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ミステリ好き。尿酸値8mg台。 今年の推し本は『アリス連続殺人』『バイバイ、サンタクロース』『サロメの断頭台』 ディスコード・ミステリ研究会のマガジンに記事を書くためのアカウントです。 https://note.com/dmss マガジンはこちらから読めます。

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ピーター・ディキンスン全作レビュー(予定地)part3 内に死を孕む社会 『英雄の誇り』

あらすじ ピーター・ディキンスン 1971(原著は1969)『英雄の誇り』 早川書房  長らくサボっておりましたが、3作目『英雄の誇り』をレビューしていきます。ピブル警視ものの2作目。1作目である『ガラス箱の蟻』とともに2作連続で英国推理作家協会賞を受賞した作品です。それではまずはあらすじから。 第1回『ガラス箱の蟻』はこちらから https://note.com/cute_holly580/n/n43b61226983e 第2回『過去にもどされた国』はこちらから

    • ピーター・ディキンスン全作レビュー(予定地)part2 ディキンスンファンタジーの世界 『過去にもどされた国』

       ほぼ4ヶ月近く間が空いてしまいましたが、第2回です。 https://note.com/cute_holly580/n/n43b61226983e 第1回はこちらのURLから  原書の刊行順に取り上げていくつもりなので今回はこの本です。 ピーター・ディッキンソン はやしたかし訳 1972 『過去にもどされた国』大日本図書  The Changes Trilogy(大変動)と呼ばれるシリーズの第1作であり、ファンタジー小説と言っていいでしょう。上記の翻訳が大日本ジュ

      • 絶版本レビュー 第2回 フェリシア・ヤップ『ついには誰もがすべてを忘れる』

         今回紹介するのは記憶力の低い人ばかり出てくるSFミステリ。もし人々が完全な記憶能力を持っていたらという話が作中で何度かイフ的に語られるのだが、それが我々の世界とも異なることは回想の殺人ものを読むまでもない。  Dミスの定例読書会の課題本を選ぶ時その本がある程度手に入りやすいかどうかが問われることがあります。必ずしも絶版本が推薦されないわけではないですし、実際の課題本となったこともあるように思いますが、とはいえやっぱり推薦しにくい絶版本。  そんな中から面白い本を紹介しよ

        • 絶版本レビュー 第1回 フリードリヒ・デュレンマット『失脚/巫女の死』

           Dミスの定例読書会の課題本を選ぶ時その本がある程度手に入りやすいかどうかが問われることがあります。必ずしも絶版本が推薦されないわけではないですし、実際の課題本となったこともあるように思いますが、とはいえやっぱり推薦しにくい絶版本。  そんな中から面白い本を紹介しようという話です。Dミス会員であればどなたでも構いませんので、書きつぎしていただけると幸いです。あまりにも無味乾燥な企画タイトルなのでカッコいい企画タイトルも募集しています。  今回紹介するのは光文社古典新訳文庫

        ピーター・ディキンスン全作レビュー(予定地)part3 内に死を孕む社会 『英雄の誇り』

        • ピーター・ディキンスン全作レビュー(予定地)part2 ディキンスンファンタジーの世界 『過去にもどされた国』

        • 絶版本レビュー 第2回 フェリシア・ヤップ『ついには誰もがすべてを忘れる』

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          ピーター・ディキンスン全作レビュー(予定地)part1 ディキンスンとは誰か マイ・フェイバリット民族学ミステリ『ガラス箱の蟻』

          ディキンスンとは誰か  ピーター・ディキンスンという作家がいます。アフリカのザンビアで生まれ、7歳までそこで過ごしました。奇抜な設定の本格ミステリを書くことで知られたイギリスの推理作家です。  私はこの作家のことが結構好きで、ミステリファンの集まりなどがあった時、自己紹介でたまにそう付け加えているのですが、恥ずかしながら邦訳すらすべて読んでいなかったりします。  そういうわけでここらで腰を据えてすべての作品を読んでおこう。ついでにレビューもしてしまおうという企画です。

          ピーター・ディキンスン全作レビュー(予定地)part1 ディキンスンとは誰か マイ・フェイバリット民族学ミステリ『ガラス箱の蟻』

          新刊レビュー:イム・スンソン『暗殺コンサル』

          https://harpercollins.co.jp/hc/books/detail/15040 推理作家が実際の殺人にも興じる。そしてそれを上手くやってのける。しばしば見られるプロットだ。あるいは推理作家は追い詰められて殺人という最終手段を取らざるを得なくなる。しかし小説を書くのとは違い、冷静に事を運ぶことはできない。当然上手くも成し遂げられない。これもしばしば見られるプロットだ。上手くやる方とやれない方、どちらがリアルな設定なのだろうと時々考える。 イム・スンソンの

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          新刊レビュー:エリー・ウィリアムズ『嘘つきのための辞書』

           マウントウィーゼルというものをご存じだろうか。私は知らなかった。辞書などに紛れ込んだ嘘の項目のことを言うらしい。  『新コロンビア百科事典』に掲載されたリリアン・ヴァージニア・マウントウィーゼルという架空の写真家の項目に由来するらしく、他者の成果物を簒奪しようという剽窃者に仕掛けられたトラップ、あるいはいたずら心の産物として辞書に仕掛けられることがあるそうだ。  本書は辞書編纂をテーマにしたお仕事小説と言える(『舟を編む』とこの本以外にそんなジャンルの小説があるのだろうか)

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          新刊レビュー:木江恭『鬼の話を聞かせてください』

          久しぶりに新刊を読んだのでレビューを書きます。 木江恭『鬼の話を聞かせてください』   現代の都市伝説 あなたの『鬼』の話を百字以内で聞かせてください。 「鬼」の定義は問いません。あなたが出会った「人知を超えた存在」「人間技とは思えない所業」「科学や論理で説明できない謎」「不思議な体験」――あなたが「鬼」だと思うもの。それを、百字以内で送ってください。 あなたは、「鬼」を信じますか。    上記の募集に寄せられた体験談。そんな体験談の投稿者や関係者にライターである主人公が詳

          新刊レビュー:木江恭『鬼の話を聞かせてください』