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誰よりもサッカーを愛した教祖 − ペレを広告塔として利用した旧統一教会

(※ この記事のタイトルは『誰よりも日本を愛した人』に倣いました。)

平和を愛する世界人として - 文鮮明自叙伝』にも記述されている通り、今世紀初頭、ペレが旧統一教会に広告塔として利用されたことがありました。(該当箇所を(長文のため、別途)一つ後の記事誰よりもサッカーを愛した教祖 −「ソウルでワールドカップが開かれたときは3台のテレビを並べておいて中継される全部の競技を見ました。」』に引用しました。)

先日カタールのルサイル国立競技場で行われた試合(ブラジル対セルビア)でリシャルリソン・デ・アンドラーデ選手があげた2点目のゴール(ドイツ戦で浅野が決めた逆点弾を越えて本大会(暫定)ベスト・ゴール)

を目の当たりにして、1941年8月9日にウクライナのキーウ(キエフ)で行われた「死の試合」を原案とする映画の一つである(俳優もサッカー選手もオールスター・キャストであったにもかかわらず、興行成績は低調でB級映画として忘れ去られていますが、ジョン・ヒューストン監督、シルヴェスター・スタローン主演、ビル・コンティ音楽による)『勝利への脱出』(1981年公開)の終盤でスタジアムの大観衆を沸かせたペレのオーバーヘッド・キック(バイシクル・キック / シザーズ・キック)を思い出された方がいらっしゃるかもしれません。

Brazil fans hold a banner saying "Pele get well soon" during the FIFA World Cup Qatar 2022 Group G match between Cameroon and Brazil at Lusail Stadium on December 2, 2022, in Lusail City, Qatar.
Brazil supporters cheer on the stands above a banner with pictures of soccer legend Pele, while waiting for the start of the World Cup round of 16 soccer match between Brazil and South Korea, at the Education City Stadium in Al Rayyan, Qatar, Monday, December 5, 2022.
Brazilian players have paid tribute to legend Pele, who is receiving hospital treatment in Sao Paulo due to his fragile health, after winning a 4-1 World Cup victory over South Korea. Following Monday’s round of 16 match at Doha’s 974 Stadium, the players unfurled a huge banner at the 82-year-old, widely regarded as one of the greatest players of all time.

1977年10月1日に引退した後も、ペレは世界中の有名企業の広告に出演する一方、FIFA(国際サッカー連盟)やunicef(国際連合(国際)児童(緊急)基金)の広報活動や親善活動に従事したり、ブラジルのスポーツ大臣に就任したりしながら、サッカーをはじめとするスポーツの振興に尽力してきましたが、『平和を愛する世界人として - 文鮮明自叙伝』にも記述されている通り、各国の政治家や学者と同様に、今世紀初頭、旧統一教会に広告塔として利用されたことがありました。


世界日報 2003年2月6日

【ソウル5日 武田滋樹】世界の各大陸を代表する8つのクラブチームが「世界一」の座を競い合うプロサッカーの「2003ワールドピースキングカップ(WPK杯)大会(主催、鮮文平和サッカー財団)が7月15日から22日まで、韓国各地の6つのワールドカップ競技場で開催される。

WPK杯組織委員会の郭錠煥委員長が5日、市内のハイアットホテルで記者会見を行い、公式発表した。

郭委員長は、「ワールドピースキングカップは地域、人種、文化、宗教など複雑な問題を超越し、スポーツを通して平和と和合を実現するという意味を持っている」と説明。大会は2年ごとに世界各国を巡回しながら開催され、「収益金は経済的に苦しい境遇にいるさまざまな国の青少年を支援するための基金として使われる」という。

記者会見に参加した組織委員会顧問のペレ氏は、「同大会は賞金と参加チームの水準など、規模と質の面で世界最高なので、大きく発展し成功するものと確信する」と語った。

第一回大会には、欧州からASローマ(イタリア)など4チームが出場するほか、北米、南米、アフリカの各大陸代表が参加。アジアからは、韓国プロサッカーリーグ2連覇中の城南一和が出場する。城南一和は16日から東京で始まるA3カップにも韓国代表として参加する。


(Source: Reuters)


"When I talked with Mr. Blatter, then I explained to him, the level of the tournament, the higher quality of the tournament, the purpose of the tournament, then the president he said 'Okay, I'm gonna approve this'."

"This is the only one tournament approved from FIFA now. Maybe in the future, it doesn't have an opportunity to see another small tournament, like we used to have all over the world."

"I think I'm gonna stay ten years, if I have to stay ten years to organise and to talk with people all over the world, to talk about the peace. This is the main point of this tournament."


釣りバカだけでなく、スポーツ好き、なかでも、サッカー好きであった文鮮明教祖は、(最盛期には韓国版レアル・マドリードと呼ばれた)城南市の城南FC(ソンナムFC、韓国リーグ優勝7回(1993, 1994, 1995, 2001, 2002, 2003, 2006)、AFCチャンピオンズリーグ 優勝2回(1996, 2010)、旧統一教会企業グループで高麗人参関連食品・薬品やメッコールを製造・販売する一和がスポンサー)、サンパウロのアトレチコ・ソロカーバ(旧統一教会の傘下に入った後にカンピオナート・パウリスタ(サンパウロ州選手権)セリエA1へ昇格)、カンポグランデのセネ(CENE - Clube Esportivo Nova Esperança)他、複数のチームを所有していました。

https://web.archive.org/web/20220627145229/https://familyfedcommunity.co.uk/the-beautiful-game-rev-sun-myung-moon-football/

天宙平和連合(UPF)や世界平和女性連合(WFWP)のような活動趣旨で今世紀初頭に文鮮明教祖が始めたのが(男性クラブチームによる)ピースカップと(女性ナショナルチームによる)ピースクイーンカップでした。

ピースカップ(当初の名称はワールド・ピース・キング・カップ)の開始に先立ち顧問として招聘されたペレは(旧統一教会の会合等で講演を依頼される著名人と同様に)報酬を受け取ったと思われますが、教祖の逝去に際し、次のような弔文を寄せたそうです。


「文鮮明総裁の逝去の知らせを受け、謹んで深く哀悼の意を表します。私は3人の元教皇とネルソン・マンデラ大統領を含めた様々な元大統領と会見した後、韓国にて文総裁にお会いし、総裁が率いる平和運動(統一運動)に出会う機会を得ました。文総裁は私に『サッカーは世界で最も大きな組織であり、平和のメッセージを伝播する重要な手段であるので、あなたは重大な責任を担っている。』と言われました。文総裁が平和をもたらすために尽力されたように、文総裁に協力する方々や追随する方々が平和のために働き続けることを願います。」

“I am deeply sorry to hear about the passing of Rev. Moon. After meeting three former popes and former presidents of various nations including President Nelson Mandela, I had an opportunity to meet with Rev. Sun Myung Moon and the peace movement in Korea. He said to me that, since football is the largest organization in the world and a very important means of propagating the message of peace, I hold a great responsibility. I hope that, just as Rev. Moon had endeavored to bring about peace, his cooperators and his followers will continue to work for peace.”


野球やアメリカンフットボールやバスケットボールやホッケーやラグビーやクリケットの人気が高い一部の国々を除けば、多数の国々で最も人気が高い球技であるサッカーを旧統一教会が宣教に利用しないはずはありませんが、韓鶴子総裁はそれほど興味がないのか、費用対効果が低かったのか、文鮮明教祖の没後、旧統一教会はサッカーチームの所有と運営から撤退しました。

尚、何故か母国では品行方正な旧統一教会は、韓国内ではサッカーを宣教に利用しなかったようです。

Captain Heiko Westermann (third right) and Son Heung-Min (third left) of Hamburger hold the trophy with Moon, as they celebrate after winning the Peace Cup final match.
Rev. Sun Myung Moon poses with his wife, Hak Ja Han Moon, and his sons the Rev. Hyung-jin Moon, left, and Kook Jin Moon, right, in Suwon, South Korea, on July 22, 2012.

ピースカップやピースクイーンカップ以外に、(芸能人が参加した)ピーススターカップやワンコリアカップも開催されていたので、教祖一族のお家騒動で息子さん達が追い出されていなければ、旧統一教会がサッカーから撤退することはなかったかもしれません。

One Korea Cup in JAPAN 2011 へ2万人の動員を指示する内部文書
One Korea Cup in JAPAN 2011 の開催案内

末尾になりましたが、清水エスパルスは2007年のピースカップに招待され、出場してしまったそうです。くわばら、くわばら...


統一協会主催「2007ピースカップ」に清水エスパルス出場

2007年6月22日14時43分

世界基督教統一神霊協会(統一協会)の教祖文鮮明が設立した「鮮文(ソンムン)平和サッカー財団」が7月12日から韓国で開催する国際サッカー大会「2007ピースカップコリア(PEACE CUP KOREA)」に、日本からJリーグの清水エスパルスが出場の意向を表明し、これに対して全国霊感商法対策弁護士連絡会が出場を取りやめるよう申し入れていたことが22日までにわかった。

大会には、欧州、南米、アジアから参加する8つのプロチームがAとB、2つのリーグに分かれ、ソウル、釜山、水原など7都市で10日間に渡る戦いを繰り広げる。同大会の優勝賞金は200万ドル(約2億4千万円)、準優勝は50万ドル(6千万円)と高額で、統一協会から送られる資金が大会の運営を支える。

全国霊感商法対策弁護士連絡会は、同大会への出場を表明したJリーグの清水エスパルスに対し、「(同大会出場は)統一協会の霊感商法の被害者らを侮辱し、サポーターに対する背信行為」といった内容の抗議書を送付した。抗議書は「(同大会運営)資金のほとんどは、日本での霊感商法により、善良な市民から違法に奪い取ったもの」としている。

同連絡会の調べによると、統一協会による日本国内の霊感商法の被害総額は、1987年から2006年までの期間で把握されているものだけで約983億円。相談件数は約2万8000件にのぼる。現在も新たに被害を受ける人は後を絶たず、元信者や霊感商法で被害を受けたとして損害賠償を求める裁判が相次いでいる。統一協会による霊感商法は主に日本で行われており、他国ではほとんど実施されていない。

統一協会は、全国の主要な駅や繁華街での手相占いやアンケート、また知人を通して先祖供養や厄払いをしなければ災難が降りかかるなどと言って脅し、センターに呼んで鑑定料や供養代として多額の金銭を要求したり、災いを払うためと、つぼや印鑑などを不当に高い金額で売り付ける霊感商法を行う集団として知られる。

豊富な資金と組織力により統一協会が設立した「鮮文平和サッカー財団」はサッカーを通し、人類和合と平和のメッセージを全世界に伝え、民族や文化を超えた世界統一家族と、世界平和の実現を目標としており、同財団理事長である郭錠煥(クァク・ジョンファン)氏は韓国プロサッカー連盟の会長という立場だ。

大会は2003年から2年おきに開催され、今回は3回目。過去2回の開会式では文鮮明氏が自ら挨拶した。また、優勝したチームには文氏から直接カップと賞金が手渡されている。スポーツによる健全な精神の育成はどこから来るのか、平和を掲げたボールの転がる行方が注目される。





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