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ミステリの話

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Dミス部員によるミステリ関係の記事が載ってるマガジンです。※各記事の内容は執筆者個人の意見に基づくものであり、弊会の総意とは異なる可能性があります。
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記事一覧

絶版本レビュー 第2回 フェリシア・ヤップ『ついには誰もがすべてを忘れる』

 今回紹介するのは記憶力の低い人ばかり出てくるSFミステリ。もし人々が完全な記憶能力を持っ…

白令@DMSS
4日前
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絶版本レビュー 第1回 フリードリヒ・デュレンマット『失脚/巫女の死』

 Dミスの定例読書会の課題本を選ぶ時その本がある程度手に入りやすいかどうかが問われること…

白令@DMSS
5日前
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ピーター・ディキンスン全作レビュー(予定地)vol.1 ディキンスンとは誰か マイ・フ…

ディキンスンとは誰か  ピーター・ディキンスンという作家がいます。アフリカのザンビアで生…

白令@DMSS
3か月前
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アニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』10話の(本当に)小ネタ~海外ミ…

・はじめに  先日本稿タイトルのアニメを見ていて、椎名ひよりと綾小路が図書館で出会う際、…

斯賓@DMSS
4か月前
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陰陽座「相剋」と『犬神家の一族』~ひとつの個人的な考え

※本記事では、横溝正史『犬神家の一族』について主要部分のネタばらしを行っています。ネタば…

斯賓@DMSS
6か月前
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読みたさだけ叫ぶよ「絶対に面白いはずで家の積読棚に控えているイケメンの小説」

 こんにちは。伯林(ベルリン)です。  二十歳、東京都台東区の寺の長男だが仏道へは進まず…

上半期読んでよかった作品10作

・はじめに  今年の上半期に読んでよかったなぁ、と思った作品を10作あげます。順不同です。 1:千街晶之『水面の星座 水底の宝石』  ミステリ評論です。多くの作品のネタばらしがあるので、読む人を選ぶかもしれませんが、ミステリに関する博識で学びがある評論となっています。今のミステリ評論をおさえておきたい人は読んだ方がいいかもしれません。 2:パトリシア・ハイスミス『11の物語』  ハイスミス、短篇が(も)うますぎます。切れ味がとても鋭く、人の心の奥底を震えさせる短篇を読みた

「ハードボイルド小説」にまつわるあれこれ

・はじめに  みなさんは、「ハードボイルド」と言われたときに、何をイメージするでしょうか…

斯賓@DMSS
10か月前
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最近ミステリについてふと思ったこと

・はじめに  まとまった記事にするには分量が足りないけれど、ふとミステリについてなんとな…

斯賓@DMSS
10か月前
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『ホワイト・ジャズ』覚え書き その2

・はじめに  読書会用のレジュメにまとめたジェイムズ・エルロイ『ホワイト・ジャズ』につい…

斯賓@DMSS
11か月前
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ドラマ『犬神家の一族』についての雑感(※ネタばらしあり)

※この記事にはドラマ『犬神家の一族』のネタばらしが含まれます。 ※この記事はあくまで個人…

斯賓@DMSS
1年前
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『日本ハードボイルド全集5 結城昌治 幻の殺意/夜が暗いように』

 『日本ハードボイルド全集』とは、日本におけるハードボイルド小説の開拓者たちの作品を集め…

斯賓@DMSS
1年前
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「ハードボイルド小説」へのはじめの一歩

・はじめに  「ハードボイルド小説に興味があるけれど、何から読んだらいいんだろう?」と思…

斯賓@DMSS
1年前
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講談社タイガの隠れた名作(1) 『詐欺師は天使の顔をして』斜線堂有紀

 こんにちは。伯林(ベルリン)です。  二十一歳、神奈川県相模原市の食べ放題焼肉店正社員男。  ギャーギャー騒ぐ中高生が無茶な注文をするのに殺意が芽生えたのがきっかけで、ミステリの世界へ――というのは真っ赤な嘘であり、私のプロフィールは全くもって秘密ということでご容赦願いたいと思います。  さてきょうは、「講談社タイガ」というレーベルの隠れた名作をご紹介します。 講談社タイガとはざっくり言うと、一般文芸とラノベ系の中間のようなミステリ作品を出版しているレーベルです。 たと