):よく見ると,微妙に違う
中盤(ピンク枠):若干異なる
終盤の前半(赤枠):大きく異なる

解析頭脳(アルゴリズム)改善の効果が見て取れる.
(詳しいことは分からないが...ぐすん.泣)

これからも激しい戦いが続く

学習環境,研究環境が整う・より高度になるというのは,確かに喜ばしいことであり,そうやって発展し,更なる高みへと進化を遂げてきた.

昔は,対人で将棋を指すしかなかった.
それが,今やいつでもどこでも対戦できるようになった.

世の中のすべての専門道具の価格は,どんどん低下.
素人もプロと同じ機材を利用できるようになった.
かつては,趣味を掘り下げようとしても,自分にとって有益・快適なコミュニティに参加するどころかそれを探し出すだけでも相当に時間をかけないと辿たどり着けずにいた.

インターネットという情報の双方向性と民主化をもたらしたことにより,指数関数的な競争激化を生んでいる(と私は思っている).

マトリクスや攻殻機動隊のように,将来は後頭部に電極を指す時代に突入するのだろうか.

まとめ

おっと話がれましたが,棋士と言うのは,小さい頃から将棋が大好きで,神童と呼ばれた人たちで,そんな頭脳と適正の持ち主たちが将棋ソフトを用いて日々研究をして,対局に臨んでいる.考えただけで鳥肌が立ってくる.

いかなる分野でもテクノロジーによる競争激化はまぬがれない.
だからこそ,好きなこと,いや得意なことを早く見極めよう.そのためには,心が少しでも振れたことに一歩踏み込んでチャレンジしてみる.それらの情報はまさにインターネットに転がっているのだから.やってみて違うなと思ったらやめて,他のものを探せばいい.

私は比較的早くエンジニアという道を歩み始めることができ,30年続けてこれた.
Qiitaなどの記事を見ていると,自分が優れたエンジニアだとは全然思えない.ブログやGitHubに素晴らしいプログラムを掲載している天才がなんと多いことか.でも,CAD,プログラミング,解析モデリング,シミュレーション,電子工作など大好きだし,エンジニアリングを業務と割り切って行うのではなく,趣味の延長のような気持ちで続けてこれたことに感謝.

神様は,人より優れた能力を私に与えてくれなかった.しかし,飽きずにコツコツと人一倍頑張ることを苦に思わないメンタルを授けてくれた.
私と同じように思ってくれている人がいると信じて,これからもエンジニア人生を歩んでいきたいと思っています.


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