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[読書まとめ]サービスデザインのコアアクティビティ

書籍『THIS IS SERVICE DESIGN DOING.』の「サービスデザインのコアアクティビティ」パートのまとめと、SIerのしがない所感を書かせていただきました。

4.1サービスをデザインするためのプロセスを求めて

サービスデザインでは、様々なツールやプロセスを使いこなしてプロジェクトを推進していきますが、必ず従うべき1つのプロセスがあるわけでも、ステップごとにチェックリストがあるわけでも、特効薬があるわけでもありません。
サービスデザインの長所の一つは、柔軟性にあります。解決したい問題に合わせてアレンジできるのが最良のデザインプロセスであって、問題のほうをプロセスに合わせるわけにはいきませんよね。
本書ではたくさんのツールやプロセスを紹介しますが、それらをただ真似るだけではダメです。プロセスは、人や文化、取り組んでいるプロジェクトの目標に合わせて常に調整していかなくてはなりません。
いつでも自分に問いかけていきましょう。
何がうまくいったのか。何がうまくいかなかったのか。なぜいかなかったか。どうすれば次に改善できるか。

4.2デザインプロセスのコアパターン

4.2.1発散と収束、思考と行動
どんなデザインプロセスも、以下の発散と収束の思考/行動のパターンに当てはまります。
[発散と収束の図を挿入]

(例1)リサーチ活動では、リサーチの手法を駆使して数多くの情報を集め、その後それらを整理しキーインサイトを抽出して的を絞る。
(例2)アイディエーション活動では、多くの機会を導き出し、意思決定プロセスを通じていくつかの有望なアイデアに絞り込む。

発散思考と収束思考では必要なスキルも心構えも異なりますが、どちらもサービスデザインには必須のスキルセットです。

4.2.2問題を正しく解決する前に、正しい問題を解決しているか確かめる
デザインプロセスでは、時間を無駄にしないためにまずは正しい問題の特定を徹底させることを意図してデザインされます。
今直面している問題は100%正しい問題か?クライアントは問題を正しく認識しているか?デザインアプローチの分かれ目はここにあります。
そのため、客観的に考え、動き出す前に「正しい問題」を明らかにし、理解するよう努めることが必要です。

4.2.3すべてのデザインプロセスは似ているが、違いがある
この数十年間に、過剰なほどのデザインプロセスが実践者から発表されたり、文献の中でも説明されてきました。
正確な言葉遣いなどに多少の違いはありますが、サービスデザインと他のデザイン領域のコアプロセスに違いはごくわずかしかありません。むしろ違いはツールの方にあります。(カスタマージャーニーマップ、サービスブループリントなど)
何をデザインしようとも、ユーザーのニーズは必ず把握する必要がありますし、常に反復的な作業をし、発散と収束のフェーズを経ます。そのため、サービスデザインプロジェクトがどう展開されるか、基本的なパターンと活動は何かをより深く検討する必要があるのです。

SIerのしがない所感

普段の業務でもよく思い当たるのが「発散と収束」を使い分けられているかです。
※発散と収束を繰り返すプロセスをダブルダイヤモンドと呼びます。
https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/doublediamond/
例えば、1時間の会議が始まったとします。話し合わなければならない問題は何かの認識合わせもろくにされないまま、いきなり収束に向けて話が進み、不完全燃焼で終わり、結局何も解決しない/次のアクションに繋がらない。。なんていうことはないでしょうか。
私にはありました。
このような時は、参加者とダブルダイヤモンドのプロセスを意識し、「今は発散のフェーズだから思い当たる問題をまずは洗い出そう」などというアプローチが必要だと考えます。

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