お金を儲ける。ということ〜インバウンド観光と輸出〜

会社員ではなく、個人事業であったり経営者と仕事をする上で、少し仲良くなってくるとなぜその仕事をしているの?と聞かれたり、聞いたりすることはあるだろうか。おそらくあるであろう。

私は日本のインバウンド観光業はビジネスチャンスであると思っているからである。インバウンド観光業はコロナ前に政府が目標を立てているのをご存知だろうか。2030年までに15兆円規模の輸出市場を目指すということである。

さて、これを聞いて、ピンとくる人はいるだろうか。私は色々なところでこの話を聞いたり、話したりするのだが、他のオーディエンスの顔を見てもよくわからないという顔をした人がはじめは多かった。自動車産業の輸出総額はいくらかご存じだろうか。約12億円である。さらに、海外ではガソリン車の撤廃が7年後の2030年は決定しており、徐々にガソリン車は衰退していくであろう。にもかかわらず、日本では電気自動車の普及は進まず、もしかすると世界を揺るがす別のエネルギー車を作っているのかもしれない。電気自動車では電気を作るのに火力発電などで結局二酸化炭素や、温室効果ガスを排出してしまうため、別路線を歩んでいると見ているが、どうだろうか。
とりあえず、観光業界のインバウンド消費目標額15兆円は自動車産業に匹敵する市場であると言うことをお伝えしたい。

そもそも、インバウンド観光が”輸出”になるということは何となくわかるだろうか。一応、最初にこの話を聞いた時、なるほど。と思ったので、共有しておく。

まず、輸出に関して。簡単にいうと日本企業が作った商品を海外に売ることである。するとお金は海外から日本に入ってくる。つまり、輸出をする前は日本のお財布に1(単位はややこしくなるので省く)入っていたとしたら、輸出をして商品が売れることによって1の対価を得て、日本のお財布が2になる。これが外貨の獲得と国富の増大である。
ただし輸入を多くしているため、増えはしない。むしろ減っていく。
輸出と輸入の現状に関しては、下記リンクから見てみると面白い。

さて、インバウンド観光である。インバウンド観光は、日本国内に外国人観光客を呼び、彼らのお金(外貨)を日本に落としてもらう仕組みになっている。商品を売るのではなく、サービスやホスピタリティを体験し対価を支払ってもらうのである。外貨を獲得し、国富の増大という輸出の金銭的本質が一緒なのである。つまり、インバウンド観光=輸出ということである。

日本が豊かになるためにはこの観光業界を盛り立てていく必要がある。
そのためには優秀な人たちが集まる業界、賃金などの変革、働き方改革、重労働低賃金なイメージの払拭から始まる”労働環境の改革”が必要だと考えている。そしてサービス提供者や関係人口を増やしていく必要がある。ここで共通点は何だろうかと考えた時、やはり”お金”ではないだろうか。優秀な人は賃金が高く、しかしこの業界では払えない。賃金が低いため、人が集まらないし、高くなっても重労働だから避けられる。働き方は企業がお金を儲けて”余裕”が生まれてくると変わってくるのではないだろうか。なので、盛り上げるには”儲ける”ことが必須であり、魅力的な商品作成や客寄せパンダはそのための”手段”であると考えている。

しかし、中には観光業に携わる人は”旅行客を楽しませる”ということが目的になってしまい、儲けることは二の次、顧客満足度の向上こそが使命であるような人が多い。良い商品が必ず売れるというわけではないのはご存知だろう。良い商品を作ったとしても、認知され売れなければ埋もれていってしまうのである。

大手企業と中小企業の差はそこである。やはり大手企業は”稼ぐ”ことにとても貪欲であり、一円でも多く稼ごうとするのである。

目的を履き違えてはうまくいかない。苦しむ社員が多くなる。
観光業も”ビジネス”であり、会社が運営するのであるのだから、”稼ぐ”ことを目的とする事業者が増えてほしい。ただし、”稼ぐ”ことはしっかりとした対価がないと続かないので、悪徳、詐欺まがいのような稼ぎ方は絶対にしてはならない。旅行者を楽しませるビジネスであることは間違いないのである。旅行者を楽しませて、稼いでいただきたい。そして旅行者自身も、楽しませてもらっているという感謝の意をもって対価を支払ってほしい。事業者は払ってもいいと思われるような商品設計を心がけていただきたい。

”稼ぐ”ということはなぜか日本で汚い、よくないと思われがちである。ですが、世界中、資本主義社会である以上、ビジネスをしていて稼がないは悪である。むしろビジネスと呼ばない。ぜひ、たくさん稼ぐスタイルを見つけていただき、従業員への還元やさらなる発展に努めてほしい。

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