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6/7【ドコモベンチャーズピッチ】学びと教育の新しい形~様々なスキルをEd Techでupdate~

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2022年6月7日(火)に行ったイベント、

【ドコモベンチャーズピッチ】学びと教育の新しい形
~様々なスキルをEd Techでupdate~

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、Ed Techに関連する事業を展開し、新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップを4社をお招きしピッチをしていただきました。

・学びや教育に関連するスタートアップに興味のある方
・教育ビジネスに興味のある方
・教育関連の投資先を探している投資家の方
・大企業とスタートアップの共創を模索している方
・ノーコードツールを学びたいと思っている方

にぜひお読みいただきたい内容となっております!

以下、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:株式会社e-Craft

1社目は、e-Craft 額田様にご登壇いただきました!

<株式会社e-Craft 代表取締役CEO 額田 一利 様>

株式会社e-Craft  額田 一利 様

・e-Craft社の事業内容


e-Craft社は、「日本語と同じくらいプログラミング言語を扱える人材を増やす!」をビジョンに掲げ、プログラミング教育サービス「embot(エムボット)」の企画、研究、開発をしている企業です。

「embot」というサービスは額田様の趣味から始まったそうです。
NTTドコモの社内ベンチャー制度、新規事業創出プログラム「39works」で事業内容に磨きをかけ、embotの売上が拡大した2021年8月に法人設立されました。

事業内容は大きく4つあります。

  • プログラミングサービス「embot」の企画開発

  • プログラミングスクール「embot creative lab」の企画運営

  • 「embot」を用いた授業、ワークショップなどの企画、運営の受諾

  • ECサイト「e-Craft shop」の運営

従来のプログラミング
プログラミングに対し、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?額田様はプログラミングを始めた時、次のような体験をしたそうです。

  1. 高価なパソコンを購入する

  2. 英語だらけのサイトを参考に、頑張って動作環境を構築する

  3. 「Hello World!」をなんとか出力してみる

  4. 秋葉原でLEDを購入し、Lチカ(LEDをチカチカさせる)           

このように、ステップを踏んで徐々に面白いことができるようになっていくのですが、実際にロボットを動かしたり、ゲームを作ったりできるようになるまでには、かなりの努力が必要になります。プログラミングをこのイメージのまま捉えていると、「自分にはできそうにない」とはじめの一歩が踏み出せない、もしくは勉強を始めても途中で投げ出してしまう人も多いと思います。そこで、e-Craft社は「embot」というサービスを作りました。

embotとは
提供価値はズバリ「つくりたいものをいきなりつくれる」ことにあります。

embotの提供価値

ダンボールと電子工作パーツを用いてロボットを組み立てることで、電子工作やものづくりの基礎を学ぶことができます。また、組み立てたロボットは、タブレットやスマートフォンにインストールしたビジュアル・プログラミングの専用アプリを用いて、子供でも簡単に操作することができます。特に、プログラムをフローチャート形式で組むことができるため、より高度なプログラミング要素も直感的に身につけられます。

ちなみに、この段ボールロボットはタカラトミー社から6,000円(税別)で購入することができ、その他のプログラミング対応型ロボットと比較すると安価な価格設定になっているそうです。

現在、子ども向けプログラミング教育市場は拡大が見込まれています。
その背景には、2つの要因があります。

・学習指導要領の改訂に伴い、プログラミング教育が必須へ
・COVID-19の影響でタブレット導入が加速。プログラミング教材を導入しやすい環境へ

「embot」は安価かつ子どもが楽しみながら学べるポジションを確立することで、予算が限られる教育現場での導入が拡大しています。

参考動画はこちら
【PV】遊ぶほど、プログラミングが楽しくなる。 | embot(エムボット) full Ver.

embotが目指す世界
「entertainment + education → edutainment」
楽しく遊びたい子どもたち(C)向けと、教育現場で活用したい学校(B)向けの両方へサービスを展開し、シナジーを生み出すことを目指しています。

C向けB向けのシナジー「edutainment」

これまで、それぞれの領域で次のような取り組みをしてきました。


Consumer向け〉
開発・製造:タカラトミー社連携による開発、「ST認証」(玩具安全性規格
      適合)の取得
営業・販売:複数チャネル(amazon、トイザらスなど)での販売スキーム確立
プロモ・マーケ:イベントやメディアを活用した流入強化

Business向け〉
開発・製造:教育業界や共同研究による公教育向け教材開発
営業・販売:回線/端末パッケージ化による営業力強化と大口案件創出
プロモ・マーケ:文部科学省や教育メディアとの連携

e-Craft社が実現したい世界

e-Craft社は、現在のハードウェア販売から、ソフトウェア販売、そしてスクール事業をフランチャイズ化し、スクールで生まれた作品をCtoCのプラットフォームで販売する事業へと拡張していきたいそうです。そして、最終的には「子どもたちが子どもたちのために、作品を作れる世界の実現」を目指されているとのことです。

なお、東京都葛飾区内全ての小学校へembotが導入されているとのことです。大変驚くと同時に、こんな楽しい教材でプログラミングを学べる子どもたちが羨ましくなりました!

■2社目:PAPAMO株式会社

2社目は、PAPAMO 橋本 様にご登壇いただきました!

<PAPAMO株式会社 代表取締役 橋本 咲子 様>

PAPAMO株式会社 橋本 咲子 様

・PAPAMO社の事業内容

PAPAMO社は、「人生のあらゆる初体験を最高にする」というミッションを掲げ、こども向けのオンラインスポーツ事業「へやすぽ」や運動動画配信サービス「へやすぽTV」の開発・運営を行なっている企業です。

運動の初体験と自己イメージ
「運動の初体験がネガティブだと、自己イメージに悪影響を与える」と橋本社長は指摘します。運動が得意な子どもが持つ自己イメージは

・友達が多い
・自分は頑張れる子だ
・勉強が得意
・よくリーダーになる

というような前向きなものが多いそうです。

「自分は頑張れる子だと思う」という割合は、運動が得意な子どもが61.3%に対し、苦手な子どもは17%しかありません。その差は実に3.5倍です。

出典:東京成徳大学教授, 深谷和子「運動の苦手な子をめぐって」

モノグラフ・小学生ナウvol20-1より

さらに、運動が得意な子どもの割合は決して高いわけではないというのが現状です。事実、30年前に比べて、今の子どもたちの運動能力は低下しています。

PAPAMO社の「へやすぽ」
このような背景からPAPAMO社は、「運動との出会いを最高にする」をミッションに、運動初心者にとって運動のスタンダードとなるサービス「へやすぽ」を創りました。

へやすぽは一言で言うと、「運動が好きになるオンラインこども運動教室」です。キャラクターから課される運動のミッションをクリアしながら、鉄棒や球技などにゲーム感覚で取り組み、運動能力を向上させることができます。

へやすぽTV 紹介動画はこちら

週に1回30分のレッスンで、LIVEでのグループレッスンと都合に合わせた録画受講を選択することができます。料金は1世帯4000円(税別)/月4回、2畳のスペースがあればできるので、マンションでも安心して参加することができます。また、家庭内で安全なスペースを確保していただいても万一、受講中に怪我をしてしまった場合には、保険を利用できるとのことです。

これにより、これまで時間や地域の制約や金銭的事情から運動教室に行きたくても行けなかった層にもアプローチすることができます。また、さまざまなスポーツチームとも連携しており、多彩なコーチと出会えるそうです。

へやすぽとスポーツチームの連携

へやすぽの特長は大きく3つあります。

1.体育でつまずく種目をカバー!
器具不要、騒音配慮、畳二畳で300以上のメニューを受講可能

2.圧倒的におもしろい!
毎回「できた!」をためるとキャラクターの旅が前に進むRPG風コンテンツで夢中になる

3.楽しく気軽だから続く!
毎日できて、継続するから運動が得意に。3ヶ月継続率は98%!

継続率を高める4つの仕掛け

また、継続率を高めるために、子どもが飽きずに自発的に受講できる仕掛けがたくさんあります。たとえば、子どもが憧れる特色ある講師の講座を開講することでファンを形成する、毎週同じ講師によるメンター制度を導入、継続受講によりワッペンがもらえるインセンティブ設計など、工夫が散りばめられています!


マーケットについて
子どものスポーツ教育市場というと小さく思われがちですが、5,000億円と大人のフィットネス市場と同規模で伸びています。運動療育など関連市場を含めると、7,000億円のマーケットがあります。

出典:
経済産業省「次世代ヘルスケア産業協議会の今後の方向性について」p.17
矢野経済研究所「教育産業市場」

さらに、オンラインやエンタメ化により、潜在層を獲得可能になり、市場開拓が進むと考えられます。2022年6月には、発達障害のある子ども向けの「へやすぽアシスト」という新サービスも開始されました。今後は、未成年が運動や身体のことで悩んだら”へやすぽ”と思ってもらえるようにサービスを拡大していくそうです。

狭い部屋の中でもできるレッスンは魅力的ですね。親子の仲もさらに深まりそうです!

■3社目:株式会社LikePay

3社目は、LikePay イーゴリ 様にご登壇いただきました!

<株式会社LikePay 代表取締役 Voroshilov Igor様>

株式会社LikePay ヴォロシオフ イーゴリ 様

・LikePay社の事業内容


LikePay社は、「一般人にスーパーパワーを与える」をミッションに掲げ、「Webflow」というノーコードツールを中心に、様々なノーコードを学べるオンラインスクールを運営している企業です。

ロシア出身、26歳のイーゴリ様は、モスクワ大学から日本に留学し、東京で大学院に通いながら起業しました。Covid-19により気軽に外出できない状況でも自宅でできる学習環境を提供したい、とノーコードスクールの運営を思いつかれたそうです。

ノーコードの有用性
もし、あなたに新規事業のアイデアがあってそれを実現したい、もしくは会社を設立して、自社サイトの立ち上げを行いたいと思った場合、どうしますか?

これらの課題解決には、エンジニアリング(開発知識・開発経験)が不可欠です。選択肢は大きく2つあります。

1.エンジニア採用もしくは委託
スキルのある人材を雇うか、作業を委託するだけなので、それほど時間はかかりません。しかし、近年エンジニアは不足しており、高い給与を支払わなければなりません。新事業を開始してしばらくは自由に使える資金がないことが多いため、採用や外部委託のハードルは高くなります。

2.コーディング学習
自身で膨大な時間を費やし、学習プロセスを踏んでいかなければなりません。しかし、人を雇うよりはコストを抑えることができます。

このように、時間とコストはトレードオフの関係にあります。
そこで、LikePay社は3つ目の選択肢を提示します。

1でも2でもない新たな選択肢 ノーコードで自分で開発
ツールを使って視覚的な操作でソフトウェアを作ることができるため、コーディングを学ぶ必要もなく、人を雇う必要もありません。時間もコストも抑えることができます。

エンジニアリング 3つの方法

ノーコードなら、

・ビジネスマンがモバイルアプリを作って、事業のアイデアを検証する
・デザイナーがWebアプリを作って、速く思い通りに案件に対応する
・マーケッターがLPページを作って、スピーディに広告をテストする

といったことが可能になります。

LikePay Academy
LikePay社では、ノーコードツールの使い方と活用方法を効率的に学べるオンラインスクール「LikePay Academy」を運営しています。メインのサービスは3種類あります

1.動画教材
現在あるツールの多くは海外製で、英語の説明しかないことがほとんどです。LikePay Academyではそれらのノーコードツールの使い方をわかりやすく日本語で解説します。
2.個別相談
動画教材で学んでいく中で、わからないことがあれば個別相談できます。
3.イベント
ツールの最新情報が聞けたり、いろいろな人と話して悩みを解決できます。
 ※チャットし放題、ビデオ個別相談1回込で月1万円(税込)~

LikePayの実績

現在、動画教材を毎月リリースし、サービスの充実を図るとともに、ハッカソンのような形で事業を実現するためのイベントを開いたり、大学やインキュベーション施設との連携も進めています。

ノーコードを使えるようになることで、全ての一般人が文字通り”スーパーパワー”を発揮できる社会の到来が楽しみですね!

■4社目:株式会社VIVERTA

4社目は、VIVERTA 加藤 様にご登壇いただきました!

<株式会社VIVERTA 代表 加藤 孝征 様>

株式会社VIVERTA 加藤 孝征 様

・VIVERTA社の事業内容


VIVERTA社は、動画講座販売サービス「Lekcha(レクチャ)」の企画・開発・運営を行っている企業です。

動画講座サービスの現状
何かを学びたい、と思って独学を開始しても「できるようになった!」と思えるまで寄り添ってくれる動画教材がない、と感じたことはありませんか。

加藤様は、中学生の時、映画スターウォーズを見て、CGのシーンがどのように作られているのか興味をもったそうです。しかし、独学しようと思っても、インターネット上の情報が断片的でわかりにくく、苦労したそうです。また、高校生の時、プログラミングを勉強したいと足を踏み入れた時も、体系的な情報がなく、youtubeやインターネットで検索しながら学習した経験から、独学しにくいと感じたそうです。

このように、多くの既存教材では、興味ある分野に「入門」できても、実際に使えるようになるには隔たりがあるのが現状です。この状況を変えようと、加藤社長は起業されました。

海外では様々なジャンルで「動画講座」が提供されています。多くの企業が上場したり、高額で買収されたり、資金調達に成功するなど、盛り上がりを見せています。

日本では海外ほど動画講座が浸透していないと加藤様はおっしゃいます。インターネットが普及した現代で、体系的な学習がしにくいのはなぜなのでしょうか。

VIVERTA社では、知識を教えることができるインストラクターに着目し、体系的に教える動画講座の作成・公開がなぜ普及しないのかを調査しました。
すると、次のような課題が判明しました。

インストラクターが動画講座を作る際に抱える課題

つまり、「自分の得意を動画で教えたい」と思っても、気軽に動画講座を作成・販売できるツールがない、ということが大きな課題となっています。

そこで、VIVERTA社は、「Lekcha」をつくりました。

VIVERTA社の「Lekcha(レクチャ)」
「Lekcha」は、WEBサイトビルダ・決済環境・受講環境が1セットになった、日本のインストラクター向け動画講座プラットフォームです。
Lekchaには、主に「販売ページ作成」「動画コンテンツの管理」「オンライン決済」「動画学習に特化した受講環境」といった機能が備わっています。

2022年3月末にベータ版を公開し、約2ヶ月で流通総額800万円を超えているそうです。

講座が販売された際の手数料がVIVERTA社のマネタイズポイントとなっており、ノウハウを発信するYouTuberや自分の得意なことを教える講師をターゲットにしています。Lekchaの強みとして、「誰でもあっという間に動画講座を公開できる」という点があります。実際に講座を公開するまでに必要なのは、たったの3ステップです。

  1. 講座を販売するためのホームページ作成
    知識がない方でも、エディターに文字を入力したり、写真を貼るだけで簡単に作れる

  2. カリキュラム作成
    カリキュラムエディターから動画をアップロード。各レッスンをセクションごとにまとめることで体系的に講座を作れる。

  3. 公開
    決済の設定をした後に公開のボタンを押すだけで、自分ブランドの動画講座プラットフォームが完成。


Lekchaの画面

Lekchaの特長は大きく3つあります。

Simplicity:“本当に必要なこと”に絞った、シンプルなデザイン
Context:文脈のある”体系的な”動画講座を作れる
Support:インストラクター向け豊富なコンテンツ&LINEを使った1on1
のサポート体制

加藤様は、Lekchaを成長させるために次の2つに注目しているそうです。

「これから」の知識
領域として新しい・ニッチ・他では学べないトピック
EX. ブロックチェーン、WEB3、サステナビリティ

「この人から」の知識
「信頼できるインストラクター」から、直接学びたいというニーズ
EX. デザイン、プログラミング、ハンドメイド、性教育

今後の展望
加藤様は、Lekchaを通して、日本における動画講座領域のソートリーダーとしての地位を確立したいとおっしゃっていました。
具体的には、まだまだ情報が少ない「動画講座の作成・販売」にまつわるノウハウを蓄積し、サービス内だけでなく、サービス外に向けても広く発信していく計画だそうです。
また、プロダクトもより一層スピード感を持ってアップデートを行い、誰でも簡単に魅力的な動画講座を作成・販売できる体験を追求していきます。

まとめ

今回は、EdTech関連の代表的な4社のお話をお聞きしました。

時代の変化やCovid-19の影響、テクノロジーの進展に応じて、教育のあり方が大きく変化しています。
誰もが、楽しみながら主体的に学び、スキルを生かしていくことができる世の中の到来が楽しみです。なお、本文中に記載した各社のサービス価格は2022年6月現在のものです。

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!


引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!
>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


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