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エストニア🇪🇪ってどんなところ?

私はこの冬からエストニアの首都、タリン大学に留学をしている。これから留学する人のためにも、色々と参考になる情報があるだろうから、色々まとめてみる。

エストニアってどんな国?

エストニアというと、国の名前すら知らない人も多い。ロシアの国境にあり、ヨーロッパの一番北東部の国にある国。人口は130万人。エストニア語を話す。首都タリンからはフェリーで2時間でヘルシンキに行くことができる、北欧にかなり文化的にも近い国だ。ソビエト連邦の支配から解放された1991年以降、EUやシェンゲン協定にも加入し、ユーロも使用しているので、すごく便利な国だ。

エストニアで有名なもの、と言われても皆ぱっとは浮かばないだろう。
実は、エストニアは、「世界一の電子先進国」と言われている。
具体的には
-政府の機能が電子化されている(E-Governance)
-離婚と結婚を除く全ての行政手続きが24時間365日オンラインで可能
-会社の設立が15-20分でできる。
-国民はみんなEstonian ID Cardを持っている。
-2004年から電子投票ができる
-バスやトラムの紙のチケットが存在しない
-世界屈指のIT企業が多数(後述)
-E-Residencyという、電子住民制度がある。エストニアのバーチャル国民になれる。実際の国民より数が多いとか(笑)
- ルクセンブルクに電子大使館があり、そこで国民のデータベースをバックアップしている

日本はまだまだ紙が多い社会だなと痛感する。ちなみに、エストニアに半年ほどいて、まだ一度も現金をATMで降ろしていないし、現金で払っている人をほとんど見たことがない。

「小さいからできる」エストニアの国づくり

エストニアは、少ないリソースの中で、1991年以降、独自でシステムを開発していく必要があった。そこで求められたのが「デジタル化」。世界でも類を見ないような官民連携によって、デジタル国家を作っていった。

エストニアは、なんとユニコーン企業が7-8つもある。世界中の投資家が集まり、エストニア発のITベンチャーに投資するのだ。それで生み出されたのが、Skype(今はMicrosoftに買収されたが)であり、Bolt (交通サービス)であり、Wise(国際送金)である。ヨーロッパにいれば聞いたことがあるような名高い企業ばかりだ。たった人口130万の国に、市場価値にして1.500億円規模のIT会社が7つも8つもあるのだから、いかに凄いのかわかるだろう。

エストニアで留学してみて

ここまではいいことばかり書いたので、ここからは色々な側面で書いていこうと思う。
エストニア人は、基本的にシャイで、言葉をあまり発しない。すごく静かだ。バスやトラムも静かで、スーパーの店員も微笑んでくれたらいい程度で挨拶もないことも多いので、若干怖いと感じたのも事実だ。慣れるが。

タリン大学は、留学先としては、私は5段階で評価するなら3だろうと思っている。理由は以下の通りだ。
おすすめポイント
①みんな英語は話せるので、生活には全く困らない。
②物価が比較的安い。
③夕陽がとても綺麗(これはマジ)
④交通が便利。旅行もしやすい。

これだけで、留学先としてはとてもおすすめできます。

ネガティブなポイント
①エストニア人と同じ授業を基本的に履修できないため、エストニア人の友達を作るのが非常に困難。寮も留学生のみ、授業も留学生のみ。エストニア人はエストニア語で授業を受けているため、あまり接点がない。普通に生活していたら、エストニアに留学している、という感じはあまりない。
②気候がちょっときついかもしれない。冬は-15度など、かなり厳しい寒さで、日が短い。夏が近くなると、0時過ぎまで明るかったりするので、生活習慣を維持するのが難しい。
③学問としてのレベルは、秋田にいた時の方が断然高かった。先生たちが、AIUのように学生の面倒を見てくれる感じではない。すごく適当な授業もあったり、一方的な講義であまり学びを得られないと感じるような授業もあった。大学院を考えている、もっと「学問をしたい」という学生には正直言ってあまりお勧めできる大学ではないかもしれない。

いずれも私の主観なので、鵜呑みにせず、いろいろな情報を目にしてみてもらえたらと思う。必要とあればいつでも連絡ください。詳しく聞きたい方はぜひ。

タリン中心部から見える夕陽

まとめ

エストニアでの生活は、とても充実していて、楽しい。いろいろな国から来た留学生と共に過ごす日々は、一生の宝物になる。次のセメスターもとても楽しみだ。生活をするという観点では、非常に気に入っているが、学問をするという観点で物足りなさを感じているのは事実でもある。せっかくエストニアにいるのだから、いろいろなものを吸収して、日本に持ち帰り、「小さいからこそできる」をいろいろなフィールドで実現していきたいと思う。最後に写真をいくつか載せておきます。

国境の街、Narvaにて。右はエストニア、左はロシアだ。
冬の旧市街地。雪を被っても綺麗だった。


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